基本情報 平成31年度 春期 問41:テクノロジ系に関する問題
JIS Q 27000:2014 (情報セキュリテイマネジメントシステムーー用語) における 「リ スクレベル" の定義はどれか。
- a脅威によって付け込まれる可能性のある, 資産又は管理策の較点
- b結果とその起こりやすさの組合せとして表現される, リスクの大きさ正答
- c対応すべきリスクに付与する優先順位
- dリスクの重大性を評価するために目安とする条件
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答えは b です。
「リスクレベル」は、「結果の大きさ(被害)×起こりやすさ」で表されるリスクの大きさのこと。
例えば「火事は被害大きいけど滅多に起きない」「ペン落とすのは被害小さいけどよく起こる」——リスクは大きさだけでも頻度だけでも語れません。両方を組み合わせるのがポイント。
👉 覚え方:リスクレベル=ヤバさ × 起こりやすさ。
ほかの選択肢:a 弱点=脆弱性/c 優先順位=リスク順位/d 評価基準=リスク基準。
なぜこれが正解か
正解は b。JIS Q 27000:2014の定義で「リスクレベル」は、結果(consequence)とその起こりやすさ(likelihood)の組合せとして表現されるリスクの大きさとされる。リスクアセスメントの中心概念で、影響度と発生確率の積で評価される。
各選択肢の解説
- a 脅威によって付け込まれる弱点=脆弱性(vulnerability)の定義。
- c 対応すべきリスクに付与する優先順位=リスク順位付け(risk prioritization)の概念で、リスクレベルとは別。
- d リスク重大性を評価するための目安となる条件=リスク基準(risk criteria)の定義。
覚え方・ひっかけ注意
JIS Q 27000用語は紛らわしいものが多いので整理:
- リスク=目的に対する不確かさの影響
- リスクレベル=結果×起こりやすさ
- リスク基準=重大性評価の目安
- 脅威=損害を引き起こすインシデントの潜在的原因
- 脆弱性=脅威に付け込まれる弱点
リスクレベル=「大きさ」、リスク基準=「ものさし」と区別。
理論的背景
リスクマネジメントの国際規格ISO 31000(JIS Q 31000)はリスクを「目的に対する不確かさの影響」と定義し、ISO/IEC 27001/JIS Q 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)はこれを情報セキュリティ文脈に適用する。リスクアセスメントは①リスク特定②リスク分析(リスクレベル算定)③リスク評価(基準と比較)の3段階。
リスクレベルの算定方法
- 定性的手法:影響度(1-5)×発生可能性(1-5)のマトリクスで5段階評価
- 半定量的手法:影響度を金額、可能性を年間頻度で数値化
- 定量的手法:ALE(Annualized Loss Expectancy)= SLE × ARO(単一損失額×年間発生回数)。FAIR(Factor Analysis of Information Risk)等の体系もある
リスク対応の4区分
- 回避(Avoid):リスク源を取り除く(事業撤退等)
- 低減(Mitigate):管理策で発生確率/影響を下げる
- 共有/移転(Share/Transfer):保険、アウトソース
- 受容(Accept):基準内なら受け入れる
本batchの別問「リスクファイナンシング」は共有/移転(保険)に該当。
実務での使われ方
- ISMS構築:ISO/IEC 27001:2022認証取得時、附属書Aの93管理策からリスクレベルに応じて選択
- リスク登録簿(Risk Register):リスクID、説明、レベル、対応策、責任者を一元管理
- 継続的改善(PDCA):年次でリスク再評価
- NIST CSF/SP 800-30:米国系統制でも同様の枠組み
試験での位置づけ
基本情報・応用情報・情報処理安全確保支援士のマネジメント分野で必出。直近はサイバーセキュリティ経営ガイドライン(経産省)、サプライチェーンリスク、ゼロトラストとの連動論点も出題。
選択肢の発展補足
脆弱性はCVE(Common Vulnerabilities and Exposures)でID管理、深刻度はCVSS(Common Vulnerability Scoring System)で標準スコア化(v3.1/v4.0)。脅威はSTIX/TAXIIで情報共有。これらをリスク評価に組込むのが現代SOC/CSIRTの標準実務。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成31年度 春期 問41/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。