基本情報 2022 サンプル問題 問37:テクノロジ系に関する問題
電子メールをドメインA の送信者がドメインB の宛先に送信するとき,送信者をド メインA のメールサーバで認証するためのものはどれか。
- aAPOP
- bPOP3S
- cS/MIME
- dSMTP-AUTH正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。
答えは d SMTP-AUTH です。
メール送信のプロトコル SMTP には、もともと「あなた誰?」と確認する仕組みがありませんでした。だから昔は誰でも他人のサーバを踏み台にしてスパムが送れた…。
そこで生まれたのが SMTP-AUTH(SMTP認証)。メールを送る前にユーザ名とパスワードでログインさせて「本物の利用者か」を確認する仕組みです。
👉 覚え方:SMTP(送信) + AUTH(認証)= 送る人を確認
ほかの選択肢:a APOP は POP(受信) のパスワード保護/b POP3S は POP3+SSL/TLS(受信を暗号化)/c S/MIME はメール本文の 暗号化と署名。全部「受信」か「中身」の話で、「送信時の認証」じゃないです。
なぜこれが正解か
正解は d。SMTP-AUTH(RFC 4954)は、SMTPセッション開始時にAUTHコマンドでユーザ名・パスワード等の認証情報を提示し、送信元メールサーバが利用者を認証する拡張仕様。第三者中継(オープンリレー)防止と送信者特定に有効。
各選択肢の解説
- a:APOPはPOP3でパスワードをMD5ハッシュ化して送る 受信 プロトコル拡張。
- b:POP3SはPOP3をSSL/TLSで暗号化した 受信 プロトコル。
- c:S/MIMEはメール本文の暗号化・電子署名(公開鍵基盤)。
- d:SMTPの送信時認証=正解。
覚え方・ひっかけ注意
「SMTP=送信/POP・IMAP=受信」 をまず固定し、AUTHが付くもの=認証拡張、Sが付くもの=SSL/TLS暗号化、と分解。SPF/DKIM/DMARCは「受信側で送信元ドメインを検証」する別系統の 送信ドメイン認証 で混同注意。POP before SMTP(受信認証成功後一定時間SMTP許可)は古い方式で現在はSMTP-AUTHが主流。
理論的背景
SMTPは元々認証なしのため、第三者中継・なりすまし送信が容易だった。Submission Port(TCP/587、RFC6409) にSMTP-AUTHを必須化する構成が事実上標準。ESMTPのAUTH拡張ではSASL(RFC4422)フレームワーク経由でメカニズム(PLAIN/LOGIN/CRAM-MD5/SCRAM-SHA-256/XOAUTH2/GSSAPI)を選択する。AUTH PLAIN/LOGINは平文のため必ずSTARTTLS(RFC3207)またはImplicit TLS(465/SMTPS)と併用する。
送信ドメイン認証との関係
受信者側のなりすまし検証は別系統で、SPF(送信元IP登録、RFC7208)/DKIM(メール本文への電子署名、RFC6376)/DMARC(SPF/DKIM結果のポリシー判定、RFC7489)で構成。SMTP-AUTHはMUA→MSA間の 送信時のユーザ認証、SPF/DKIM/DMARCはMTA間/受信時のドメイン認証で、目的が異なる。BIMIはDMARC合格後にブランドロゴを表示する受信側UX拡張。
実務での運用・関連規格
M3AAWGガイドラインや日本のCAPI/JIPDECがOP25B(Outbound Port 25 Blocking)+ Port 587 + SMTP-AUTHのISPベストプラクティスを推奨。ガバナンス的にはISO/IEC 27001のA.13通信セキュリティに位置付け。クラウドメール(Microsoft 365、Google Workspace、Amazon SES)はOAuth2(XOAUTH2)でトークン認証に移行し、Basic認証廃止が進行中。
試験での位置づけ
基本情報ではメール関連プロトコルの 役割識別問題 が定番(SMTP/POP/IMAP/APOP/S/MIME/PGP/SPF/DKIM/DMARC)。応用情報・支援士ではSPF・DKIM・DMARCの相互関係、ARC(転送中の認証情報保全)、TLS-RPT/MTA-STSまで踏み込む。
選択肢の発展補足
S/MIMEとPGPはどちらもメール本文の暗号化・署名だが、S/MIMEはX.509証明書(認証局)ベース、PGPは信頼の輪(Web of Trust)ベースで運用思想が異なる点が頻出。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 2022 サンプル問題 問37/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。