基本情報 平成28年度 春期 問44:テクノロジ系に関する問題
別のサービスやシステムから流出したアカウント認証情報を用いて, アカウント 認証情報を使い回している利用者のアカウントを乗っ取る攻撃はどれか。
- aパスワードリスト攻撃正答
- bブルートフォース攻撃
- cリバースブルートフォース攻撃
- dー レインボー攻撃
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答えは a「パスワードリスト攻撃」 です。
これは「サイトAから漏れたIDとパスワード一覧を、サイトB・サイトC…で片っ端から試す」攻撃。
多くの人が「楽だから」と同じパスワードを使い回しているのが原因で成功してしまいます。
👉 覚え方:「漏れたリストを使い回し先に流用」=パスワードリスト攻撃。
ほかの選択肢:b ブルートフォース=1IDに対し総当たり/c リバースブルートフォース=1パスワードに対し色々なIDを試す/d レインボー=ハッシュ値の逆引きテーブル攻撃。「使い回し」がキーワードなら必ずa。
なぜこれが正解か
正解は a。パスワードリスト攻撃(credential stuffing)は、他サービスから流出したID/パスワード組を別サービスで自動的に試行する攻撃。利用者がパスワードを使い回している場合に高確率で不正ログインが成立する。問題文「別サービスから流出した認証情報」「使い回し」のキーワードがそのまま定義に対応。
各選択肢の解説
- a パスワードリスト攻撃:正解。流出済リスト前提。
- b ブルートフォース攻撃:特定IDに対しパスワードを総当たり。リスト不要。
- c リバースブルートフォース:パスワードを固定し、IDを総当たり。「password123」等の弱パスワードで多数アカウントを狙う。
- d レインボー攻撃:ハッシュ値から元パスワードを高速逆引きする事前計算テーブル攻撃。
覚え方・ひっかけ注意
「使い回し→リスト型/総当たり→ブルートフォース/パスワード固定で多ID試行→リバース/ハッシュ逆引き→レインボー」で識別。対策はサービス毎にパスワードを変える/多要素認証(MFA)/パスワードマネージャ利用/流出情報モニタリング(HaveIBeenPwned等)。MFAがあればリスト攻撃でもログイン阻止可能。
理論的背景
パスワードリスト攻撃(credential stuffing)は2010年代以降に急増した攻撃形態。背景にはRockYou・LinkedIn・Yahoo等の大規模漏洩で数十億件の認証情報がダークウェブに流通したこと、ボットネットで大量試行が低コスト化したことがある。OWASP Top 10でも常連の脅威。
実務での使われ方
対策は多層防御で構成:
- MFA(多要素認証):TOTP・WebAuthn・SMS(弱い)。最も効果的。
- CAPTCHA/reCAPTCHA:ボット自動化を阻害
- レート制限/IPブロック:短時間多数試行を遮断
- デバイスフィンガープリント:未知デバイスからのログインを追加認証要求
- 異常検知(UEBA):通常と異なる地理・時間・デバイスからのアクセス検知
- パスワードレス(FIDO2/Passkey):根本対策。フィッシング耐性も持つ
大規模サービスではAkamai Bot Manager・Cloudflare Turnstile・PerimeterX等のボット対策製品で防御。
試験での位置づけ
セキュリティ分野の最頻出テーマの一つ。基本情報では攻撃名識別、応用情報・情報処理安全確保支援士では攻撃メカニズム・対策技術・FIDO2/WebAuthn・OAuth2/OIDCまで踏み込む。NIST SP 800-63Bのパスワードポリシー(定期変更不要、辞書攻撃対策必須)も近年の論点。
選択肢の発展補足
認証攻撃の系譜:
- 辞書攻撃:単語リストベースの効率的総当たり
- ハイブリッド攻撃:辞書+数字付与のバリエーション
- クレデンシャルスタッフィング:リスト攻撃の英語名
- アカウントテイクオーバー(ATO):成功後の乗っ取り全般
- MFA Fatigue:認証通知を連発して誤承認を誘発する2022年以降の新手法
防御技術ではPasskey(パスワードレス)がGAFAM・1Passwordで実装急進行。ZeroTrustの文脈では「常に検証」原則でリスクベース認証が標準化。試験対策では4攻撃の識別を起点に、現代認証アーキテクチャへの展開知識を持つと応用情報・支援士で有利。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 春期 問44/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。