行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 基礎法学 問7|法の解釈・文理解釈と論理解釈

問題

行政書士 | 基礎法学

法の解釈方法に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

法の解釈は、文言どおりに読む文理解釈を出発点にして、拡張・縮小・類推・反対解釈などの論理解釈で補います。アは文理解釈の定義と位置づけを正しく述べており、正答です。イは誤りです。刑法でも、文言の意味の範囲内で広げる拡張解釈は許されます。罪刑法定主義が禁じるのは、被告人に不利な類推解釈です。ウは誤りです。ここで述べているのは拡張解釈の定義で、類推解釈は、規定のない事項に、似た事項の規定を及ぼす解釈です。エは「あらゆる場合に」が誤り、オは縮小解釈が刑法でも禁止されていないので誤りです。

アが正答です。文理解釈(文言解釈)は、法律の文言を通常の意味・文法に従って読む方法で、どの解釈もまず文言から出発するため、法解釈の基本となります。

イは誤りです。拡張解釈は、文言の意味を通常より広げつつ、その言葉の可能な意味の範囲内にとどまる解釈です。刑法学の通説・判例は、刑法でも拡張解釈を許しています。罪刑法定主義(憲法31条)から禁じられるのは、文言の範囲を超えて処罰を広げる、被告人に不利な類推解釈です。

ウは誤りです。記述の内容は拡張解釈の定義です。類推解釈は、法律に規定のない事項について、それと本質的に似た事項を定める規定を及ぼす解釈であり、文言の可能な意味の範囲を超える点で拡張解釈と区別されます。

エは誤りです。反対解釈が適切かどうかは規定の趣旨によって決まり、趣旨から見て類推解釈をすべき場面もあります。

オは誤りです。縮小解釈は処罰の範囲を狭める方向に働くことが多く、刑法でも禁止されていません。

【理論的背景:法解釈の体系と位置づけ】

法の解釈は、抽象的な法規範を具体的な事実に当てはめるために、その意味内容を明らかにする作業です。解釈の方法は、大きく①文理解釈(文言の通常の意味・文法に従う解釈)と、②論理解釈(立法の目的・体系上の位置・沿革などから意味を確定する解釈)に分けられます。論理解釈の中に、拡張解釈・縮小解釈・類推解釈・反対解釈・勿論解釈などがあります。これらは互いに排他的なものではなく、まず文言から出発し、その結果が規定の趣旨に照らして妥当かどうかを確かめ、必要に応じて広げたり狭めたりするという関係にあります。

【各選択肢の正誤と論拠】

アが正答です。文理解釈は法律の文言を通常の意味・文法的用法に従って読む方法です。法的安定性と予測可能性を支える解釈であり、ほかの解釈方法も「文言をどの方向へ、どこまで修正するか」という形で文理解釈を出発点にします。

イは誤りです。拡張解釈は、文言の通常の意味よりは広いものの、その言葉が持ちうる意味の範囲内にとどまる解釈です。刑法学の通説・判例は、刑法でも拡張解釈を許容しています。罪刑法定主義(憲法31条を根拠の一つとする)から禁止されるのは類推解釈であり、それも被告人に不利な方向、つまり法律に定めのない行為を処罰の対象に加える方向の類推です。

ウは誤りです。記述は拡張解釈の定義をそのまま述べています。類推解釈とは、法律に直接の規定のない事項について、それと本質的に似た事項を定めた規定を及ぼす解釈です。言葉の可能な意味の範囲を超えて規定を適用する点が、拡張解釈との決定的な違いです。民法では類推適用が広く用いられています。刑法では、被告人に不利な類推解釈が禁止され、被告人に有利な類推解釈(刑を免除・減軽する規定を似た場面に及ぼすなど)は罪刑法定主義に反しないと解するのが通説です。

エは誤りです。反対解釈は「規定がある場合に限って効果を認める」という趣旨が読み取れるときに使える方法であり、規定の趣旨によっては、似た場面に同じ効果を及ぼす類推解釈を選ぶべきこともあります。どちらを選ぶかは規定の目的によって決まり、反対解釈が常に正しいわけではありません。

オは誤りです。縮小解釈は文言の意味を通常より狭く読む解釈で、刑法では処罰の範囲を限定する方向に働くことが多く、罪刑法定主義に反しません。刑法で禁止されているものではありません。

【拡張解釈と類推解釈の境界】

両者は「言葉の可能な意味の範囲内か、範囲外か」で区別されます。たとえば「乗り物」と定めた規定を、通常は想定していない新しい種類の乗り物にも当てはめる場合、その乗り物が「乗り物」という言葉の意味に含まれると言えるなら拡張解釈です。これに対し、言葉の意味には含まれないと認めたうえで、性質が似ているから同じ規定を及ぼすというのであれば類推解釈です。刑法ではこの区別が処罰の可否に直結するため、境界をめぐって議論が生じやすい分野です。

【試験での位置づけと学習ポイント】

基礎法学の解釈方法の問題では、①各解釈方法の定義(特に拡張解釈と類推解釈の違い)、②刑法との関係(禁止されるのは被告人に不利な類推解釈であり、拡張解釈・縮小解釈は許される)、③「絶対に」「あらゆる場合に」という断定が付いた記述の吟味、の三点がよく問われます。定義の入れ替え(拡張解釈の説明に「類推解釈」の名を付けるなど)にも注意してください。

【根拠条文】

日本国憲法 第31条(法定手続の保障・罪刑法定主義の憲法上の根拠の一つ)

【補足】

本問は解釈方法の定義と刑法との関係を問うもの。類推解釈は文言の可能な意味を超えて規定を及ぼす点で拡張解釈と区別され、刑法で禁止されるのは被告人に不利な類推解釈である。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録
  • 定期監査正答が1つに決まらない問題だったため、選択肢と解説を作り直し、正答が1つに決まるようにしました。
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 法学通説(法の解釈方法論)。日本国憲法第31条(罪刑法定主義の基礎)。 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。