基本情報 平成30年度 秋期 問34:テクノロジ系に関する問題
電子メールのヘッダフィールドのうち, SMTP でメッセージが転送される過程で 削除されるものはどれか。
- aBcc正答
- bDate
- cReceived
- dX-Mailer
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答えは a「Bcc」 です。
Bccは“こっそり宛先”。誰に送ったかバレないように届けたい時に使います。
メールを配達する仕組み(SMTP)は、運ぶ途中で「Bccの宛先欄」を消してから配達します。じゃないと「こっそり」がバレちゃいますよね。
👉 覚え方:Bcc=Blind(見えない)Carbon Copy。途中で消されてプライバシー保護。
ほかの選択肢:b Date=送信日時(残る)/c Received=中継サーバの足跡(むしろ追加される)/d X-Mailer=送信ソフト名(残る)。
なぜこれが正解か
正解は a。Bcc(Blind Carbon Copy) ヘッダはSMTPで配信される過程でMTAが削除する。これにより他の受信者にBcc宛先が露見しない。実装上、MUA(送信クライアント)がBcc宛先をRCPT TOコマンドに展開してから、メッセージのBccヘッダを削除(あるいは個別配信時に該当受信者にのみ表示)する。
各選択肢の解説
- b Date:送信日時。メッセージに必須で保持される。
- c Received:各MTA中継時に追加されるヘッダ。経路を上から下に積み上げるため削除されない。
- d X-Mailer:送信MUAの識別子。`X-` で始まる拡張ヘッダで、原則として中継時に保持される。
覚え方・ひっかけ注意
「Blind=見えない→削除」と直結させる。Receivedはトレースに必要なので逆に増える点が引っかけポイント。スパム解析やDMARCレポートではReceivedヘッダで経路を追跡する。
理論的背景
SMTPはRFC 5321(プロトコル)/RFC 5322(メッセージ形式)で規定。SMTPのエンベロープ(MAIL FROM/RCPT TO)とヘッダは別概念で、配信制御はエンベロープ、表示はヘッダで行う。Bccは表示上の宛先を隠すための仕組みで、3つの実装パターンがある:①送信側でBcc受信者ごとに個別メッセージを生成しBccヘッダを削除、②全受信者へ単一メッセージを送りBccヘッダを削除、③Bcc宛は別エンベロープで送信。多くのMTA(Postfix、sendmail)は②または③。
実務での使われ方
- メール配信システム:マーケティング配信で、To: は代表アドレス、Bcc: でリスト配信、というのは事故の温床。配信SaaS(SendGrid、Amazon SES)はAPIで個別配信し、ヘッダ偽装・誤送信を防ぐ設計が標準。
- 誤送信防止:BccがCcに化けると個人情報漏えい事故。多くの企業がBcc専用送信ツールやDLPを導入。
- トラブルシュート:Receivedヘッダで配信遅延・スパム判定の経路を解析(例:`Received: from ... by ... with ESMTPS id ...`)。
試験での位置づけ
基本情報のセキュリティ・ネットワーク分野で頻出。SMTP/POP3/IMAP4のポート(25/465/587、110/995、143/993)、SPF/DKIM/DMARCによる送信ドメイン認証、S/MIMEの電子署名・暗号化も同時に問われやすい。
選択肢の発展補足
X-から始まるヘッダはRFC 6648で非推奨化され、新規ヘッダはIANA登録が推奨。代表的に残る `X-Mailer`、`X-Originating-IP` はメール解析で参考になるが詐称可能。Receivedヘッダ解析時は下から上に時系列を読む(最下位が最初のMTA、最上位が最後の受信MTA)。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成30年度 秋期 問34/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。