ITパスポート 令和5年度 問22:corporate_legalに関する問題
資金決済法における前払式支払手段に該当するものはどれか。
- aWebサイト上で預金口座から振込や送金ができるサービス
- bインターネット上で電子的な通貨として利用可能な暗号資産
- c全国のデパートや商店などで共通に利用可能な使用期限のない商品券正答
- d店舗などでの商品購入時に付与され,同店での次回の購入代金として利用可能なポイント
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答えは c「使用期限のない商品券」 です。
「前払式支払手段」は、ざっくり言うと“先にお金を払って買っておき、あとで支払いに使えるもの”。商品券・プリペイドカード・電子マネー(チャージ式)などが仲間です。
- c 全国のデパートで使える商品券→先に買って後で使う=まさに前払いの支払手段○
- a 振込・送金のサービス→お金を移すサービスで、前払いではない
- b 暗号資産→別ルールで扱われる(前払式ではない)
- d 買い物でもらえるポイント→お金を払って買ったものではなく“おまけ”
👉 覚え方:「先払いして後で使う券=前払式」。
だから答えは c。
なぜこれが正解か
正解は c。資金決済法上の前払式支払手段は、(1)金額等の財産的価値が記録・記載され、(2)対価を支払って(前払いで)発行され、(3)その対価の弁済(支払い)に使えるもの。商品券・プリペイドカード・チャージ式電子マネーが典型。cの「共通利用できる商品券」はこれに該当する。
各選択肢の解説
- a 預金口座から振込・送金できるサービス=為替取引(資金移動業など)で、前払式ではない。
- b 暗号資産=資金決済法でも「暗号資産」として別途規定され、前払式支払手段ではない。
- d 購入時に付与されるポイント=対価を支払って取得したものではなく“おまけ”のため、前払式支払手段に該当しない。
覚え方・ひっかけ注意
判断軸は「対価を払って(前払いで)発行されたか」。dのポイントは無償付与なので除外。前払式の代表例=商品券・プリペイド・図書カード・テレホンカードとイメージで覚える。
理論的背景
資金決済に関する法律(資金決済法)は2010年に施行され、その後複数回の改正を経た。前払式支払手段(第3章)の定義は「証票等に金額または数量が記録・記載された財産的価値で、当該価値の対価として金銭を受け取り、物品の代価の支払等に使えるもの」だ。3つの要件が重要で、①財産的価値が記録されていること、②対価として金銭を受け取って発行されること(前払い性)、③物品・サービスの代価として使えること(支払手段性)だ。本問の選択肢c「商品券(使用期限なし・全国共通)」はこの定義の典型例で、デパートが対価を受け取って発行し、全国の加盟店で支払いに使える。前払式支払手段は「自家型」(発行者自身の施設内のみで使用)と「第三者型」(加盟他店でも使用可能)に分かれ、共通商品券は第三者型に該当する(発行には登録が必要)。発行者は未使用残高が一定額を超えた場合に発行保証金の供託義務が課され、利用者保護が図られる。
実務での使われ方
前払式支払手段の現代的な形態はデジタル化が進んでいる。コンビニやスーパーのポイント付きプリペイドカード・電子マネーのチャージ(Suicaへのチャージ・PayPayへのチャージ等)は前払式支払手段の典型で、対価を支払い(チャージし)その分が支払いに使える。一方、2023年にステマ規制とともに議論になったポイントプログラムは複雑で、「購入に連動して付与されるポイント(dの類型)」は対価を支払って取得するものではないため前払式に該当しないが、「ポイントを購入する(キャッシュバック型)」ものは前払式になり得る。暗号資産(b)は資金決済法で「前払式支払手段」とは別の「暗号資産」として定義される別カテゴリーで、その取引を行う業者は暗号資産交換業者として登録が必要だ。
試験での位置づけ
ITパスポートのストラテジ系(法務・コンプライアンス・フィンテック)で資金決済法・前払式支払手段は近年頻出化しているテーマだ。キャッシュレス推進・フィンテック普及の社会的背景を受け、「各種決済手段の法的根拠・規制の違い」を問う出題が増えている。前払式支払手段・資金移動業・為替取引・暗号資産・クレジット(割賦販売法)の各カテゴリーと代表的な決済サービスの対応関係を整理しておく必要がある。ポイントプログラムの法的位置づけも2021年の改正以降に論点が整理されており、実務と試験の両面で重要テーマだ。
選択肢の発展補足
選択肢a(Web上の振込・送金サービス):これは「為替取引」に当たり、銀行業または資金移動業(資金決済法第2章)として規律される。資金移動業者は登録制で、送金金額に応じて第一種(上限なし)・第二種(100万円以下)・第三種(5万円以下)に分類される(2021年改正)。PayPayの送金機能・LINEペイの送金機能等がこれに当たる。選択肢b(暗号資産):ビットコイン・イーサリアム等の「暗号資産」は資金決済法第3章の2で「前払式支払手段」とは別個のカテゴリーとして規定される。交換・売買を業として行う「暗号資産交換業者」は金融庁への登録が必要で、分別管理義務・利用者保護規定が課される。選択肢d(購入時に付与されるポイント):「購入をすると付与される」という仕組みは、対価を支払ってポイントを取得するのではなく「購入に伴う特典」として付与されるため、前払式支払手段の「対価を支払って発行される」要件を満たさない。ただし「ポイントの購入(100円で100ポイント等)」という設計の場合は前払式支払手段として規律される余地があり、サービス設計によって法的性質が変わる点が実務上の論点だ。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度 問22/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。