ITパスポート 令和5年度 問12:system_strategyに関する問題
スマートフォンに内蔵された非接触型ICチップと外部のRFIDリーダーによって,実現しているサービスの事例だけを全て挙げたものはどれか。a 移動中の通話の際に基地局を自動的に切り替えて通話を保持する。b 駅の自動改札を通過する際の定期券として利用する。c 海外でも国内と同じ電子メールなどのサービスを利用する。d 決済手続情報を得るためにQRコードを読み込む。
- aa, b, c, d
- ba, b, d
- cb正答
- db, d
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答えは c「b」 です。
この問題で使う技術は、スマホをかざすだけでピッと反応するICチップ(FeliCaなど)と、それを読み取る機械(RFIDリーダー)です。Suicaやおサイフケータイをイメージしてください。
選択肢の中で、この“かざして読み取る”仕組みなのは b 駅の自動改札(定期券) だけ。改札にスマホをタッチするとピッと通れますよね。
👉 覚え方:「かざしてピッ=非接触ICチップ」。
ほかの選択肢:a 移動中も通話が切れない=電波の基地局を切り替える携帯電話の機能/c 海外でも同じサービス=国際ローミング/d QRコードを読む=カメラで読むので非接触ICチップではない。だから答えは b だけ。
なぜこれが正解か
正解は c(bだけ)。設問は「非接触型ICチップ」と「RFIDリーダー」で実現するサービスを問う。bの駅自動改札の定期券はまさに非接触ICカード/FeliCaをリーダーにかざして実現する典型例。
各選択肢の解説
- a 移動中の通話で基地局を自動切替=ハンドオーバー。携帯電話網の機能でICチップは無関係。
- c 海外でも国内と同じサービス=国際ローミング。通信事業者間の提携によるもの。
- d 決済情報をQRコードで読み込む=カメラによる光学読み取り。RFID(電波)ではない。
よって該当するのは b のみ。
覚え方・ひっかけ注意
QRコード決済(d)も「キャッシュレス」で似ているが、QRは“カメラで読む光学方式”、ICチップは“電波でかざす非接触方式”。読み取り方式の違いを押さえれば引っかからない。
理論的背景
RFID(Radio Frequency IDentification)は電波を使って非接触でICタグのデータを読み書きする自動認識技術だ。ICチップとアンテナから構成されるタグ(トランスポンダ)と、電波を送受信するリーダライタで動作する。タグはリーダーの発する電磁界から電力を得て動作する「パッシブ型(電池なし)」が主流で、通信距離はHF帯(13.56MHz)で10cm前後、UHF帯(860〜960MHz)で数m〜10m程度だ。スマートフォンに内蔵された非接触型ICチップとして広く普及しているのはFeliCa(ソニー開発、Suica・Pasmo・楽天Edy等で使用)とNFC(Near Field Communication、ISO/IEC 18092、通信距離10cm)で、後者はFeliCaを包含する国際規格だ。交通系ICカードの高速処理(新幹線改札での0.2秒以内の認証)はFeliCaの低レイテンシ特性に支えられており、本問の「駅の自動改札を定期券として利用する(b)」がこの技術の典型用途だ。
実務での使われ方
QRコードとの違いが実務上の重要な対比点だ。QRコード決済はカメラによる光学読み取りで、機器コスト・照明・角度に依存する。非接触IC(RFID/NFC)はかざすだけで瞬時に認証でき、光学条件に依存しない。小売在庫管理では、UHF帯RFIDタグをアパレル商品に貼付し、多数のタグを一括読み取りすることで棚卸業務を大幅効率化している(ZARAがこの手法の先駆者)。スマートフォンのFeliCa/NFCはiPhone(Apple Pay)・Androidのおサイフケータイとして交通・決済・電子証明書(マイナンバーカードの読み取り等)に使われている。本問のbがFeliCa/NFCで実現でき、a(ハンドオーバー)・c(ローミング)・d(QRコード)がそれぞれ異なる技術基盤で実現される点を区別することが核心だ。
試験での位置づけ
ITパスポートのテクノロジ系(IoT・モバイル技術)でRFID・NFC・FeliCaの用途識別は頻出テーマだ。本問のようにQRコード・ローミング・ハンドオーバーと並べて非接触IC技術の事例を選ぶ形式が定番で、「電波でかざす非接触方式」と「カメラで読む光学方式」の違いを軸に整理することが正答の鍵だ。近年はキャッシュレス決済の多様化(クレカ・QR・IC・スマホ)、マイナンバーカード活用(電子証明書・マイナポイント)、流通DXにおけるRFIDの活用が出題文脈として増えている。基本情報技術者ではRFIDの周波数帯と通信距離・用途の対応、NFCのP2P通信モード(デバイス間直接通信)まで踏み込む。
選択肢の発展補足
選択肢a(移動中の通話で基地局を自動切替してつながり続ける):これは携帯電話ネットワークの「ハンドオーバー(ハンドオフ)」技術で、移動体通信の基本機能だ。移動体通信(LTE・5G)の基地局間の切り替えはネットワーク側が自動制御し、通話・データが途切れないよう設計される。非接触ICチップとは全く異なる技術基盤だ。選択肢c(海外でも国内と同じサービスを利用):これは「国際ローミング」で、通信キャリア間の相互接続協定(ローミング協定)によって海外でも国内と同じ電話番号・データ通信を利用できるサービスだ。SIMカードを差し替えるか、eSIMを書き換えるか、ローミング設定を有効にすることで利用できる。非接触ICの機能ではなく、移動体通信ネットワークのサービス仕様だ。選択肢d(QRコードで決済情報を取得):QRコード(Quick Response Code)はデンソーウェーブが1994年に開発した2次元バーコードで、カメラの光学読み取りで動作する。PayPay・LINE Pay・楽天ペイ等のQRコード決済が普及しているが、読み取り方式が根本的に異なる(光学vs電波)。非接触ICよりも機器コストが安い反面、照明条件・読み取り精度の課題がある。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度 問12/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。