基本情報 令和7年度 科目A 問20:テクノロジ系に関する問題
カーボンフットプリントの説明として,適切なものはどれか。
- a温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする取組
- b原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出 される温室効果ガスの排出量を,CO2 量に換算して,その値を商品やサービスに表 示すること正答
- c自動車のエンジンから排出される一酸化炭素,窒素酸化物や炭化水素類などの大 気汚染物質の排出量の定め
- d商品がどのような場所で作られて,流通し,販売されているかを把握するための 仕組み - 11 - 〔 メ モ 用 紙 〕 - 12 - 試験問題に記載されている会社名又は製品名は,それぞれ各社の商標又は登録商標です。 なお,試験問題では,TM 及び ® を明記していません。 ©2025 独立行政法人情報処理推進機構
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは b です。
カーボンフットプリント=商品が生まれてから捨てられるまでのCO2の足跡。「この製品、作って・運んで・使って・捨てるまでに、CO2をぜんぶで○kg出してます」と商品に書いておくこと。
お菓子のパッケージに「CO2:120g」と書いてあるアレです。
👉 覚え方:フットプリント=足跡。CO2が地球に残した足あと。
ほかの選択肢:a プラスマイナスゼロ=カーボンニュートラル/c 車の排ガス規制=マスキー法的なやつ/d どこで作って売ってるか=トレーサビリティの話。
なぜこれが正解か
正解は b。カーボンフットプリント(CFP)は、商品やサービスのライフサイクル全体(原材料調達→製造→流通→使用→廃棄・リサイクル)で排出される温室効果ガス(GHG)の総量をCO2換算で算定し、製品に表示する仕組み。消費者の環境配慮型選択を促し、企業のサプライチェーン排出削減を可視化する。
各選択肢の解説
- a 排出量−吸収量=0:カーボンニュートラルの説明。
- c 自動車排ガス規制:大気汚染防止法・自動車NOx・PM法などの規制で、CFPとは別物。
- d 流通経路の把握:トレーサビリティ(製造履歴・流通追跡)の説明。
覚え方・ひっかけ注意
「フットプリント=足跡=出した分だけ」で覚える。カーボンニュートラル(差し引きゼロ)・カーボンオフセット(他の削減で相殺)と混同しやすいので、CFP=可視化、ニュートラル=相殺後ゼロ、オフセット=埋め合わせと3点セットで整理。
理論的背景・仕組みの詳細
CFP算定は LCA(Life Cycle Assessment、ISO 14040/14044) をベースに、CO2に限定して総量を算出するもの。製品単位の算定基準はISO 14067、組織単位はISO 14064、GHGプロトコル(WBCSD/WRI)が国際標準。算定範囲はScope 1(自社直接排出)、Scope 2(購入電力等の間接排出)、Scope 3(サプライチェーン全体)に分類され、CFPは主にScope 3まで含めたライフサイクル全体を扱う。CO2以外のGHG(CH4、N2O、HFCs等)はGWP(地球温暖化係数)で重み付けしCO2換算する。
実務での使われ方・関連規格/法令
日本ではCFPプログラム(経産省・産業環境管理協会)が制度運用。EUでは2024年からCBAM(炭素国境調整メカニズム)が段階導入され、輸入鉄鋼・セメント・アルミ等のCFP申告が義務化、2026年から課金が始まる。SBT(Science Based Targets)認定企業の急増、TCFD・ISSB S2(気候関連開示基準)と連動し、製品CFP算定はサプライヤ選定の必須条件化が進む。算定ツールは原単位データベース(IDEA、ecoinvent)+ 専用SaaS(Persefoni、Watershed、ゼロボード等)が主流。
試験での位置づけ
FE科目Aではビジネスインダストリ・標準化領域。「ライフサイクル」「CO2換算」「表示」の3キーワードで即判定可。応用情報・ITストラテジスト試験ではESG経営、SDGs、サーキュラーエコノミーと絡めた論述で頻出。中小企業診断士・環境経営士など隣接資格でも同概念が問われる。
選択肢の発展補足
類語整理:ウォーターフットプリント(水)、エコロジカルフットプリント(生態系全体)、カーボンインセット(自社サプライチェーン内での削減投資)、インターナルカーボンプライシング(社内CO2価格設定)。EUのデジタルプロダクトパスポート(DPP、2027年〜順次義務化)はCFPを含む環境情報を製品単位のNFC/QRで参照可能にする仕組みで、IT業界はこれを支えるデータ基盤・トレーサビリティシステムの構築需要が急増している。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 令和7年度 科目A 問20/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。