令和4年度80テクノロジ系

ITパスポート 令和4年度 問80:IoT・テレマティクスに関する問題

自動車などの移動体に搭載されたセンサや表示機器を通信システムや情報システムと連動させて、運転者へ様々な情報をリアルタイムに提供することを可能にするものはどれか。

  • aアクチュエータ
  • bキャリアアグリゲーション
  • cスマートメータ
  • dテレマティクス正答
正答:Dテレマティクス

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答えは d(テレマティクス) です。

テレマティクスは、自動車にセンサや通信機をのせて、走りながらいろいろな情報(渋滞・道案内・車の状態など)をリアルタイムで運転手に届ける仕組みです。カーナビが進化して“通信でつながった”イメージ。

👉 覚え方:「テレ(遠く・通信)+マティクス(情報処理)=走る車に情報を届ける」。

ほかの選択肢:a アクチュエータは指示どおりに“動かす”部品(モーターなど)/b キャリアアグリゲーションは通信を速くする技術/c スマートメータは電気の使用量を測る通信メーター、の話です。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は d。テレマティクス(Telematics)は「Telecommunication(通信)+Informatics(情報工学)」の造語で、自動車などの移動体にセンサや通信機器を搭載し、通信・情報システムと連動させて運転者へ各種情報(交通・ナビ・車両状態など)をリアルタイム提供する仕組み。

各選択肢の解説

  • a アクチュエータ:電気信号を物理的な動き(回転・移動)に変換する装置。IoTの「出力側」。
  • b キャリアアグリゲーション:複数の周波数帯を束ねて通信を高速化する移動通信技術。
  • c スマートメータ:電力・ガス等の使用量を計測し通信で送る次世代メーター。

覚え方・ひっかけ注意

「テレマティクス=走る車+通信=リアルタイム情報提供」。aアクチュエータ(動かす)とセンサ(測る)の役割の違いもセットで頻出なので押さえる。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

テレマティクス(Telematics)は正解dの通り「自動車などの移動体に搭載されたセンサや表示機器を通信システムや情報システムと連動させて、運転者へ様々な情報をリアルタイムに提供することを可能にするもの」である。語源はTelecommunications(通信)とInformatics(情報学)の合成語であり、1960〜70年代に研究分野として確立された概念だが、GPSやモバイル通信の普及によって2000年代以降に実用化が加速した。

テレマティクスシステムの技術構成は以下の通りである。①車載センサ:GPS(位置情報)・加速度センサ(急加速・急ブレーキ・横G)・OBD-II(On-Board Diagnostics:エンジン診断・燃料消費・車速)。②通信モジュール:3G/4G/5G通信(リアルタイムデータ送信)・V2X(Vehicle to Everything:車と車・インフラ・歩行者との通信)。③クラウド/バックエンド:大量の車両データの収集・処理・AI分析・リアルタイムフィードバック。④HMI(Human Machine Interface):カーナビ・ヘッドアップディスプレイ(HUD)・スマートフォン連携(CarPlay・Android Auto)による情報表示。

実務での使われ方

テレマティクスの主要な実用化領域として以下がある。①UBI(Usage Based Insurance:テレマティクス自動車保険):Progressive Insurance(米国)が先駆的に導入したSnapshotやSonyの「テレマティクス安全運転割引」など、実際の運転行動データ(急加速・急ブレーキ・夜間走行・走行距離)に基づいて保険料を算定する。②フリート管理:ヤマト運輸・佐川急便等の物流事業者がAI-Flight・Webフリートで車両位置・稼働状況・ドライバー行動を一元管理し、配送効率・燃費・安全を最適化する。③コネクテッドカー:トヨタのT-Connect・日産のNissanConnect・BMWのConnectedDriveが車両データをクラウドと連携し、OTA(Over-The-Air)アップデート・予知保全・緊急時通報(eCall:EUで義務化)を提供する。④自動運転:Tesla・Waymo・MoNetがテレマティクスデータ(走行実績・センサデータ)を機械学習モデルの訓練データとして活用している。

選択肢aのアクチュエータ(Actuator)は電気信号を物理的な動作(運動・力)に変換する装置であり、モーター・油圧シリンダ・ソレノイドバルブ等が該当する。IoTにおいてセンサが「入力(感知)」装置であるのに対し、アクチュエータは「出力(動作)」装置として対になる概念である。テレマティクスとは異なる基本概念である。

試験での位置づけ

ITパスポートのIoT・テレマティクス分野で「テレマティクスの定義と応用」は近年のシラバス改訂で重要度が増した領域である。本問のポイントは「移動体+センサ+通信+情報システムの連携でリアルタイム情報提供」という組み合わせを「テレマティクス」として識別することであり、アクチュエータ(センサと混同)・キャリアアグリゲーション(通信速度と混同)・スマートメータ(電力計と混同)という誤答との区別が求められる。

基本情報技術者(FE)ではIoTシステムの全体構成(センサ→エッジ→クラウド→アプリ)・車載LAN(CAN:Controller Area Network・LIN・MOST・Ethernet for Automotive)・V2X通信の種類(V2V・V2I・V2P・V2N)・5Gの超低遅延特性と自動運転への応用が問われる。応用情報(AP)ではコネクテッドカーのサイバーセキュリティ(ISO/SAE 21434:道路車両サイバーセキュリティ規格)・OTA更新の安全管理・MaaS(Mobility as a Service:交通サービスの統合化)との関係まで試験範囲に含まれる。

選択肢の発展補足

選択肢bのキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)はLTE-A(LTE Advanced)および5Gで採用された技術で、複数の周波数帯域(コンポーネントキャリア)を同時に束ねて通信速度を向上させる技術である。理論上、2〜5個のキャリアを束ねることで通信速度を2〜5倍に向上できる。ソフトバンク・NTTドコモ・auが5G展開でCAを積極的に活用しており、最大8Gbps以上の下り速度が実現されている。テレマティクスの通信インフラとしてCAが使われる場合はあるが、CAそのものはテレマティクスの定義ではない。

選択肢cのスマートメータ(Smart Meter)は電力・ガス・水道の消費量を自動的にリアルタイムで収集・通信するデジタル計量器である。日本では2020年代に電力スマートメータの全国普及が進み、30分単位の電力消費データをAMI(Advanced Metering Infrastructure)ネットワーク経由でHEMS(Home Energy Management System)・電力会社に送信する。IoTの典型的な応用事例であり、「移動体のリアルタイム情報提供」というテレマティクスの定義とは異なる固定設置型のメータリングシステムである。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度80/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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