危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問3:物質の三態・状態変化
物質の三態(固体・液体・気体)と状態変化に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア液体が気体に変化することを蒸発(気化)といい、気体が液体に変化することを凝縮(液化)という。
- イ固体が液体を経ずに直接気体になる変化を昇華という。
- ウ一定圧力のもとで純物質が沸騰している間は、熱を加え続けても温度は一定に保たれる。
- エ液体が蒸発するときは周囲から熱を奪う(吸熱)ため、蒸発する液体の周囲は冷える。
- オ状態変化に伴って出入りする熱(潜熱)は、物質の温度を上昇させるために使われる。正答
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誤っているのはオです。状態変化のときに出入りする熱(潜熱)は、温度を上げるためではなく状態を変えるために使われます。だから状態変化の間は温度が一定です。
- ア(正): 蒸発=液→気、凝縮=気→液。
- イ(正): 昇華=固→気(液体を経ない)。
- ウ(正): 沸騰中は熱を加えても温度一定。
- エ(正): 蒸発は吸熱で周囲が冷える。
- オ(誤): 潜熱は温度上昇ではなく状態変化に使われる。
「潜熱=状態変化に使う熱/状態変化中は温度一定」を押さえます。
三態・状態変化と潜熱:
物質は温度・圧力により固体・液体・気体の三態をとり、これらの間の変化を状態変化といいます。
- ア(正): 蒸発(気化)=液体→気体、凝縮(液化)=気体→液体。融解=固体→液体、凝固=液体→固体。
- イ(正): 昇華=固体が液体を経ず直接気体になる変化(およびその逆)。
- ウ(正): 純物質が一定圧力で沸騰(または融解)している間は、加えた熱が状態変化に使われ、温度は一定に保たれる。
- エ(正): 蒸発は周囲から熱を奪う吸熱変化。打ち水や汗の気化で涼しくなるのと同じ。逆に凝縮・凝固は発熱。
- オ(誤): 状態変化に伴って出入りする熱は潜熱で、温度を変えずに状態を変えるために使われる。温度を変える熱(顕熱)とは別。「温度を上昇させるために使われる」は誤りで、本問の正答。
危険物との関連: 引火性液体は蒸発して可燃性蒸気を生じ、その蒸気が燃える(蒸発燃焼)。蒸発のしやすさ(沸点・蒸気圧)が引火の危険性に直結する。
引っかけパターン: 潜熱を「温度上昇に使う熱」とする(オ)。「状態変化中は温度一定=潜熱は状態変化に使われる」を固定。
【理論的背景】
物質は構成粒子の運動の激しさと粒子間の結びつきの強さに応じて、固体・液体・気体の三態をとります。固体は粒子が規則正しく配列して動きにくく、液体は粒子が動けるが互いに引き合い、気体は粒子が自由に飛び回ります。温度や圧力を変えるとこれらの間で状態変化が起こり、その際に「潜熱」という熱の出入りを伴います。潜熱は温度を変えずに状態だけを変えるために使われる熱で、温度を変化させる「顕熱」と区別されます。
【実務・条文構造(物理的整理)】
状態変化の名称と熱:
- 融解(固→液): 吸熱。融解熱。
- 凝固(液→固): 発熱。
- 蒸発・気化(液→気): 吸熱。蒸発熱。
- 凝縮・液化(気→液): 発熱。
- 昇華(固→気、およびその逆): 吸熱/発熱。
潜熱と温度一定:
- 純物質が一定圧力で沸騰している間、加えた熱はすべて液体を気体に変える(蒸発)ために使われ、温度は沸点で一定に保たれる。融解中も同様に融点で一定。
- 状態変化が完了した後は、加えた熱が温度上昇(顕熱)に使われ、温度が上がる。
危険物への接続:
- 第4類危険物(引火性液体)は、液面から蒸発して可燃性蒸気を発生し、その蒸気が空気と混合して燃える(蒸発燃焼)。蒸発のしやすさは沸点・蒸気圧・引火点に関係し、沸点が低く蒸発しやすい物質(特殊引火物・第一石油類)ほど低温で引火しやすい。
- 蒸発が吸熱であることは、液体の貯蔵・取扱いで容器表面が冷えたり結露したりする現象としても現れる。
【試験での位置づけ】
三態・状態変化は物理化学の基礎で、潜熱の理解が核心です。(1)蒸発=吸熱・凝縮=発熱、(2)状態変化中は温度一定(潜熱は状態変化に使われる)、(3)昇華は固→気の直接変化、を押さえます。引っかけは潜熱を「温度上昇に使う熱」とする誤り、蒸発を発熱とする誤りです。引火性液体が蒸発して蒸気を生じる(蒸発燃焼の前提)という危険物の挙動とリンクさせると理解が深まります。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 蒸発=液→気、凝縮=気→液。
- イ(正): 昇華=固→気(液体を経ない)。
- ウ(正): 沸騰中は温度一定(潜熱)。
- エ(正): 蒸発は吸熱で周囲が冷える。
- オ(誤・正答): 潜熱は状態変化に使われ温度を変えない。温度上昇に使うは誤り。
【根拠】確立した物理学(三態・状態変化・潜熱と顕熱)。
【補足】蒸発=吸熱/凝縮=発熱/状態変化中は温度一定(潜熱は状態変化に使う熱)/第4類は蒸発して可燃性蒸気を生じ蒸発燃焼する。
<!-- 監修確定 2026-06-03: 三態・状態変化・潜熱(状態変化中は温度一定/蒸発は吸熱)は確立物理学と一致。正答オ(潜熱が温度上昇に使われる=誤り)。誤りなし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(物質の三態・状態変化・潜熱)。状態変化中に出入りする熱(潜熱)は温度変化に使われず、状態を変えるために使われる(温度は一定)。物質の温度を変える熱は顕熱という。蒸発は吸熱、凝縮は発熱。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。