基本情報 2022 サンプル問題 問42:テクノロジ系に関する問題
プロジェクトライフサイクルの一般的な特性はどれか。
- a開発要員数は,プロジェクト開始時が最多であり,プロジェクトが進むにつれて 減少し,完了に近づくと再度増加する。
- bステークホルダがコストを変えずにプロジェクトの成果物に対して及ぼすことが できる影響の度合いは,プロジェクト完了直前が最も大きくなる。
- cプロジェクトが完了に近づくほど,変更やエラーの修正がプロジェクトに影響す る度合いは小さくなる。
- dリスクは,プロジェクトが完了に近づくにつれて減少する。 - 22 -正答
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答えは d です。
プロジェクトの一生(ライフサイクル)には、自然な傾向があります。
- 序盤:何も分からない= リスクが最大
- 終盤:作業が進んで先が見えてくる= リスクは減る
だから「リスクは完了に近づくほど減る」(d)が正解。
👉 覚え方:進めば進むほど、不確実なことが減る = リスクが減る
ほかの選択肢:a 開発人員は 中盤がピーク、序盤と終盤は少ない(ベルカーブ)/b ステークホルダの影響力は 序盤が最大、終盤が最小/c 終盤の変更修正は影響が 大きく なる(戻れない)。全部逆。
なぜこれが正解か
正解は d。プロジェクトライフサイクルの一般特性として、不確実性・リスクは初期に最大で、進行とともに情報量が増えて減少する。一方で 変更コスト は逆に進行とともに上昇する(後戻りが利かない)。
各選択肢の解説
- a:開発要員数は 中盤がピーク(要員投入の典型曲線)。序盤・終盤は少ない。
- b:ステークホルダがコストを増やさず成果物に影響を与えられる度合いは 序盤が最大、終盤になるほど影響力が下がる(変更困難)。
- c:プロジェクトが進むほど変更・修正の影響度合いは 大きく なる。
- d:リスクはプロジェクト進行とともに 減少 する=正解。
覚え方・ひっかけ注意
「序盤=不確実性大・変更容易/終盤=不確実性小・変更困難」 の対称関係を頭に入れる。PMBOKの定番図(リスクと変更コストの交差曲線)をイメージ。a の要員曲線はベルカーブ、b/c の影響度と変更コストは右肩上がりに描かれる。
理論的背景
PMBOKガイド・ISO 21500/21502に整理されるプロジェクトライフサイクルの一般特性:
- コスト・要員配置:開始時は低く、実行中盤でピーク、終結時に急減(ベルカーブ)
- リスク・不確実性:開始時に最大(情報不足)、進行とともに情報蓄積で減少
- ステークホルダ影響力/変更容易性:開始時に最大、終結に向け減少
- 変更コスト:開始時に低く、終結に向け指数的に増加(要件変更が後工程で発覚すると手戻り増大)
この「リスク減少 ⇔ 変更コスト増加」のクロス関係が 早期意思決定の重要性 を根拠づけている。
ライフサイクル類型
(1) 予測型(ウォーターフォール):要件確定後に段階的進行、変更管理プロセスで凍結。(2) 反復型:要件を段階的に詳細化。(3) 漸進型:機能を段階的に追加。(4) 適応型(アジャイル):短いイテレーションで継続的に方向修正、不確実性を前提に設計。(5) ハイブリッド型:上流予測+下流アジャイル等の組合せ。リスク低減戦略として プロトタイピング・PoC・段階的契約 で初期不確実性を早期解消するのが定石。
関連プロセス・規格
リスク管理プロセス(PMBOK:リスクマネジメント計画→特定→定性的分析→定量的分析→対応計画→監視)。ISO 31000(リスクマネジメント原則)。アーンドバリュー(EVM)で進捗とコストを統合監視。フェーズゲート/ステージゲートで段階的な投資判断(Go/Kill)を行う。
試験での位置づけ
基本情報のプロジェクトマネジメント分野で「ライフサイクルの一般特性」「要員投入曲線」「変更コストとリスクの関係」が頻出。応用情報・PM試験では具体的なリスクマトリクス、定量的分析(期待金額値EMV、デシジョンツリー、モンテカルロ)、コンティンジェンシ予備/マネジメント予備の使い分けまで問われる。
選択肢の発展補足
a の要員曲線はPutnam-Norden-Rayleigh(PNR)モデルで数学的にも導出される。c の変更コスト増加はBoehmの「欠陥の発見時期と修正コスト」の研究(要件段階の1に対し運用段階は100〜200倍)が根拠で、シフトレフト(早期テスト)の動機となる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 2022 サンプル問題 問42/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。