一般知識19社会保険制度の種類と給付

行政書士 一般知識 問19:社会保険制度の種類と給付

日本の社会保険制度に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 雇用保険は、失業した労働者に対する給付(基本手当)を中心とした保険であり、保険者は都道府県である。
  • 労働者災害補償保険(労災保険)は、業務上の災害のみを給付対象とし、通勤中の事故(通勤災害)は対象外とされる。
  • 介護保険の第1号被保険者(65歳以上)は、要介護・要支援状態の原因を問わず給付を受けることができるが、第2号被保険者(40〜64歳)は老化に起因する特定疾病が原因の場合に限り給付される。正答
  • 健康保険は、業務外の疾病・負傷に加えて業務上の疾病・負傷も給付対象としており、労災保険と健康保険のいずれを使うかは被保険者が任意に選択できる。
  • 国民健康保険は、健康保険等の被用者保険に加入していない自営業者・農業従事者等を対象とし、保険者は国(厚生労働省)である。
正答:介護保険の第1号被保険者(65歳以上)は、要介護・要支援状態の原因を問わず給付を受けることができるが、第2号被保険者(40〜64歳)は老化に起因する特定疾病が原因の場合に限り給付される。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・判例も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

正答はウです。介護保険の給付について、第1号被保険者(65歳以上)は要介護・要支援状態の原因を問わず(骨折・認知症・脳卒中など何でも)給付されますが、第2号被保険者(40〜64歳)は老化に起因する特定疾病(16種類:初老期認知症・脳血管疾患・関節リウマチ等)が原因の場合のみ給付されます。ア(誤):雇用保険の保険者は政府(国)です(雇用保険法7条)。ハローワークが実務を担当します。イ(誤):労災保険は業務災害に加えて通勤災害も対象です(労災法7条1項2号)。エ(誤):健康保険は業務外の疾病・負傷を給付対象とし、業務上の疾病・負傷には労災保険が適用されます(健保法1条・労災保険法)。両者は対象が法律で切り分けられており、被保険者が任意に選択できるものではありません。「業務上も健康保険の対象」「任意選択できる」とするエは誤りです。オ(誤):国民健康保険の保険者は市区町村(および国民健康保険組合)です(国保法3条)。国ではありません。

標準試験対策の基準レベル

ウが正答(介護保険法の被保険者区分)。各肢の詳細:ア(誤):雇用保険の保険者は「政府(国)」(雇用保険法7条。都道府県は保険者ではない。都道府県労働局・ハローワークが業務を行う行政機関)。イ(誤):労災保険は業務災害(7条1項1号)と通勤災害(7条1項2号)の両方を対象とします。1973年に通勤災害が労災保険の適用対象に加えられました(通勤災害は「業務上」ではないため法的には「準業務上」として別給付体系)。ウ(正):介護保険法40条(居宅介護サービス費)・52条(施設介護サービス費)等。第1号:原因不問。第2号:特定疾病16種が原因の場合のみ。エ(誤):健康保険は業務外の事由による疾病・負傷等を給付対象とし(健保法1条)、業務上の事由による傷病は労災保険が適用されます。両制度の適用は法律により切り分けられており、被保険者が任意に選択できるものではありません(「業務上も健康保険の対象」「任意選択」とする点が誤り)。オ(誤):国保の保険者は市区町村(国保法3条1項)と国民健康保険組合(同3条2項)。2018年から都道府県も国保の保険者に加わりましたが、「国(厚生労働省)」は保険者ではありません。

上級誤答論破・条文/判例まで深掘り

【社会保険5種の全体像】

日本の社会保険は医療保険(健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度等)、年金保険(厚生年金・国民年金)、雇用保険、労働者災害補償保険(労災保険)、介護保険の5種類です。保険者をまとめると:健康保険=全国健康保険協会(協会けんぽ)または健康保険組合、国民健康保険=市区町村・国保組合(+都道府県)、後期高齢者医療制度=後期高齢者医療広域連合、年金保険=政府(日本年金機構が業務実施)、雇用保険=政府(ハローワークが業務実施)、労災保険=政府(労働基準監督署が業務実施)、介護保険=市区町村。複数の保険者が出てくるため、「誰が保険者か」は試験の頻出ポイントです。

【介護保険の詳細構造】

介護保険(2000年施行)の被保険者は第1号(65歳以上:要介護・要支援状態なら原因不問)と第2号(40〜64歳:特定疾病が原因の場合のみ)に区分されます。特定疾病16種は法令で列挙されており、初老期認知症・脳血管疾患・関節リウマチ・パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症等が含まれます。給付を受けるには市区町村に要介護認定の申請を行い、要介護度(要支援1〜2・要介護1〜5)に応じた給付限度額の範囲内でサービスを利用します。利用者は所得に応じて1〜3割の自己負担があります。介護保険の財源は保険料50%・公費(国・都道府県・市区町村)50%の組み合わせです。

【雇用保険と労災保険の主要給付】

雇用保険の主要給付は①失業給付(基本手当:離職者への日額給付)、②就職促進給付(再就職手当等)、③教育訓練給付(スキルアップのための費用補助)、④育児休業給付・介護休業給付です。保険料は事業主と労働者が負担しますが、労災保険は事業主のみが保険料を負担します(労災は業務上の使用者責任が根拠のため)。通勤災害(イの誤りの根拠)は労災保険法7条1項2号で「労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡」として規定されており、業務起因性は不要ですが通勤路の合理的な経路・方法による移動が条件です。

【試験対策まとめ】

行政書士一般知識での社会保険の頻出ポイントは、①保険者の確認(国vs市区町村vs広域連合)、②雇用保険・労災保険の保険者は「政府(国)」、③国民健康保険の保険者は「市区町村(+都道府県)」(国ではない)、④介護保険の第1号・第2号被保険者の給付要件の違い(原因不問 vs 特定疾病要件)、⑤労災保険は通勤災害も対象です。これらを表形式で整理し、「誰が誰に保険料を払い、誰が給付するか」を一目で確認できる状態にしておくことが最効率の試験準備です。

【根拠条文】

介護保険法 第7条(用語の定義:要介護状態)、第9条(被保険者区分)、第40条・第52条(給付)

雇用保険法 第7条(保険者:政府)

労働者災害補償保険法 第7条(業務災害・通勤災害)

国民健康保険法 第3条(保険者:市区町村)

【補足】

保険者の整理が最大のポイント。「雇用・労災=国(政府)、国民健康保険=市区町村、介護=市区町村」の三つを確実に覚える。介護保険の第2号被保険者は「特定疾病が原因の場合のみ」という制限(ウの正答根拠)も頻出。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 介護保険法 第7条・第40条・第41条・第52条、雇用保険法 第7条・第10条、労働者災害補償保険法 第7条、健康保険法 第53条、国民健康保険法 第3条 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

関連論点

社会保険制度の種類と給付頻出度A

一般知識の他の問題

1
衆議院議員の選挙制度
2
参議院の役割と権限
3
内閣の組織と権限
4
地方議会と首長の関係・直接請求
5
国際政治・国連の仕組み
6
地方自治・条例制定権の限界

全365問・科目別に解いて、行政書士に最短合格

行政法・民法・憲法を科目別に攻略。各問に根拠条文・判例とAI解説(3レベル)付き。