ITパスポート 令和3年度 問89:基礎理論に関する問題
情報の表現方法に関する次の記述中のa~cに入れる字句の組合せはどれか。 情報を,連続する可変な物理量(長さ,角度,電圧など)で表したものを a データといい,離散的な数値で表したものを b データという。音楽や楽曲などの配布に利用されるCDは,情報を c データとして格納する光ディスク媒体の一つである。
- aa:アナログ b:ディジタル c:アナログ
- ba:アナログ b:ディジタル c:ディジタル正答
- ca:ディジタル b:アナログ c:アナログ
- da:ディジタル b:アナログ c:ディジタル
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答えは b です。
『アナログ』は、針の時計や温度計のようになめらかに切れ目なく変わるもの。『ディジタル(デジタル)』は、数字でカクカクと段階で表すものです。
空欄a=なめらか=アナログ、b=段階=ディジタル。そして音楽CDは中身が数字データなのでc=ディジタル。だから『a:アナログ/b:ディジタル/c:ディジタル』の b が正解。
👉 覚え方:「アナログ=なめらか、デジタル=数字。CDは中身デジタル」。
ほかの選択肢はaかcの組合せが逆になっています。
なぜこれが正解か
正解は b。連続する可変な物理量(長さ・角度・電圧など)で表したものが a=アナログデータ、離散的な数値で表したものが b=ディジタルデータ。CDは音をディジタル(数値)データとして記録する光ディスクなので c=ディジタル。よって a:アナログ/b:ディジタル/c:ディジタルの選択肢bが正しい。
各選択肢の解説
- a:a:アナログ/b:ディジタル/c:アナログ → cが誤り。CDはディジタル記録。
- c・d:aとbが逆(アナログとディジタルが入れ替わっている)ため誤り。
覚え方・ひっかけ注意
定義の対応を固定する。連続量=アナログ/離散的な数値=ディジタル。CD・DVD・ブルーレイはすべてディジタル記録。レコード盤(溝の連続的振動)がアナログ記録の代表例として対比で覚えると c の判断が確実。
理論的背景
アナログとデジタルの変換過程(A/D 変換: Analog to Digital Conversion)は次の3段階で構成される:
1. 標本化(Sampling: サンプリング): アナログ信号を一定の時間間隔でサンプリングし、離散的な時間の値の系列に変換する。サンプリング周波数(Hz)が高いほど原信号に忠実。
2. 量子化(Quantization): 取り出した各サンプル値を有限個の離散的な段階(量子化レベル)に丸める。量子化ビット数(bit)が多いほど細かく表現できるが、量子化誤差(量子化雑音)が生じる。
3. 符号化(Encoding): 量子化した値を2進数のビット列に変換する。
標本化定理(ナイキスト・シャノンの定理): 原信号の最高周波数 f_max の2倍を超えるサンプリング周波数 f_s(f_s > 2f_max)であれば、元の波形を完全に復元できる。CD の 44.1kHz は人間の可聴域上限 20kHz の約2.2倍。
本問の核心:
- a「連続する可変な物理量で表したもの」 = アナログデータ(温度計の水銀柱・レコード盤の溝)
- b「離散的な数値で表したもの」 = デジタルデータ(0と1の組み合わせ)
- c「音楽を格納する CD」 = デジタルデータ(PCM: Pulse Code Modulation で録音)
実務での使われ方
CD の音声記録仕様(Red Book 標準):
- サンプリング周波数: 44,100 Hz(44.1kHz)
- 量子化ビット数: 16ビット(0〜65,535 の65,536段階)
- チャンネル数: 2チャンネル(ステレオ)
- 未圧縮データレート: 44,100 × 16 × 2 = 1,411,200 bps ≈ 1.4Mbps
上位フォーマット:
- ハイレゾリューション音源: 96kHz / 24ビット または 192kHz / 24ビット(FLAC・ALAC で配布)
- Dolby Atmos / DTS:X: オブジェクトベース立体音響
動画の量子化:
- SDR(標準ダイナミックレンジ): 各色8ビット(256階調)
- HDR(高ダイナミックレンジ): HDR10 は10ビット(1,024階調)、Dolby Vision は12ビット(4,096階調)
- ビット深度が上がると暗部・明部のグラデーションが滑らかになる(バンディングノイズ低減)
試験での位置づけ
ITパスポートの基礎理論(情報の表現・デジタル化)分野で「アナログ・デジタルの定義」と「CD はデジタル記録」の識別は最頻出パターンの一つ。本問は3つの空欄を持つ複合的な穴埋め問題で、a と b の対応(連続量=アナログ・離散的=デジタル)と c の判断(CD はデジタル)を確実に組み合わせる必要がある。選択肢 a(c をアナログにしたもの)・c と d(a と b が逆のもの)は「CD はアナログ」または「連続量=デジタル」という代表的な誤解から生まれる選択肢だ。基本情報技術者ではサンプリング定理、A/D 変換の3工程の順序と各語の定義、サンプリング周波数・量子化ビット数からデータ量を計算する問題まで発展する。
選択肢の発展補足
選択肢 a(a:アナログ, b:デジタル, c:アナログ) は a・b の対応は正しいが、c が誤り。「CD = アナログ」という誤解は「CD は音楽(音=アナログ)を格納するメディアだからアナログ」という混同から生まれる。記録されている音は元々アナログだが、CD に格納されているデータ形式は PCM(デジタル)という点が重要。レコード盤(溝の物理的形状=アナログ)との対比が理解のポイント。
選択肢 c(a:デジタル, b:アナログ, c:アナログ) は a と b が逆。「連続する可変な物理量=デジタル」は定義の逆読みであり、デジタルは離散的(段階的)であることが本質。アナログ温度計の水銀が「なめらかに」上下するのがアナログ的連続性の典型例。
選択肢 d(a:デジタル, b:アナログ, c:デジタル) は c は正しいが a・b が逆。このパターンは「デジタル」「アナログ」という語のイメージ(デジタル=新しい・高性能、アナログ=古い)から定義を混同したケースで生まれる。定義(連続量 vs 離散的数値)を確認することで即時排除できる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問89/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。