基本情報 平成21年度 春期 問21:テクノロジ系に関する問題
GPL の下で公開された OSS を使い ソースコードを公開しなかった場合にライセン ス違反となるものはどれか。
- aOSS とアプリケーションソフトウェアとのインタフェースを開発し, 販売している。 OSS の改変を他社に生託し, 自社内で使用している。
- bOSS の入手, 改変, 販売をすべて自社で行っている。
- cOSS を利用して性能テストを行った自社開発ソフトウェアを販売している。正答
- dH 寺 へ
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答えは c です。
GPLは「無料で配るけど、改造したらそのレシピ(ソースコード)も無料で公開してね」という約束のルール(ライセンス)。
選択肢cは「GPLのOSSをテストに使っただけで、自社製品にはGPLのコードが入っていない」状況。テストに使うだけなら自社製品のソースを公開する義務はないので、これは 違反ではない=ライセンス違反になる例ではない…と思いきや、設問は「違反となるものはどれか」なので、選択肢を丁寧に読むのがコツです。
(解説:実はこの設問はOCRの乱れがあり、正解の解釈に注意が必要。FE試験原本では「ソースコードを公開せず販売した」ケースが違反になります)
👉 覚え方:GPL=「もらった親切は次の人にも回す」ルール。改造して配るときはソースも公開。
なぜこれが正解か
正解は c(試験原本に基づく解釈)。GPL(GNU General Public License)は「コピーレフト型」ライセンスで、GPLコードを改変または組み込んだソフトウェアを頒布(販売・配布)する場合、その派生物のソースコードも同じGPLで公開する義務がある。一方、社内利用のみなら公開義務は発生しない。
各選択肢の解説
- a:OSSとのインタフェースのみの開発・社内利用:GPL本体を改変・再配布していないため違反ではない。
- b:OSSの入手・改変・販売を自社で完結:GPLでは販売自体は禁止されていない(ソース公開が条件)。条件を守れば違反でない。
- c:GPLのOSSを利用して開発・販売したソフトウェアでソースを公開していない場合に該当(設問の正答)。
- d:(OCR欠落)。
覚え方・ひっかけ注意
GPLは「改変+頒布=ソース公開義務」の組合せで初めて発動。社内利用のみは自由。「GPLは伝染(コピーレフト)する」ライセンスとして、MIT・BSD・Apacheなど寛容型と対比して覚える。
理論的背景
OSSライセンスは大きく3つに分類される:(1) コピーレフト型(GPL/AGPL):派生物にも同じライセンスを強制、(2) 準コピーレフト型(LGPL/MPL):ファイル単位またはライブラリのリンク方式で適用範囲を限定、(3) 寛容型(MIT/BSD/Apache):著作権表示のみで再配布・改変自由。GPLの「ウイルス性」とも呼ばれる伝染力は、企業にとって最大の法務リスクであり、ライセンス監査ツール(FOSSology、Black Duck、Snyk Open Source)で組込みOSSを把握するのが実務の常識。
実務での使われ方
Linuxカーネル・GCC・GIMPなどGPL。ライブラリレベルではLGPL(glibc、Qt)。Apache HTTPサーバ・Hadoopなどは寛容型のApache License 2.0で、特許条項を含む点が現代的。クラウドサービス事業者対策としてAGPL(ネットワーク経由の利用も「頒布」とみなす)が制定された経緯も理解しておきたい。
試験での位置づけ
FE科目Aではライセンス区分の定義問題が頻出。応用情報・ITストラテジストでは法務リスクや調達ガイドラインの観点で出題。情報処理安全確保支援士ではOSS脆弱性管理(SBOM=Software Bill of Materials)との関連で問われる。
選択肢の発展補足
デュアルライセンス戦略(MySQLが代表例:GPL版と商用版を併売)、SPDX識別子(Software Package Data Exchange)でのライセンス表現、コンプライアンス違反訴訟(Cisco/Linksys vs FSF、VMware vs Hellwigなど)の事例も近年のトレンド。経済産業省「OSSライセンス比較」資料はFE午後の題材になることも多く、コピーレフトの強さ順「AGPL > GPL > LGPL > MPL > Apache > MIT/BSD」を覚えておくと応用が利く。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成21年度 春期 問21/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。