行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 基礎法学 問26|法律行為・意思表示の瑕疵

問題

行政書士 | 基礎法学

意思表示の瑕疵(錯誤・詐欺・強迫)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウです。民法96条1項は「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる」と定めています。強迫による意思表示は当然に無効になるのではなく、取り消して初めて効力を失い、取り消された行為は初めから無効であったものとみなされます(121条)。アは誤りです。錯誤が表意者の重大な過失によるときは、原則として取り消せません(95条3項)。イは誤りです。96条は詐欺の取消しを動機の錯誤の場合に限って否定する定めを置いていません。エは誤りです。詐欺による取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗できません(96条3項)。オは誤りです。96条3項は詐欺だけを対象にしており、強迫は含みません。

ウが正答です。意思表示の瑕疵の効果は、錯誤(95条1項)・詐欺・強迫(96条1項)のいずれも「取り消すことができる」です。取り消すまでは意思表示は有効で、取り消されると初めから無効であったものとみなされます(121条)。取り消せるのは瑕疵ある意思表示をした者やその代理人・承継人に限られ(120条2項)、取消権は追認をすることができる時から5年、行為の時から20年で消滅します(126条)。

アは誤りです。95条3項は、錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、相手方が錯誤を知り、または重大な過失によって知らなかったとき、相手方が同一の錯誤に陥っていたときを除き、取り消すことができないと定めています。

イは誤りです。96条1項は詐欺による意思表示を取り消すことができるとするだけで、動機の錯誤の場合を除外していません。

エは誤りです。96条3項は、詐欺による意思表示の取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗することができないと定めています。

オは誤りです。96条3項は「詐欺による意思表示の取消し」に限った規定で、強迫による取消しには及びません。強迫による取消しは、善意無過失の第三者にも対抗できます。

【理論的背景:意思表示の瑕疵と取消し】

意思表示に瑕疵がある場合、民法は効果を「取消し」で統一しています。錯誤は2017年改正(2020年施行)前は「無効」とされていましたが、改正後の95条1項は「取り消すことができる」と定めます。詐欺・強迫も96条1項で取消しとされています。取消しができる行為は、取り消されるまでは有効であり、取り消されると初めから無効であったものとみなされます(121条)。取消権を行使できるのは、瑕疵ある意思表示をした者またはその代理人もしくは承継人に限られ(120条2項)、追認をすることができる時から5年間行使しないとき、または行為の時から20年を経過したときは消滅します(126条)。

【各選択肢の正誤と論拠】

アは誤りです。錯誤取消しには、錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要であること(95条1項)のほか、表意者に重大な過失がないことが原則として必要です。重大な過失があっても取り消せるのは、相手方が錯誤を知り、または重大な過失によって知らなかったとき(95条3項1号)、相手方が同一の錯誤に陥っていたとき(同項2号)に限られます。

イは誤りです。詐欺によって動機(法律行為の基礎とした事情)について誤った認識をして意思表示をした場合でも、96条1項により取り消すことができます。96条には、動機の錯誤の場合を除外する定めはありません。なお、相手方以外の第三者が詐欺を行った場合は、相手方がその事実を知り、または知ることができたときに限り取り消すことができます(96条2項)。

ウが正しい記述です。96条1項・121条のとおり、強迫による意思表示は取消しの対象であって当然無効ではなく、取消しによって遡って無効となります。

エは誤りです。96条3項は「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない」と明文で定めています。

オは誤りです。96条3項の対象は「詐欺による意思表示の取消し」だけです。強迫についての第三者保護の規定はないため、強迫による取消しは善意無過失の第三者にも対抗できます。

【第三者保護の比較】

錯誤による取消しも、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができません(95条4項)。詐欺も同じです(96条3項)。これに対し強迫には同様の規定がありません。強迫を受けた者は意思決定の自由を奪われており、取引の安全よりも本人の保護を優先させたものと説明されます。「錯誤・詐欺=善意無過失の第三者に対抗できない」「強迫=第三者にも対抗できる」という対比が典型的な出題ポイントです。

【試験での位置づけと学習ポイント】

意思表示の瑕疵では、①効果はいずれも取消し(95条1項・96条1項)、②錯誤の重要性と重過失の例外(95条1項・3項)、③第三者による詐欺の要件(96条2項)、④第三者保護の有無(95条4項・96条3項)が頻出です。選択肢が条文にない要件を付け加えていないか、条文の対象(詐欺か強迫か)を広げていないかを確かめてください。

【根拠条文】

民法 第95条(錯誤)

民法 第96条(詐欺又は強迫)

民法 第120条第2項(取消権者)・第121条(取消しの効果)・第126条(取消権の期間の制限)

【補足】

強迫による意思表示は取消しの対象で、取り消されると初めから無効とみなされる(ウ正答)。重過失ある表意者は原則として錯誤取消しができない(ア誤り)。詐欺取消しは善意無過失の第三者に対抗できず(エ誤り)、強迫には96条3項が及ばない(オ誤り)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録
  • 定期監査正答の選択肢に条文にない要件が書かれていたため、民法の条文どおりに直しました。
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法 第95条(錯誤)・第96条(詐欺又は強迫)・第120条第2項(取消権者)・第121条(取消しの効果)・第126条(取消権の期間の制限)。 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

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  • 法律行為・意思表示の瑕疵(錯誤・詐欺・強迫
  • 頻出度B

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