基本情報 令和元年度 秋期 問79:ストラテジ系に関する問題
“かんばん方式" を説明したものはどれか。
- a各作業の効率を向上させるために, 仕様が統一された部品, 半製品を調達する。
- b効率よく部品調達を行うために, 関連会社から部品を調達する。
- c中間在庫を極力減らすために, 生産ラインにおいて, 後工程の生産に必要な部 品だけを前工程から調達する。正答
- dより品質が高い部品を調達するために, 部品の納入指定業者を複数定め, 競争 入札で部品を調達する。
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは c です。
かんばん方式は、トヨタが生み出した「必要な分だけ・必要な時に作る」やり方。
スーパーで品切れになりそうな商品を見て、店員さんが裏から補充してくる感じ。作りすぎて余らせないのが特徴です。
👉 覚え方:かんばん=必要な分だけJust In Time(ジャストインタイム)。
ほかの選択肢:a 部品統一=標準化/b 関連会社調達=系列取引/d 品質と競争入札=コンペ調達。
なぜこれが正解か
正解は c。かんばん方式(Kanban System)はトヨタ生産方式(TPS)の中核手法で、後工程が必要な時に必要な量を前工程から引き取るプル型(後工程引取り方式)の生産管理。中間在庫を最小化し、ジャストインタイム(JIT)を実現する。
各選択肢の解説
- a 仕様統一の部品調達:標準化(Standardization)。JIT思想と関連はあるが、かんばん方式の本質ではない。
- b 関連会社から部品調達:系列調達/グループ調達。
- d 品質・競争入札による調達:コンペティティブ・ソーシング。
覚え方・ひっかけ注意
トヨタ生産方式の3本柱:
1. ジャストインタイム(JIT):必要なものを必要な時に必要なだけ
2. 自働化(じどうか):異常を機械が自動検知して止める
3. 改善(カイゼン):継続的な業務改善
かんばんは①JITの実現手段で、「プル型生産・後工程引取り」がキーワード。プッシュ型(押し出し方式:計画通り作って次工程へ送る)との対比で頻出。
理論的背景
かんばん方式は1953年頃トヨタの大野耐一氏が体系化。「スーパーマーケット方式」(米国スーパーマーケットの陳列補充から着想)として知られ、後工程が必要な分だけ前工程から「引き取る」プル型生産を実現する。かんばん(看板/カード)は引取りと発注の指示書として機能し、生産量・在庫を可視化・管理する。
TPS(トヨタ生産方式)の7つのムダ
1. 作りすぎのムダ(最大のムダ)
2. 手待ちのムダ
3. 運搬のムダ
4. 加工のムダ
5. 在庫のムダ
6. 動作のムダ
7. 不良を作るムダ
かんばん方式は特に①作りすぎと⑤在庫を削減する。
関連概念
- 平準化(へいじゅんか):生産量・種類を平均化して負荷を均等に
- タクトタイム:単位時間あたりの生産速度
- ポカヨケ:作業ミス防止の仕掛け
- アンドン:異常表示装置
- 5S:整理・整頓・清掃・清潔・躾
- 三現主義:現場・現物・現実
ソフトウェア開発への応用
かんばん方式はソフトウェア開発のKanban(アジャイル手法)として再応用された。David J. Anderson『Kanban: Successful Evolutionary Change for Your Technology Business』(2010)が代表書。特徴:
- タスクボード(カンバンボード):Backlog → To Do → In Progress → Done
- WIP(Work In Progress)制限:同時進行タスク数を制約してスループット最大化
- プル型タスク管理:完了したら次のタスクを引き取る
- 継続的改善:振り返り(Retrospective)で改善
- Scrumとの違い:Scrumはスプリント単位、Kanbanは連続フロー
ツール:Trello、Jira Kanban、Asana、ZenHub、Notion、Linear、Monday.com。
DevOpsとの関連
KanbanはDevOps、バリューストリームマッピング、Lean Software Development(Mary & Tom Poppendieck)に影響。DORA 4キーメトリクス(デプロイ頻度、リードタイム、変更失敗率、MTTR)も Lean/Kanban起源。
試験での位置づけ
基本情報・応用情報・ITストラテジスト・中小企業診断士・PM試験のマネジメント分野で頻出。製造業のSCM/ERP、ソフトウェア開発のアジャイル・DevOpsの両方で出題される横断的トピック。
選択肢の発展補足
標準化(部品・プロセス・部材の共通化)はトヨタのカイゼン思想と整合する施策で、プラットフォーム戦略として現代も活用される(TNGA:Toyota New Global Architecture等)。系列調達は長期取引関係で品質向上・コスト削減を狙う日本型サプライチェーンの特徴だが、海外ではM&Aや競争入札を組合せる多様化が進む。リコール対応・サプライチェーンリスク(半導体不足、地政学リスク)への対応として、現代はJIT+JIC(Just In Case:適度な在庫)のバランスが見直されている。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 令和元年度 秋期 問79/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。