基本情報 令和7年度 科目A 問14:テクノロジ系に関する問題
図は,あるプロジェクトの作業A ~ I とその作業日数を表している。このプロジェ クトの最短所要日数は何日か。 A 3 6 C 8 B 11 14 F 6 D 5 I 15 H 開始 終了 凡例 作業名 作業日数 E 5 G :ダミー作業
- a27
- b28
- c29
- d31正答
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答えは d「31(日)」 です。
この図は アローダイアグラム(PERT 図) といって、作業の順番と日数を矢印で表したもの。
大事なのは「一番時間がかかる経路(クリティカルパス)」を見つけること。たとえば100mリレーで、一番遅いランナーが走るコースの合計時間で全体が決まりますよね。
複数のルートのうち、最も日数を合計が大きいものが最短所要日数になります(一番遅い経路に合わせるしかない)。本問の正解は 31日。
👉 覚え方:「最短所要日数」=「一番長い経路の合計日数」(パッと見と逆なので注意!)。
この問題は具体的な経路計算が必要で、開始→各作業→終了までの全パスを足し算して、最大値を選びます。
なぜこれが正解か
正解は d(31日)。アローダイアグラム(PERT 図)における最短所要日数は、開始ノードから終了ノードまでの全経路のうち最長の所要日数(クリティカルパス)で決まる。並行作業はあっても、最も時間のかかる経路が完了しないとプロジェクト全体が完了しないため。
計算手順
1. 開始ノードから終了ノードまでの全経路を列挙
2. 各経路の作業日数を合計
3. 最大値を選択 → これが最短所要日数(クリティカルパス)
本問の図では複数の経路が存在し、ダミー作業(破線矢印・日数0)も含めて経路を辿る必要がある。それらを全列挙し最大値を取ると 31日 となる。
各選択肢の解説
- a 27、b 28、c 29:他の経路の合計値だが、クリティカルパスより短いため最短所要日数にはならない。プロジェクト全体は最長経路の完了を待つ必要がある。
- d 31:クリティカルパスの合計値。正解。
覚え方・ひっかけ注意
「最短所要日数 = クリティカルパス(最長経路)の長さ」 という一見矛盾する表現に注意。「最短」は「これ以上短くできない最低限」の意味で、結果的に最長経路と一致する。
クリティカルパス上の作業は全体所要時間に直結する重要作業で、1日遅延すれば全体が1日遅延する(余裕日数=0)。非クリティカルパスの作業はフロート(余裕) を持ち、その範囲なら遅延しても全体に影響しない。試験では「最早開始時刻/最遅開始時刻」「フリーフロート/トータルフロート」の計算も問われる。
理論的背景
PERT(Program Evaluation and Review Technique)/CPM(Critical Path Method)はプロジェクト工程管理の代表手法。1950年代に米海軍ポラリス計画と DuPont で並行開発された。アローダイアグラム(AOA:Activity on Arrow)はノードがイベント、矢印が作業を表現。ダミー作業(破線、所要日数0)は依存関係を表現するためだけに使う架空作業。
計算アルゴリズム:
- 最早開始時刻(EST: Earliest Start Time):開始ノードから順に 前置作業の最大値 で前進計算
- 最遅開始時刻(LST: Latest Start Time):終了ノードから逆に 後続作業の最小値 で後退計算
- トータルフロート(TF):LST − EST。0ならクリティカルパス上の作業
- フリーフロート(FF):後続作業の最早開始を遅らせない範囲の余裕
実務での使われ方
- PERT と CPM の違い:PERT は3点見積もり(楽観・最頻・悲観の加重平均、ベータ分布)で不確実性を扱う。CPM は単一見積もりで確実性前提。実務では混同して使われることが多い。
- クラッシング:追加コストで作業期間を短縮し、クリティカルパスを縮める手法。
- ファストトラッキング:本来直列の作業を並列化してスケジュール短縮(リスク増)。
- モンテカルロシミュレーション:各作業の所要時間を確率分布で扱い、プロジェクト完了確率を算出。EVM(Earned Value Management) と組み合わせて進捗・コスト管理。
- ガントチャートとの併用:アローダイアグラムは依存関係の俯瞰、ガントチャートはスケジュール表示。MS Project、Primavera、Jira Advanced Roadmaps 等のツールで両方対応。
試験での位置づけ
科目A「プロジェクトマネジメント」の必出計算問題。基本情報・PM 試験では:
- クリティカルパスの特定
- 最早・最遅開始時刻の計算
- フロート(余裕日数)の算出
- ダミー作業を含む複雑な依存関係の処理
- AON(Activity on Node、プレシデンスダイアグラム法 PDM)との変換
- 4種類の論理関係(FS:終了-開始、SS:開始-開始、FF:終了-終了、SF:開始-終了)
- リソース平準化(リソースの山崩し)
まで深掘り。プロジェクトマネージャ試験では PMBOK の Schedule Management 知識エリア全般が範囲。
選択肢の発展補足
- ダミー作業を見落とすと経路計算ミスの典型例になる。試験では破線が3つの作業境界に絡む複雑な構造が頻出。
- AOA(アローダイアグラム)vs AON(プレシデンスダイアグラム):現代の PM ツールは AON が主流(ダミー作業不要、論理関係明示的)。試験では AOA が主だが PMBOK は AON 推奨。
- EVM 指標:PV(Planned Value)、EV(Earned Value)、AC(Actual Cost)、SV(Schedule Variance = EV-PV)、CV(Cost Variance = EV-AC)、SPI(EV/PV)、CPI(EV/AC)。基本情報でも頻出。
- リスクマネジメント連携:クリティカルパス上の作業は遅延リスクが致命的なため、リスク対応(回避・転嫁・軽減・受容)の優先対象。
- アジャイル文脈:固定スコープ・固定期間のウォーターフォール前提のため、スコープが変動するアジャイル開発では適用が限定的(リリースバーンダウン、ベロシティベース見積もりが主流)。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 令和7年度 科目A 問14/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。