基本情報 2022 サンプル問題 問14:テクノロジ系に関する問題
図のように,1 台のサーバ,3 台のクライアント及び2 台のプリンタがLAN で接続 されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデー タをプリンタに出力する。各装置の稼働率が表のとおりであるとき,このシステムの 稼働率を表す計算式はどれか。ここで,クライアントは3 台のうちどれか1 台が稼働 していればよく,プリンタは2 台のうちどちらかが稼働していればよい。 プリンタ クライアント プリンタ サーバ クライアント クライアント 装置 稼働率 サーバ a クライアント b プリンタ c LAN 1
- aab3 c2
- ba (1 - b3 ) (1 - c2 )
- ca (1 - b)3 (1 - c)2
- da (1 - (1 - b)3 ) (1 - (1 - c)2 ) - 12 -正答
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答えは d です。
稼働率の計算は 「全部つながってる(直列)= 掛け算」「どれか1つでOK(並列)= 1から計算」 がコツ。
このシステムの流れ:
- サーバ(必須) → クライアント3台のうち1台動けばOK → プリンタ2台のうち1台動けばOK
- 全部直列のように繋がってる(どれかが全滅したら使えない)
クライアント3台が全部止まる確率は (1−b)³。だから 「3台のうち少なくとも1台が動いてる」確率は 1−(1−b)³。
同じくプリンタは 1−(1−c)²。
サーバは1台しかないので a がそのまま。LAN は稼働率1(必ず動く)。
ぜんぶ掛け算: a × (1−(1−b)³) × (1−(1−c)²)
👉 覚え方: 「並列は『全滅しない確率』= 1 − 全滅する確率」。
ほかの選択肢: a・b・c は並列の計算式を間違えていて、必要なデバイスが動いてない確率になっている。
なぜこれが正解か
正解は d「a × (1 − (1−b)³) × (1 − (1−c)²)」。
基本則:
- 直列(全稼働必須): 稼働率の積
- 並列(1つでOK): 1 −(全故障確率)= 1 − (1−各稼働率)ⁿ
構成: サーバ1(直列, a) × クライアント3並列(1−(1−b)³) × プリンタ2並列(1−(1−c)²)。LAN=1 は無視できる。
各選択肢の解説
- a「ab³c²」: 全機並列を直列扱い。3台全て稼働を要求しており誤り。
- b「a(1−b³)(1−c²)」: 「全故障確率」を b³ と誤計算(正しくは (1−b)³)。
- c「a(1−b)³(1−c)²」: 各機の故障確率の積、すなわちシステム故障率を表しており稼働率ではない。
覚え方・ひっかけ注意
「並列 = 全滅の余事象」: n台並列稼働率 = 1 − (1 − 個別稼働率)ⁿ。
並列と直列を取り違えない: 「3台のうち1台動けばOK」=並列(可用性向上)、「3台全て必要」=直列(可用性低下)。問題文の冗長性記述を正確に読み取る。
LAN稼働率1は問題簡略化のための仮定で、実際にはスイッチ/ルータの稼働率も計算する。
信頼性ブロック図(RBD)の理論
本問は RBD(Reliability Block Diagram) による可用性解析。各装置を独立事象として確率論で全体可用性を導出する古典手法。基本公式(故障独立前提):
- 直列(AND): R = Π R_i
- 並列(OR, 1-out-of-n): R = 1 − Π(1 − R_i)
- k-out-of-n: 二項分布 Σ C(n,i) R^i (1−R)^(n−i)
本問は 1-out-of-3(クライアント)と 1-out-of-2(プリンタ)の典型ケース。
MTBF/MTTR と稼働率
可用率 = MTBF / (MTBF + MTTR)。例: MTBF=1000h, MTTR=10h → 99.0%(2-nine)。商用SLAでは 3-nine(年間8.76h停止)、5-nine(年間5分)が基準。
冗長構成の分類
- N+1: 本問のクライアント3台、プリンタ2台はこれに該当。
- Active-Active: 全機稼働で負荷分散兼可用性向上。
- Active-Standby (Hot/Warm/Cold): 待機系のウォームアップ度合いで RTO が変わる。
- TMR(3重多数決): 航空宇宙・原子力等の人命系。
現実の補正要因
本問の独立事象仮定は理想化。実際は:
- 故障の相関: 同一電源・同一DCは同時障害リスク
- 共通要因故障(CCF): ソフトウェアバグ・設定ミスは冗長化で防げない
- 計画停止の扱い: SLA定義に依存
試験での位置づけ
システム構成・信頼性領域の超頻出単元。基本情報技術者試験では直列・並列構成 + MTBF/MTTR が定番。応用情報以降では SLA 設計、DR サイト、マルチAZ 設計まで踏み込む。
選択肢の発展補足
- マルコフモデル: 状態遷移確率で冗長系の故障/修復を扱う精密モデル。
- FMEA(故障モード影響解析): 各故障モードと影響を表で整理する手法。RBDと並ぶ信頼性設計の二大手法。
- クラウドの極端例: AWS S3 11-nine 耐久性は、複数AZ・複数ドライブへの分散保存で実現。本問の並列冗長の究極形。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 2022 サンプル問題 問14/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。