基礎法学27法律用語・接続詞

行政書士 基礎法学 問27:法律用語・接続詞

法律文の接続詞(「及び」「並びに」「または」「もしくは」)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 「及び」と「並びに」はいずれも接続詞として複数の要素を並列する場合に用いられ、両者に法令上の使い分けはない。
  • 「または」と「もしくは」はいずれも複数の要素のうちいずれか一つを選択する場合(選言的接続)に用いられる。法令上、「または」は接続する段階が一つだけの場合に、「もしくは」は複数の段階がある場合の小さい方の接続(下位の選言)に用いられる。正答
  • 「及び」は3つ以上の要素を並列するときにのみ用いられ、2つの要素を並列するときは「並びに」を用いる。
  • 「及び」と「並びに」を組み合わせる場合、「及び」は最も大きい(上位の)グループのくくりに、「並びに」は最も小さい(下位の)グループのくくりに用いる。
  • 「もしくは」は「または」より上位(大きい)の選言的接続に用いられるため、「Aまたは(BもしくはC)」という構造では「または」がAとBCグループを接続し、「もしくは」がBとCを接続する。
正答:「または」と「もしくは」はいずれも複数の要素のうちいずれか一つを選択する場合(選言的接続)に用いられる。法令上、「または」は接続する段階が一つだけの場合に、「もしくは」は複数の段階がある場合の小さい方の接続(下位の選言)に用いられる。

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正答はイです。法令において「または」と「もしくは」の使い分けは、接続の階層(段階)によって決まります。接続の段階が一つだけの場合(単純な選択)には「または」を使い、段階が二段階以上ある場合には上位の(大きい)選択には「または」を、下位の(小さい)選択には「もしくは」を使います。イはこれを正確に述べています。ア(誤):「及び」と「並びに」には明確な使い分けがあります(後述)。ウ(誤):「及び」は2つでも3つ以上でも並列に使えます。2つの並列に「並びに」は通常使いません。エ(誤):「及び」と「並びに」の役割は逆で、「及び」が最も小さいグループ(下位)の接続に、「並びに」が上位グループの接続に用いられます。オ(誤):「もしくは」が下位(小さい)選言に用いられるため、「Aまたは(BもしくはC)」というのが正しい構造です。「もしくは」が上位というオは誤りです。

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イが正答です。法令文では接続詞の使い分けが厳密に定められており、法制執務の重要規則の一つです。並列(「かつ」的な論理積ではなく、要素を列記する意味での接続)には「及び」と「並びに」が使われます。「及び」は並列が一段階の場合と複数段階の並列の最も下位(最小のグループ)に用い、「並びに」は複数段階の並列の上位グループのくくりに用います(エの逆が正しい)。例:「A、B及びC並びにD」→「A、B及びC」が一つのグループ、「D」と「A・B・Cグループ」を「並びに」で接続。選言(いずれか一つを選択する関係)には「または」と「もしくは」が使われます。「または」は選言が一段階の場合と複数段階の選言の上位(最大のグループ間)に用い、「もしくは」は複数段階の選言の下位のグループ内の接続に用います。例:「A、BもしくはCまたはD」→「B、C」を「もしくは」で接続し「BC」グループ、「A」と「BCグループ」と「D」を「または」で接続。イは「または」が一段階または上位の接続、「もしくは」が下位の接続に使われると正確に述べており正答です。アは誤りです。「及び」と「並びに」の使い分けは法制執務上確立されており、使い分けが「ない」とするアは誤りです。ウは誤りです。「及び」は2つの要素の並列にも使います(例:「A及びB」は正しい表現)。「並びに」は複数段階の並列構造において上位グループの接続に使う場合に用い、単純な2つの要素の並列には通常「及び」を使います。エは誤りです。「及び」が下位(最小グループ内)、「並びに」が上位(グループ間)です。エの記述は逆です。オは誤りです。「もしくは」が「下位の選言」(小さいグループ内)に使われ、「または」が「上位の選言」(大きいグループ間)に使われます。「もしくはが上位(大きい)」とするオは完全に誤りです。正答はイのみです。

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【接続詞の使い分けの体系:法制執務の要諦】

法令文の接続詞(論理積・論理和の表現)の使い分けは、条文の正確な解釈と適用に直結します。内閣法制局「法制執務詳解」が定める使い分け規則を体系的に整理します。

論理積(and・かつ)系の接続詞。並列接続(複数要素の列挙)には「及び」「並びに」を使います。【一段階の並列】:「及び」を用いる(例:「A及びB」「A、B及びC」)。【二段階以上の並列】:最も下位(最小)のグループ内の接続に「及び」を用い、上位グループ間の接続に「並びに」を用いる(例:「A及びB並びにC及びD」→「A&B」グループと「C&D」グループを「並びに」で接続)。【三段階以上の並列】:「並びに」を二段階以上使う場合でも「並びに」は一種類しかないため、最も上位には「並びに」、その下の段階にも「並びに」を使い、最下位のみ「及び」で対応する(やや稀なケース)。

論理和(or・または)系の接続詞。選択接続(いずれか一方を選ぶ関係)には「または」「もしくは」を使います。【一段階の選択】:「または」を用いる(例:「AまたはB」)。【二段階以上の選択】:最も上位(最大)のグループ間の接続に「または」を用い、下位のグループ内の接続に「もしくは」を用いる(例:「AもしくはBまたはC」→「A|B」グループと「C」を「または」で接続)。三段階以上の場合:最上位に「または」、それ以外の下位には「もしくは」を重ねて用いる(例:「A、BもしくはC(もしくは=最下位)、またはD(または=最上位)」)。

【実際の条文での適用例】

行政手続法2条8号は「法令…に基づき、又は職権で、審査基準、処分基準若しくは行政指導指針を定め、これらを公にすることをいう」と規定します。ここで「又は」(または)が上位の選言、「若しくは」(もしくは)が下位の選言として使われています。同法2条4号では「公示の方法として…行政機関の事務所の掲示板…又は電子情報処理組織を使用する方法…」等で「又は」が一段階の選択に使われています。これらの例から「または」と「もしくは」の使い分けが実際の法令文においても貫かれていることがわかります。

【実務・試験への応用】

行政書士として官公署への申請書類や各種契約書を作成する際、接続詞の正確な使用は文書の法的正確性に直結します。依頼人が作成した文書や既存の契約書を点検する際にも、接続詞の誤用が法的な意味の変更を生じさせていないかを確認することが重要です。また法令文を正確に読む際、「及び」「並びに」「または」「もしくは」の階層構造を把握することで、要件・効果の組み合わせを正確に理解できます。司法試験・国家総合職試験でも、条文の接続詞の正確な読み解きが答案の正確性に影響します。法令文の接続詞は「慣れ」の要素が大きく、多くの条文を読む中で自然に習得することが理想的です。

【根拠条文】

行政手続法 第2条(定義:各号の表現で「または」「もしくは」「及び」「並びに」の用例あり)

内閣法制局「法制執務詳解」(接続詞の使い分けの規則根拠)

【補足】

「並びに」は上位グループ間の接続(エの逆が正しい)。「もしくは」は下位の選言(オの逆)。「及び」は一段階または最小グループ内。「または」は一段階または最上位グループ間。この四者の使い分けは法令文読解の基礎。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 内閣法制局「法制執務詳解」(接続詞の使い分け)。法制執務の通則。 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

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