令和3年度82テクノロジ系

ITパスポート 令和3年度 問82:コンピュータ構成要素に関する問題

ネットワークに接続した複数のコンピュータで並列処理を行うことによって,仮想的に高い処理能力をもつコンピュータとして利用する方式はどれか。

  • aウェアラブルコンピューティング
  • bグリッドコンピューティング正答
  • cモバイルコンピューティング
  • dユビキタスコンピューティング
正答:Bグリッドコンピューティング

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは b「グリッドコンピューティング」 です。

たくさんのコンピュータをネットワークでつないで、みんなで力を合わせて1台の超高性能パソコンのように使うやり方です。一人では持てない重い荷物を、大勢で手分けして運ぶイメージ。

👉 覚え方:「グリッド=格子(網の目)。網のようにつないでみんなで計算」。

ほかの選択肢:a ウェアラブル=身に着けて使う(スマートウォッチ等)/c モバイル=持ち運んで外でも使う/d ユビキタス=いつでもどこでもITが使える世界。どれも『大勢で並列計算する』話ではありません。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は b(グリッドコンピューティング)。ネットワーク上の複数のコンピュータを連携させ、その処理能力を結集して仮想的に1台の高性能コンピュータとして並列処理させる方式。大規模な科学技術計算などで用いられる。

各選択肢の解説

  • a ウェアラブルコンピューティング:腕時計型・眼鏡型など身体に装着して使う形態。
  • c モバイルコンピューティング:ノートPCやスマホを持ち運び、移動先で情報処理する形態。
  • d ユビキタスコンピューティング:『いつでもどこでも』あらゆる場所でコンピュータが利用できる概念。

覚え方・ひっかけ注意

キーワードは『複数のコンピュータ』『並列処理』『仮想的に高性能』。この3点が揃えばグリッド。a・c・dは『利用形態・利用環境』の話で、計算能力を結集する仕組みではないと区別する。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

グリッドコンピューティングは、地理的に分散した計算資源(CPU・メモリ・ストレージ)をネットワークで統合し、仮想的に単一の高性能計算機として利用する分散処理技術だ。大きな問題を独立した小タスクに分割し各ノードに配布して並列実行、結果を集約する「粗粒度並列計算(Coarse-Grained Parallelism)」が基本モデル。

グリッドコンピューティングの特徴:

  • 広域分散・疎結合: 同一拠点内の密結合クラスタとは異なり、インターネット越しに組織・機関・国境をまたいで計算資源を共有する
  • 異機種混在: ハードウェア・OS・アーキテクチャが異なるマシンを統合
  • 自発的参加モデル: ボランティアコンピューティング(SETI@home・Folding@home)では一般家庭の PC の空き計算リソースを活用

技術的な基盤としては OGSA(Open Grid Services Architecture)・Globus Toolkit が標準化されており、ジョブスケジューリング・データ管理・セキュリティを提供する。

分散コンピューティングの類型比較:

| 方式 | 特徴 | 代表例 |

|---|---|---|

| クラスタ | 同一拠点内の密結合・高速相互接続 | スーパーコンピュータ「富岳」 |

| グリッド | 広域分散・疎結合・組織横断 | SETI@home・世界規模の素粒子計算 |

| クラウド | 仮想化・従量課金・オンデマンド拡張 | AWS・Azure・GCP |

| エッジ | 発生源近くでの前処理・低遅延 | IoT ゲートウェイ・MEC |

実務での使われ方

グリッドコンピューティングはクラウドの普及前に大規模科学技術計算の主要インフラだったが、現在は AWS HPC・Azure CycleCloud・Google Compute Engine 等のクラウド HPC がその役割の多くを担っている。しかし機密データを外部クラウドに出せない場合(機密研究・防衛関連)や、既存の分散データを移動させずに計算を行う「データグラビティ」の観点から、グリッド的なアーキテクチャは今なお価値を持つ。BOINC(Berkeley Open Infrastructure for Network Computing) は現在も稼働中のボランティアコンピューティングフレームワークで、COVID-19 のタンパク質解析(Folding@home)に2020年に一般家庭の参加が殺到した例が記憶に新しい。

試験での位置づけ

ITパスポートのコンピュータ構成要素・システム構成分野でグリッドコンピューティングは「分散して並列計算する=仮想的な高性能化」という定義で問われる頻出語。本問の選択肢はいずれも「コンピューティング」という語を含む類似語であるため、それぞれの定義を明確に区別することが必要だ。a(身に着ける)・b(ネットワーク分散で高性能化)・c(持ち運ぶ)・d(いつでもどこでも使える)という「どこで・どうやって使うか」の違いを整理しておくと混同しない。基本情報技術者ではクラスタ・グリッド・クラウドの技術的比較、スケールアウト(台数増加)とスケールアップ(性能向上)の概念まで問われる。

選択肢の発展補足

選択肢 a「ウェアラブルコンピューティング」 は身体に装着して使うコンピュータ形態の総称(スマートウォッチ・スマートグラス・スマート補聴器等)。センサを常時身に着けることで健康管理・拡張現実(AR)・ハンズフリー操作が可能になる。「身に着ける」という使い方の概念であり、計算資源を集積する「グリッド」とは軸が異なる。

選択肢 c「モバイルコンピューティング」 はノートPC・スマートフォン・タブレット等を持ち運び、外出先でも情報処理・通信ができる形態。「どこでも持って行ける」という移動性の概念。Wi-Fi・LTE・5G などの移動体通信インフラと組み合わせることで実現する。グリッドの「計算資源を集積する」概念とは全く異なる。

選択肢 d「ユビキタスコンピューティング」 はゼロックス PARC の Mark Weiser が1988年に提唱した概念で、「コンピュータがあらゆる場所に溶け込み、意識しなくても使える世界(Ubiquitous Computing)」。IoT の思想的源泉でもある。「環境に溶け込む・いつでもどこでも」という理想状態の概念であり、分散して並列計算するグリッドの機能的定義とは性質が異なる。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度82/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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