問題
条件に従うとき,アプリケーションプログラムの初年度の修正費用の期待値は,何万円か。 〔条件〕 (1) プログラム規模:2,000kステップ (2) プログラムの潜在不良率:0.04件/kステップ (3) 潜在不良の年間発見率:20%/年 (4) 発見した不良の分類 影響度大の不良:20%,影響度小の不良:80% (5) 不良1件当たりの修正費用 影響度大の不良:200万円,影響度小の不良:50万円 (6) 初年度は影響度大の不良だけを修正する
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- A
- B
- C
- D
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
答えは a「640」 です。
条件を順番に計算します。
1. 潜在不良の数:2,000kステップ × 0.04件/kステップ = 80件
2. 初年度に見つかる数:80件 × 20% = 16件
3. そのうち影響度大:16件 × 20% = 3.2件
4. 初年度は影響度大だけ直す:3.2件 × 200万円 = 640万円
👉 覚え方:期待値=件数×確率×費用。条件を1つずつ掛けていく。
ほかの選択肢:b 1,280 は影響度小の不良まで直した場合(640+640)/d 6,400 は発見率を無視して全ての潜在不良を直した場合の値。
なぜこれが正解か
正解は a。条件を順に適用する。
- 潜在不良数:2,000kステップ × 0.04件/kステップ = 80件
- 初年度の発見数:80件 × 20%/年 = 16件
- 発見した不良のうち影響度大:16件 × 20% = 3.2件
- 初年度は影響度大の不良だけを修正:3.2件 × 200万円 = 640万円
期待値なので,件数が小数(3.2件)になってもそのまま計算してよい。
各選択肢の解説
- a 640:条件(6)に従い影響度大だけを修正した値(正解)。
- b 1,280:影響度小の不良(16件 × 80% × 50万円 = 640万円)まで修正費用に加えた値。条件(6)に反する。
- c 1,600:条件の適用を誤った値。
- d 6,400:発見率を考慮せず,潜在不良80件の全てを修正した場合の値(影響度大16件×200万円+影響度小64件×50万円)。
覚え方・ひっかけ注意
期待値の計算は「母数 × 割合 × 割合 × 単価」と条件を1つずつ掛け合わせる。「年間発見率」「初年度は影響度大だけ」のように対象を絞る条件を読み落とすと,b や d を選んでしまう。
理論的背景
期待値は,起こりうる結果の値にその確率を掛けて合計したもので,不確実性を含む費用や効果を1つの数値で比較するために用いる。本問は,潜在不良数(規模×不良密度)に,発見率と影響度の構成比を掛けて修正対象の件数の期待値を求め,それに単価を掛けて費用の期待値を求める構造である。ソフトウェアの品質管理では,規模当たりの不良密度(件/kステップ,件/FP)を過去の実績から見積もり,テスト工程での摘出目標や,稼働後に残る不良数の予測に用いる。
実務での使われ方
保守費用の見積り,品質目標の設定,テスト計画の妥当性評価などで同様の計算が使われる。稼働後の不良は影響度(業務への影響の大きさ)によって対応の優先度を分け,重大なものから修正することが多い。リスクマネジメントでも,「発生確率×影響額」でリスクの大きさ(期待損失額)を定量化し,対策の優先順位付けや投資判断に用いる。
試験での位置づけ
基本情報では,期待値・稼働率・不良件数などを条件から計算する問題が頻出で,条件の読み落としを誘う選択肢が必ず含まれる。応用情報では,信頼度成長曲線,不良密度に基づく品質評価,リスクの定量評価(ALE:年間予想損失額)などに発展する。
選択肢の発展補足
各選択肢は,条件の一部を取り違えたときの値になっている。影響度小まで含めると 640+640=1,280,発見率を無視して全潜在不良を修正すると 3,200+3,200=6,400 となる。計算過程を「潜在不良数→発見数→影響度大の件数→費用」と段階ごとに書き出すと,どの条件を使ったかが明確になり,取り違えを防げる。
出典と作り方
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成31年度 春期 問49/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビ独自の3段階の解説(初級・標準・上級)です。

