一般知識48諸法令・行政書士法

行政書士 一般知識 問48:諸法令・行政書士法

行政書士法第1条(令和7年改正・2026年1月1日施行後の現行条文)に定める行政書士の使命に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 令和7年改正前の行政書士法第1条は「この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的とする」という目的規定であり、令和7年改正によりこれが「使命規定」(行政書士は…使命とする)へと改められた。正答
  • 令和7年改正後の行政書士法第1条は、行政書士の使命として「行政に関する手続の円滑な実施に寄与する」ことのみを掲げており、国民の権利利益の実現については別条文で定めている。
  • 令和7年改正により新設された職責規定(第1条の2)には、品位保持・法令遵守・公正誠実な業務遂行の義務が定められたが、デジタル社会への対応については一切規定されなかった。
  • 行政書士法第1条の使命規定は、行政書士の行為規範としての意義を持つにとどまり、依頼者が損害賠償を請求する際の法的根拠にはならない。
  • 令和7年改正によって行政書士の「使命」が初めて行政書士法に規定されたことで、行政書士の職業的地位が弁護士・司法書士と同等の法的地位に引き上げられた。
正答:令和7年改正前の行政書士法第1条は「この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的とする」という目的規定であり、令和7年改正によりこれが「使命規定」(行政書士は…使命とする)へと改められた。

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正答はアです。令和7年改正(2026年1月1日施行)以前の行政書士法第1条は「この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的とする」という「目的規定」でした。令和7年改正では、弁護士法・司法書士法等が有する「使命規定」に倣い、「行政書士は、その業務を通じて、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを使命とする」という「使命規定」へと改められました(アはこの目的→使命の改正を正確に述べており正しい)。イ(誤):改正後の第1条は「行政に関する手続の円滑な実施に寄与する」ことのみを掲げているのではなく、「国民の利便に資し」「国民の権利利益の実現に資する」ことも同じ第1条に併記されています。ウ(誤):令和7年改正では職責規定(第1条の2)が新設され、その第2項で「デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図るよう努めなければならない」というデジタル社会への対応の努力義務が明確に規定されています(士業法で初)。「一切規定されなかった」とするウは誤りです。エ(誤):使命規定は行政書士の職業倫理・行為規範を示すとともに、損害賠償の場面でも行政書士の注意義務の内容を画する機能を持ちます。オ(誤):使命規定の新設は行政書士の業務範囲・法的地位を弁護士・司法書士と同等にするものではありません。各士業は独自の業務範囲・規制を持ちます。

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アが正答です。令和7年改正前の行政書士法第1条は「この法律は…ことを目的とする」という目的規定でしたが、令和7年改正により「行政書士は…ことを使命とする」という使命規定(主語が「この法律は」から「行政書士は」に変わる)へと改正されました。アはこの改正前条文と「目的→使命」への改正を正確に述べているため正しい記述です。弁護士法第1条(弁護士の使命)・司法書士法第1条(司法書士の使命)と同様の形式の規定です。使命規定化の実務的意義は、①行政書士が国民の権利利益の実現に貢献する職業であることの明確化、②依頼人への誠実な職務遂行義務の根拠規定としての機能強化にあります。さらに令和7年改正では職責規定(第1条の2)も新設され、第1項で品位保持・法令遵守・公正誠実な業務遂行、第2項でデジタル社会への対応の努力義務が定められました。ウについて:第1条の2第2項でデジタル社会への対応の努力義務が明確に規定されており、「一切規定されなかった」とするウは誤りです(士業法で初めてデジタル対応を努力義務化した点が本改正の特色)。エ(誤):使命規定は行政書士の注意義務の基準を定める機能を持ち、損害賠償請求の場面で義務の内容を根拠付けるものとして意義を持ちます。

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【令和7年改正の背景と「使命規定」の法的意義】

令和7年(2025年)の行政書士法改正(2026年1月1日施行)は、行政書士制度の制定から70年以上を経た大きな制度改革の一部です。改正の背景として①行政書士の業務が高度化・複雑化し、単なる「書類作成業務者」を超えた法的サービスの担い手としての役割が定着してきたこと、②デジタル化・DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に対応した業務展開が必要となっていること、③弁護士・司法書士等との連携・競合の中での行政書士の職業的アイデンティティの確立が挙げられます。「使命規定」は弁護士法1条(「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」)・司法書士法1条(「司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を保護し、もって自由で公正な社会の形成に寄与することを使命とする」)と同様の構造で、行政書士の社会的使命を明示しています。

【デジタル化対応努力義務の意義と実務的影響】

令和7年改正では職責規定(第1条の2)が新設され、第2項で「行政書士は、その業務を行うに当たっては、デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図るよう努めなければならない」というデジタル社会への対応の努力義務が定められました。これは士業法で初めてデジタル社会への対応を努力義務として明文化したものとされています。努力義務の法的性格は「法的強制履行が直ちに可能ではない義務」ですが、完全に無視できるものではなく、①業務水準として「デジタル化対応の合理的な努力を怠った場合」が懲戒事由(14条柱書の「ふさわしくない重大な非行」)に関連しうる場合があること、②行政書士会による指導・研修との連動、③依頼者との関係での注意義務の内容が変化しうることが実務的影響として考えられます。なお第1条の2第1項は、品位保持・業務に関する法令及び実務への精通・公正かつ誠実な業務遂行という職責の基本を定めています。行政書士として電子申請能力・デジタルリテラシーを磨くことが今後の業務展開の必須条件となります。

【使命規定と行政書士の職務上の注意義務】

使命規定(第1条)と職責規定(第1条の2)は法的にどのような効力を持つか:①行政書士の職務上の注意義務の基準を示す機能(善管注意義務の具体的内容として、「使命」「職責」を履行するに足る水準の職務執行が求められる)、②依頼者に対する損害賠償責任の場面で「行政書士としての義務を尽くしたか」の判断基準、③行政書士会・日行連の指導・懲戒の基準としての機能があります。弁護士の場合、弁護士法1条の使命規定は弁護士の職務における「基本的人権の擁護・社会正義の実現」が具体的義務水準を画するものとして解釈されており、行政書士においても同様の機能が期待されます。使命規定を単なる「スローガン」として矮小化する見方(エの「行為規範にとどまる」)は適切でありません。

【上位資格・実務への接続】

令和7年改正は行政書士制度の近代化の重要な一歩ですが、業務範囲の拡大(非弁活動の禁止との関係)や報酬規制の見直しには至っていません。弁護士・司法書士・行政書士の三者がそれぞれの使命規定を持つようになったことで、①依頼者にとって適切な士業の選択の指針が明確化、②士業間の役割分担・連携の法的根拠が整理されるという方向性が期待されます。行政書士として実務に就く際、令和7年改正後の使命規定(第1条)の内容を正確に把握し、それに見合った高水準の職務遂行と継続的な研鑽(デジタル化対応を含む)が求められます。

【根拠条文】

行政書士法 第1条(令和7年改正・2026年1月1日施行後の現行条文:使命規定)・第1条の2(新設:職責規定/第1項 品位保持・法令遵守・公正誠実、第2項 デジタル社会への対応努力義務)

※本問は令和7年(2025年)改正(2026年1月1日施行)後の現行条文を前提とする。改正前の目的規定から使命規定への改正が論点の核心。

【補足】

令和7年改正(2026年1月1日施行):第1条が「目的規定」→「使命規定」へ改正(主語が「この法律は」→「行政書士は」)。弁護士法・司法書士法と同様の形式。職責規定(第1条の2)も新設され、第2項で士業法初のデジタル社会への対応努力義務を規定。使命規定は損害賠償の注意義務基準にも機能。選択肢アが改正の本質(目的→使命の変更)を正確に記述した正答。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政書士法 第1条(令和7年改正・2026年1月1日施行:目的規定→使命規定)・第1条の2(新設:職責規定/第1項 品位保持・法令遵守・公正誠実、第2項 デジタル社会への対応努力義務) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

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行政書士の使命規定(令和7年改正・2026年1月1日施行頻出度A

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