ITパスポート 令和5年度 問17:system_strategyに関する問題
ITの進展や関連するサービスの拡大によって,様々なデータやツールを自社のビジネスや日常の業務に利用することが可能となっている。このようなデータやツールを課題解決などのために適切に活用できる能力を示す用語として,最も適切なものはどれか。
- aアクセシビリティ
- bコアコンピタンス
- c情報リテラシー正答
- dデジタルディバイド
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは c「情報リテラシー」 です。
「リテラシー」は“使いこなす力”という意味。情報リテラシーは、世の中にあるデータやITツールを、自分の仕事や問題解決のために“上手に選んで使える力”のことです。
たとえば、調べ物をネットで探し、必要な情報を見分けて、表計算ソフトでまとめて答えを出す——そんな力です。
👉 覚え方:「リテラシー=使いこなす力」。情報を使いこなす=情報リテラシー。
ほかの選択肢:a アクセシビリティ=誰でも(高齢者や障害のある人も)使いやすいこと/b コアコンピタンス=会社の一番の強み/d デジタルディバイド=ITを使える人と使えない人の差。
なぜこれが正解か
正解は c。情報リテラシーは、データやITツールを目的・課題に応じて適切に収集・選択・活用し、判断や問題解決に役立てる能力。設問の「データやツールを課題解決のために適切に活用できる能力」にそのまま合致する。
各選択肢の解説
- a アクセシビリティ:年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが製品・サービスや情報を利用しやすい度合い。
- b コアコンピタンス:競合に対する企業の中核的な強み・他社が真似しにくい能力。
- d デジタルディバイド:ITを利用できる人とできない人の間に生じる情報格差。
覚え方・ひっかけ注意
「リテラシー=活用・読み解く能力」と直結させる。dデジタルディバイドは“格差”、aアクセシビリティは“使いやすさ”、bコアコンピタンスは“企業の強み”で意味が異なる。「能力」を問われ、データ・ツールの活用が論点ならc。
理論的背景
情報リテラシーという概念は、1970年代にポール・ズルコフスキー(Paul Zurkowski)が「情報を問題解決のために活用できる能力」として提唱したのが起源で、現在はユネスコやOECDが定義する「デジタル時代の基本的能力」として教育政策の中核に位置づけられている。その定義は時代とともに拡張されており、現在は「情報の収集・評価・選択・活用・倫理的な利用」を包括する多層的な能力概念だ。情報リテラシーはさらに細分化され、ITリテラシー(デバイス・ツールの操作能力)・データリテラシー(データを読み解き意思決定に活かす力)・メディアリテラシー(メディア情報を批判的に読み解く力)・情報セキュリティリテラシー(セキュリティの脅威を理解し安全に利用する力)・AIリテラシー(AIの仕組み・限界・倫理を理解して活用する力)という複数のサブカテゴリとして語られることが増えている。本問の「データやツールを課題解決に適切に活用できる能力」は情報リテラシーの定義をほぼそのまま表現している。
実務での使われ方
DX推進の文脈で「全社員の情報リテラシー・デジタルリテラシーの底上げ」が経営課題として頻繁に登場する。Microsoft・Googleの生産性ツール(Excel・スプレッドシート・PowerBI等)の利用スキル、データ分析基礎(平均・中央値・相関の理解)、生成AIの適切な利用方法(プロンプト設計・出力の事実確認)がその具体的な内容だ。採用・人事評価でも「情報リテラシーの水準」が評価軸に含まれるようになっており、IPA(情報処理推進機構)のiパス(ITパスポート試験)の受験促進はその政策的な表れだ。医療・金融・行政など情報の品質が特に重要な分野では、「情報リテラシーの欠如→誤情報の拡散→意思決定の失敗」というリスクが甚大で、組織全体での情報リテラシー教育が不可欠とされている。
試験での位置づけ
ITパスポートのストラテジ系(情報社会・倫理・コンプライアンス)で情報リテラシーは頻出テーマだ。本問のように「データやツールを課題解決に活用する能力」というキーワードから情報リテラシーを識別する問題、および紛らわしい選択肢(アクセシビリティ・コアコンピタンス・デジタルディバイド)を排除する問題が定番だ。各語の「主体・方向・意味」の違いを整理することが正答の条件で、「リテラシー=利用者側の活用能力」、「アクセシビリティ=提供側が確保する利用しやすさ」、「デジタルディバイド=格差という社会状態」、「コアコンピタンス=企業の中核的強み」という四つの定義の対比が覚えるべき核心だ。
選択肢の発展補足
選択肢a(アクセシビリティ):製品・サービス・施設・情報が、年齢・障害・知識レベルに関わらず誰もが使いやすい状態を指す。Webアクセシビリティ(WCAG 2.1・JIS X 8341-3)は視覚障害者向けの音声読み上げ対応、聴覚障害者向けの字幕提供、運動障害者向けのキーボードナビゲーション等を規定する。情報リテラシーが「能力(利用者側)」であるのに対し、アクセシビリティは「設計品質(提供者側)」という主体の違いが本質だ。選択肢b(コアコンピタンス):ゲイリー・プラハラードとC.K.ハメルが1990年のHBR論文で提唱した経営戦略論の概念。企業が持つ「競合に模倣されにくい中核的な能力・強み」で、多角化・M&A戦略の判断基準として使われる。本問では「能力」という語で情報リテラシーと混同させる設計になっているが、コアコンピタンスは個人の能力ではなく組織・企業の競争優位の源泉だ。選択肢d(デジタルディバイド):インターネット・スマートフォン・PC等のITを利用できる人とできない人・利用環境の格差を指す。格差は地理的(都市vs農村のインフラ整備差)・所得的・年齢的(高齢者のITスキル格差)・教育的な要因から生じる。情報リテラシーが「個人の能力」を指すのに対し、デジタルディバイドは「社会的な格差状態」を指す概念で、政府の情報化政策・デジタル包摂(Digital Inclusion)の文脈で語られる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度 問17/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。