令和3年度10ストラテジ系

ITパスポート 令和3年度 問10:経営戦略に関する問題

技術ロードマップの説明として,適切なものはどれか。

  • aカーナビゲーションシステムなどに用いられている最短経路の探索機能の実現に必要な技術を示したもの
  • b業務システムの開発工程で用いるソフトウェア技術の一覧を示したもの
  • c情報システム部門の人材が習得すべき技術をキャリアとともに示したもの
  • d対象とする分野において,実現が期待されている技術を時間軸とともに示したもの正答
正答:D対象とする分野において,実現が期待されている技術を時間軸とともに示したもの

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答えは d です。

技術ロードマップは「この技術は、いつごろ実現できそうか」を時間の流れにそって並べた"未来の予定表"です。

イメージは旅行の行程表。「3月にここ、6月にあそこ」と時間軸で計画を描くように、「来年はここまで、3年後はここまで技術が進む」と見通しを立てます。

👉 覚え方:ロードマップ=道のり地図。「技術の未来カレンダー」!

ほかの選択肢:a =カーナビの最短ルート探し(別の話)/b =開発で使うソフト技術の一覧(時間軸がない)/c =社員が身につけるべきスキル表(人材育成の話)。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は d技術ロードマップは、対象分野で実現が期待される技術を、時間軸(いつ実現するか)とともに示した中長期の計画図。技術開発の方向性・目標時期を可視化し、研究開発投資や戦略立案の指針とする。

各選択肢の解説

  • a:最短経路の探索機能に必要な技術の説明で、これは特定アルゴリズムの話。ロードマップではない。
  • b:開発工程で使うソフトウェア技術の一覧で、時間軸の概念がない。
  • c:情報システム部門の人材が習得すべき技術をキャリアとともに示すのはITSS(ITスキル標準)等のスキルマップ/キャリアパスの話。

覚え方・ひっかけ注意

キーは「技術 × 時間軸」。cは"キャリアとともに"が時間軸っぽく見えるひっかけだが、対象は"人材のスキル"であって"技術の実現時期"ではない点で区別する。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

技術ロードマップの理論的背景

技術ロードマップ(Technology Roadmap)はMOT(Management of Technology:技術経営)の中核ツールで、Motorolaが1980年代に社内ツールとして体系化し、後に産業界・研究機関に広がった。基本構造は「横軸=時間(短期1-2年・中期3-5年・長期5-10年)、縦軸=市場ニーズ/製品機能/要素技術の3層」で、各層の要素を矢印と関連線で結ぶ。「今の技術でどの市場ニーズに応えられるか」というフォアキャスティング的視点と、「将来の市場ニーズ実現に必要な技術はどれか」というバックキャスティング的視点の両方が含まれる。日本では経済産業省・NEDOが「技術戦略マップ」「技術ロードマップ」を定期的に公表し、水素エネルギー・次世代半導体・量子技術等の国家レベルの技術戦略の指針として活用している。

実務での作成と活用

企業における技術ロードマップ作成は通常、①市場・顧客ニーズの把握(マーケティング)→②現保有技術の棚卸し(技術評価)→③ギャップ分析(必要技術の特定)→④優先順位付け(投資判断)→⑤ロードマップ作成と共有の5段階で進める。デルファイ法(専門家の反復アンケートで将来技術を予測)や技術ポートフォリオ分析(技術の競争力×成熟度のマトリクス)がロードマップ作成の入力ツールとして使われる。完成したロードマップは技術投資の優先順位決定・研究開発部門の目標設定・特許戦略・標準化活動参加の判断基準として機能する。

上位資格への接続

基本情報技術者ではプロダクトポートフォリオ(PPM)・SWOT分析・バランススコアカード(BSC)・バリューチェーン分析と並ぶ経営戦略フレームワークの一つとして出題される。応用情報以上ではMOTの全体像(技術の事業化・知財戦略・オープンイノベーション)の中に位置づけられ、技術ロードマップを使った投資判断シナリオ問題が出題されることがある。

選択肢の発展補足

選択肢cのITSS(ITスキル標準)は経済産業省が2002年に策定した枠組みで、ITエンジニアのキャリアパスをレベル1〜7で体系化する。2023年改訂でデジタルスキル標準(DSS)の一部として再整理された。WBS(Work Breakdown Structure)とガントチャートは技術ロードマップと混同されやすいが、WBSは「プロジェクトの作業分解」ガントチャートは「個別プロジェクトのスケジュール管理」であり、技術の中長期実現時期を示すロードマップとは役割が根本的に異なる。選択肢aの最短経路アルゴリズム(ダイクストラ法等)はグラフ理論の応用で、カーナビや物流最適化に使われるコンピュータサイエンスの話であり技術経営とは無関係。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度10/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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