令和3年度15ストラテジ系

ITパスポート 令和3年度 問15:システム戦略に関する問題

A社の情報システム部門は,B社のソフトウェアパッケージを活用して,営業部門が利用する営業支援システムを構築することにした。構築に合わせて,EUC(End User Computing)を推進するとき,業務データの抽出や加工,統計資料の作成などの運用を行う組織として,最も適切なものはどれか。

  • aA社の営業部門正答
  • bA社の情報システム部門
  • cB社のソフトウェアパッケージ開発部門
  • dB社のソフトウェアパッケージ導入担当部門
正答:AA社の営業部門

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答えは a「A社の営業部門」 です。

EUCは「現場の人が、自分でパソコンを使って、自分の仕事に役立てること」。専門のIT部門に全部おまかせするのではなく、"使う本人がやる"のがポイントです。

この問題は「営業を支えるシステムで、データを取り出したり集計表を作ったりするのはだれ?」を聞いています。EUCなのだから、答えは"使う本人=営業部門"です。

👉 覚え方:EUC=End User(使う本人)が自分でやる。だから営業部門!

ほかの選択肢は「作る側(情報システム部門やB社)」なので、EUCの"使う本人"とは違います。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は aEUC(End User Computing)は、情報システムの利用者(エンドユーザ)自身が、データ抽出・加工や集計・帳票作成などを主体的に行う考え方。本問の営業支援システムを使うA社の営業部門が、業務データの抽出・統計資料作成を担うのがEUCの趣旨に合致する。

各選択肢の解説

  • b A社の情報システム部門:システムの構築・基盤運用は担うが、EUCの主体は"利用部門"。データ加工を情シスが代行するのはEUCの考え方に反する。
  • c B社のソフトウェアパッケージ開発部門:製品を開発する立場で、利用部門ではない。
  • d B社のパッケージ導入担当部門:導入支援を行う立場で、日常のデータ運用主体ではない。

覚え方・ひっかけ注意

End User=使う本人(業務部門)が自分で行う」が核心。情報システム部門(b)に任せたくなるが、それでは"EUC"にならない点がひっかけ。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

概念の背景と歴史的経緯

EUC(End User Computing)は1980年代にパーソナルコンピュータの普及とともに生まれた概念で、それ以前は汎用機(メインフレーム)を情報システム部門が独占管理し、ユーザー部門はすべての処理を情シスに依頼する「集中処理モデル」が主流だった。PCの普及でユーザー部門が表計算ソフト(Lotus 1-2-3・Excel)を自ら使い始め、データ活用の分散化が起きた。現代ではBIツール(Tableau・Power BI・Looker)・ローコード/ノーコードプラットフォーム(Notion・Airtable・Salesforce)・セルフサービス分析が「現代版EUC」として機能し、情シスへの依存を下げるDX推進の文脈で再評価されている。本問では営業部門がパッケージから営業データを自ら抽出・集計するのがEUCの典型例で、データ活用の意思決定速度が向上する。

メリットと統制上の課題

EUCのメリットは意思決定の迅速化(情シスへの依頼キューを待たずに即座にデータ活用可能)・現場知識の直接活用(業務文脈を理解したユーザーが分析するため洞察の質が高い)・情シスの負荷軽減(定型的な集計依頼が減り、情シスが本来のシステム企画・インフラ管理に集中できる)。一方で典型的なリスクとして、①シャドーIT(情シス管理外のクラウドツールやマクロの無秩序な増殖)、②データの二重管理・不整合(部門ごとに異なるExcelが乱立し「どれが正しい数字か」不明になる)、③属人化("神Excel"問題)(特定の人しか理解できない複雑な計算シートが業務の核心に入り込む)、④セキュリティ・コンプライアンスリスク(個人情報を含むデータをローカルPCで無制限に加工)がある。これらを防ぐために情シスは「EUCの禁止者」ではなく「安全な環境の整備者」として、データカタログの整備・利用ルールの策定・認定ツールのリスト化・教育・監査の仕組みを作る役割を担う(データガバナンス)。

実務トレンドとの接続

近年のデータメッシュアーキテクチャ(ドメイン型チームがデータプロダクトを自己管理)やデータデモクラシー(全員がデータにアクセスして意思決定できる組織文化)はEUCの思想を大規模化した発展形と言える。一方でAI/生成AIの活用においても「現場がプロンプトで直接データ分析する」という新しいEUCが登場しつつある(AI-augmented EUC)。

上位資格への接続

基本情報技術者ではEUCとRPA・BI・SaaSの役割分担、情シスのガバナンス機能が問われる。応用情報以上ではデータガバナンス・マスターデータ管理(MDM)・データ品質管理との組み合わせ問題が出題される。IT系の実務ではITIL(IT Service Management)のサービスデスクプロセスとの関係(EUCが拡大するとサービスデスクへのエスカレーションパターンが変化する)も重要な視点。

選択肢の発展補足

情報システム部門(選択肢b)のEUCとの役割分担は「情シスが環境を作り、ユーザーが使う」が理想形。情シスが集計代行をやり続ける体制はEUCの利点を殺し、情シスの工数を圧迫する。選択肢c・dの「B社(パッケージベンダー側)」の担当者が日常的なデータ運用を担うのは、ベンダーロックイン・内部統制上の問題(第三者が業務データに常時アクセス)のリスクがあり、設計上も不適切。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度15/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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