基本情報 平成28年度 春期 問26:テクノロジ系に関する問題
E-R 図に関する記述のうち, 適切かものはどれか。
- a関係データベースの表として実装することを前提に表現する。
- b管理の対象をエンティティ及びエンティティ間のリレーションシップとして表 現する。正答
- cデータの生成から消滅に至るデータ操作を表現する。
- dリレーションシップは, 業務上の手順を表現する。
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答えは b「管理対象をエンティティとリレーションシップで表現」 です。
E-R図とは「何(エンティティ)」と「それらの関係(リレーションシップ)」を絵にしたもの。たとえば「顧客」と「注文」がエンティティ、その間の「注文する」が関係。
登場人物と人間関係を整理する人物相関図みたいなイメージです。
👉 覚え方:E-R図=モノとつながりの図。
ほかの選択肢:a DB実装前提=設計段階の話なので限定しない/c データ操作の流れ=それはDFD(データフロー図)/d 業務手順=それは業務フロー図・アクティビティ図。
なぜこれが正解か
正解は b。E-R図(Entity-Relationship Diagram)はPeter Chen(1976年)が提唱した概念データモデリング手法で、現実世界の管理対象をエンティティ(実体)とリレーションシップ(関連)として表現する。属性(attribute)も含めた3要素で構成され、データ中心アプローチの基本図法。
各選択肢の解説
- a 関係DB実装前提:E-R図は概念モデルで実装非依存。RDB/NoSQL/OO-DB問わず使える。
- b エンティティとリレーションシップで表現:正解。E-R図の定義そのもの。
- c データ生成から消滅までの操作:それは状態遷移図やDFDの役割で、E-R図は静的な構造を示す。
- d リレーションシップが業務手順:リレーションシップはデータ間の関連であり業務フローではない。
覚え方・ひっかけ注意
「E-R図=静的構造/DFD=データの流れ/状態遷移図=状態変化/アクティビティ図=業務手順」と用途で識別。リレーションシップは1対1・1対多・多対多のカーディナリティ(多重度)で表現。正規化(第1〜第3正規形)を行う前段階の論理設計で使うのが定石。試験ではDFDとの混同が頻出ひっかけ。
理論的背景
E-R図はデータベース設計の3段階モデル概念設計→論理設計→物理設計のうち概念設計段階で作成。表記法はChen記法(菱形でリレーションシップ)、IE記法(鳥の足記法/Crow's foot)、IDEF1X記法等がある。実務ではIE記法が主流。ER図→関係スキーマ変換ルールで機械的にテーブル設計へ落とし込める。
実務での使われ方
設計プロセス:
1. 要件ヒアリング:業務知識からエンティティ・属性候補抽出
2. 概念E-R図:粗いエンティティ・関連
3. 論理E-R図:正規化・主キー・外部キー定義
4. 物理設計:DBMS固有の型・インデックス・パーティション設計
ツールはER Studio・MySQL Workbench・PlantUML・dbdiagram.io。アジャイル開発ではEventStormingで業務イベント発見→ドメイン駆動設計(DDD)の境界づけられたコンテキストごとにE-R図を作成、というモダンアプローチも普及。
試験での位置づけ
データベース分野の頻出テーマ。基本情報では定義問題、応用情報・データベーススペシャリストではカーディナリティ判定、正規化適用、サブタイプ/スーパータイプ表現、弱エンティティ、識別/非識別リレーションシップまで踏み込む。
選択肢の発展補足
関連図法との比較:
- DFD(データフロー図):データの流れと処理(プロセス)
- 状態遷移図/状態マシン図:オブジェクトの状態変化
- クラス図(UML):オブジェクト指向版E-R(属性+メソッド)
- ER図の拡張:EER(Enhanced ER)でサブタイプ・特化・汎化を表現
論理データモデリングの発展としてディメンショナルモデリング(DWH用・スタースキーマ/スノーフレークスキーマ)、Data Vault(履歴保持型モデル)等がある。NoSQL/グラフDBではノード・エッジ・プロパティモデルでE-Rとは異なる表現を取る。試験対策ではChen記法とIE記法の表記差異、リレーショナルへの変換ルールを完全暗記が必須。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 春期 問26/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。