行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 一般知識 問31情報通信・個人情報保護

問題

行政書士 | 一般知識

個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)における「匿名加工情報」および「仮名加工情報」に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。匿名加工情報とは、特定の個人を識別できず、かつ復元もできないように加工した情報です(2条6項)。匿名加工情報を第三者に提供する際は、提供する情報の項目と提供方法を公表し、相手方に匿名加工情報である旨を明示すれば、本人同意は不要です(43条4項)。イ(誤):仮名加工情報は「他の情報と照合しない限り識別できない」程度の加工であり、法令に基づく場合を除き第三者への提供は禁止されています(41条6項)。ウ(誤):匿名加工情報を作成した事業者は、含まれる情報の項目を公表する義務を負い(43条3項)、第三者提供時も項目と提供方法を公表します(同条4項)。エ(誤):仮名加工情報は利用目的の変更に関連性の制限がかかりませんが(41条9項で17条2項不適用)、変更後の利用目的は公表しなければなりません(41条4項・21条3項)。オ(誤):匿名加工情報・仮名加工情報はどちらも個人情報保護法の規律を受けます。仮名加工情報は「個人情報」でありうるため規制が及び、匿名加工情報も専用の規律(43条〜46条)が適用されます。

アが正答です。匿名加工情報(2条6項)は「特定の個人を識別することができず、かつ当該個人情報を復元することができないよう加工した情報」であり、第三者提供の際に本人同意は不要ですが、作成した事業者は、あらかじめ提供する情報の項目と提供の方法を公表し、提供先に匿名加工情報である旨を明示しなければなりません(43条4項。作成者以外の取扱事業者が提供する場合は44条)。仮名加工情報(2条5項)との最大の違いは「復元不可能性」の有無です。仮名加工情報は氏名等の削除により「他の情報と照合しない限り」識別できないようにするに留まるため、法令に基づく場合を除き第三者提供が禁止されています(41条6項・42条1項)。イ(誤):仮名加工情報は第三者提供が禁止されます。ウ(誤):匿名加工情報の作成事業者は、作成時に含まれる情報の項目を公表する義務(43条3項)と、提供時の公表・明示義務(同条4項)を負います。エ(誤):仮名加工情報には17条2項(変更前の目的と関連性を有する範囲での変更)が適用されないため(41条9項)、利用目的の変更自体は柔軟にできます。しかし41条4項は21条を読み替えて適用し、21条3項により変更後の利用目的を「公表し」なければならないとしています。公表が不要とするエは誤りです。また、取扱いは法令に基づく場合を除き特定した利用目的の達成に必要な範囲内に限られます(41条3項)。オ(誤):両者はそれぞれ専用の規律が適用されます。匿名加工情報は43〜46条、仮名加工情報は41〜42条に専用規定があります。二つの情報区分の「できること・できないこと」の差異を整理することが試験対策の核心です。

【仮名加工情報の新設とその意義】

法改正で新設された仮名加工情報は、企業内でのデータ分析・活用の促進を目的としています。それ以前は匿名加工情報(外部提供可)か通常の個人情報(同意原則)の二択しかなく、内部分析のために完全匿名化まで行うのは実務的に過剰なコストがかかる場合がありました。仮名加工情報はこの間隙を埋める「中間的な情報区分」として設計されています。加工は、①記述等の一部の削除(復元できる規則性を有しない方法による置換を含む)、②個人識別符号の全部の削除(2条5項各号)を基本に、個人情報保護委員会規則で定める基準に従って行わなければなりません(41条1項)。

【匿名加工情報・仮名加工情報の規律の比較】

項目匿名加工情報仮名加工情報
復元可否復元不可照合により復元可能性あり
個人情報への該当該当しない個人情報であるものとそうでないものがあり、規律が分かれる(41条・42条)
外部提供本人同意不要(項目・方法の公表+匿名加工情報である旨の明示:43条4項・44条)法令に基づく場合を除き禁止(41条6項・42条1項。委託・事業承継・共同利用は第三者に当たらない:27条5項の読替え)
利用目的による制限個人情報ではないため18条の対象外法令に基づく場合を除き特定した利用目的の範囲内(41条3項)
利用目的の変更―17条2項不適用で関連性の制限なし(41条9項)。ただし変更後の利用目的は公表要(41条4項・21条3項)
識別行為の禁止禁止(43条5項・45条)禁止(41条7項)
開示・訂正等請求不適用不適用(41条9項)

【正答アの詳細根拠と周辺論点】

アの「第三者提供に本人同意不要」は2条6項・43条4項から導かれます。作成した事業者が第三者に提供する際の義務は、①提供する匿名加工情報に含まれる情報の項目と提供の方法をあらかじめ公表すること、②当該第三者に対して匿名加工情報である旨を明示すること(いずれも43条4項)であり、本人への個別同意取得は不要です。作成者以外の匿名加工情報取扱事業者が提供する場合も同様の義務があります(44条)。ただし作成した側・受けた側ともに識別行為の禁止(43条5項・45条)が課されます。エの論点である仮名加工情報の利用目的については、変更の幅は広い(41条9項)一方で、変更後の公表は必要(41条4項)という「緩和と手続」の組合せを押さえることが重要です。この区分の重要性は、データの産業利用(ビッグデータ分析・AI学習データ利用)と個人の権利保護のバランスを取る制度設計にあります。行政書士試験では仮名加工情報・匿名加工情報・越境移転規制が頻出論点です。

【上位資格・実務への接続】

行政書士・社会保険労務士が企業のプライバシーポリシー作成や個人情報管理体制整備を支援する際、仮名加工情報と匿名加工情報の使い分けは実務的な重要判断です。外部提供・共同利用・データ分析委託のどの場面でどの区分を利用するかが問われます。GDPRの仮名化(pseudonymisation)との比較・APEC越境プライバシー規則(CBPR)との整合性も国際的な個人情報保護実務で参照されます。

【根拠条文】

個人情報の保護に関する法律 第2条第5項(仮名加工情報の定義)・第2条第6項(匿名加工情報の定義)・第21条第3項(変更後の利用目的の通知・公表)・第41条(仮名加工情報の作成等:3項 利用目的による制限、4項 21条の読替え、6項 第三者提供の禁止、9項 17条2項等の不適用)・第43条(匿名加工情報の作成等:3項 項目の公表、4項 提供時の公表・明示)・第44条(匿名加工情報の提供)

※条番号は現行条文に基づく。

【補足】

仮名加工情報=内部分析専用・第三者提供禁止・識別禁止・目的変更は自由だが変更後の公表は必要、匿名加工情報=同意なく提供可・識別禁止・公表と明示が必要、という対比が核心。「復元不可能性」が両者を区分するキーワード。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 個人情報の保護に関する法律 第2条第5項(仮名加工情報の定義)・第2条第6項(匿名加工情報の定義)・第21条第3項・第41条第3項・第4項・第6項・第9項(仮名加工情報の利用目的・公表・第三者提供)・第43条第3項・第4項(匿名加工情報の作成・提供時の公表等)・第44条(匿名加工情報の提供)(現行条番号) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。