基本情報 2022 サンプル問題 問50:テクノロジ系に関する問題
投資案件において,5 年間の投資効果をROI(Return On Investment)で評価した 場合,四つの案件a~d のうち,最もROI が高いものはどれか。ここで,割引率は考 慮しなくてもよいものとする。 a 年目 1 2 3 4 5 利益 15 30 45 30 15 投資額 100 b 年目 1 2 3 4 5 利益 105 75 45 15 0 投資額 200 c 年目 1 2 3 4 5 利益 60 75 90 75 60 投資額 300 d 年目 1 2 3 4 5 利益 105 105 105 105 105 投資額 400
- aa正答
- bb
- cc
- dd
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答えは a です。
ROIは「投資にお金を出した分、どれくらい儲かって返ってきたか」を割合で表した指標。お小遣い100円使って135円になればすごくお得、400円使って525円になっても“儲け”は大きいけど“割合”では小さい。
計算は各案件の利益合計÷投資額:
- a:135÷100=135%
- b:240÷200=120%
- c:360÷300=120%
- d:525÷400=約131%
👉 覚え方:ROI=「投資した金額に対する儲けの割合」。金額の大きさではなく“率”で見る。
なぜこれが正解か
正解は a。ROI(投資利益率)=利益÷投資額。割引率を考慮しない単純ROIで5年間の利益合計と投資額の比を求める。
各案件の計算
- a:利益合計 15+30+45+30+15=135、投資100 → ROI=135÷100=1.35(135%)
- b:利益合計 105+75+45+15+0=240、投資200 → ROI=240÷200=1.20(120%)
- c:利益合計 60+75+90+75+60=360、投資300 → ROI=360÷300=1.20(120%)
- d:利益合計 105×5=525、投資400 → ROI=525÷400≒1.31(131%)
最大は a の135%。
覚え方・ひっかけ注意
利益総額(絶対値)で見ると d が525で最大だが、ROIは“率”なので投資額を分母に置く点に注意。「金額の最大」と「率の最大」は別物。NPV/IRRと違って割引率を考慮しない単純な比率指標である点も基本。
理論的背景
ROI(Return On Investment)は最も基本的な投資評価指標で、ROI=(利益−投資額)÷投資額 もしくは 利益÷投資額 で算出(流派により定義に幅あり、本問は後者)。シンプルゆえに以下の限界がある:
1. 時間価値を考慮しない(5年後の100円も今の100円も同じ扱い)
2. キャッシュフローの時間分布を反映しない(早期回収案件と後期回収案件が同じROIになりうる)
3. リスク調整がない
これらを補正するのが NPV(正味現在価値)・IRR(内部収益率)・回収期間法(Payback Period)・割引回収期間法。
実務での扱い
IT投資評価では総費用(TCO:Total Cost of Ownership)を分母に、5年程度のライフサイクルで定量便益+定性便益を集計する手法が一般的。経済産業省「IT投資評価ガイドライン」では業務効率化・売上拡大・戦略適合性を多面評価する EVA/BSC(バランススコアカード)併用が推奨される。
試験での位置づけ
ストラテジ系の頻出論点。基本情報技術者・応用情報技術者では NPV/IRR の計算問題、回収期間法、ハードルレート(要求収益率)との比較、リアルオプション法までスコープが広がる。本問のように利益分布が異なる案件で「単純合計のROI が最大=必ずしも最良ではない」という気付きを問うのが頻出パターン。
選択肢の発展補足
bとcのROIが同率120%だが、bは早期に大きな利益が出るためNPV換算では b > c となる(割引率を考慮すれば順位が変わる)。dは利益絶対額が最大で長期安定だが投資額も大きいためROIは低い。投資判断は ROI+NPV+回収期間の3点セットで多角的に評価するのが実務の定石。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 2022 サンプル問題 問50/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。