ITパスポート 令和6年度 問22:system_strategyに関する問題
インターネットを介して個人や企業が保有する住宅などの遊休資産の貸出しを仲介するサービスや仕組みを表す用語として、最も適切なものはどれか。
- aシェアードサービス
- bシェアウェア
- cシェアリングエコノミー正答
- dワークシェアリング
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは c「シェアリングエコノミー」 です。
使っていない部屋・車・モノを、ネットを通して必要な人に貸し出して、みんなで分け合う(シェアする)仕組みのこと。
空き部屋を旅行者に貸すAirbnbや、自分の車で送迎するサービスがこの仲間です。
👉 覚え方:シェア(分け合う)+エコノミー(経済)=「みんなで貸し借りする経済」。
ほかの選択肢:a シェアードサービス=会社の事務をまとめて1か所で行うこと/b シェアウェア=試してから買うソフト/d ワークシェアリング=仕事を分け合って雇用を守ること。どれも“名前は似てるけど別物”です。
なぜこれが正解か
正解は c。シェアリングエコノミーは、個人や企業が保有する遊休資産(使っていない住宅・車・スキル・時間など)を、インターネットのプラットフォームを介して他者に貸し出し・共有する経済の仕組み。住宅などの遊休資産の貸出し仲介という記述に合致する。
各選択肢の解説
- a シェアードサービス:グループ企業の間接業務(経理・人事など)を一拠点に集約して効率化する手法。
- b シェアウェア:一定期間試用でき、継続利用に課金するソフトウェアの提供形態。
- d ワークシェアリング:一人当たりの労働時間を短縮し仕事を分け合って雇用を維持する考え方。
覚え方・ひっかけ注意
「遊休資産」「ネットで仲介」「貸し借り」が揃えばシェアリングエコノミー。“シェア”の付く紛らわしい語が並ぶが、対象が“資産の共有”か“業務集約”か“ソフト”か“雇用”かで切り分ける。
理論的背景
シェアリングエコノミー(Sharing Economy)は、「遊休資産の効率的再配分を仲介プラットフォームが実現するビジネスモデル」であり、その経済学的意義は「取引コスト(情報の非対称性・マッチングコスト・信頼構築コスト)をデジタル技術で劇的に低減した」点にある。ロン・ボットマン(Rachel Botsman)らによる「What's Mine Is Yours」(2010年)がこの概念を広め、Airbnb・Uberの急成長とともに主流化した。
遊休資産とは「所有しているが常時使用されていない資産」であり、住宅の空き部屋(稼働率30〜40%)・自動車(多くの場合駐車中が95%以上)・スキル・資金(クラウドファンディング)など多岐にわたる。仲介プラットフォームは①探索(マッチング)②評価・信頼構築(レビューシステム)③決済④紛争解決を提供することで、見知らぬ者同士の取引を可能にする。これはコーズ定理的な「取引コスト削減による資源の最適配分」であり、ITが経済構造を変革した代表的な実例として経営・経済の教科書に掲載される。
実務での使われ方
シェアリングエコノミーの産業別展開は多様である。宿泊領域ではAirbnb(住宅シェア)、移動領域ではUber・Lyft(配車シェア)、スキル領域ではSkillshare・ランサーズ(知識・労働シェア)、物品領域ではメルカリ(フリマ)・JustFit(ジム予約プラットフォーム)、資金領域ではKickstarter(クラウドファンディング)が代表例である。
日本では2019年にシェアリングエコノミー協会が市場規模を調査し始め、2023年には年間2兆円超の市場が形成されている。行政も「シェアリングシティ」構想を推進し、自治体の公共施設や道路空間のシェアリング活用が試みられている。一方で既存業者(タクシー・ホテル)との競合・規制問題、ピアツーピア取引における消費者保護、個人情報管理が課題として残っている。
試験での位置づけ
シェアリングエコノミーはITパスポートの「システム戦略・デジタル変革」領域で毎年度出題される重要語彙である。本問のような「語彙の定義選択」形式に加えて、「シェアリングエコノミーが可能にした新市場の事例識別」が出題パターンとして増加している。
「シェア」という語根を持つ誤選択肢との混同(シェアードサービス・シェアウェア・ワークシェアリング)が典型的ひっかけで、本問もその典型構成である。基本情報技術者ではプラットフォームビジネスモデル・ネットワーク外部性(利用者が増えるほどサービス価値が上がる正のフィードバックループ)の文脈で出題される。ITストラテジストではビジネスモデルキャンバスとの組み合わせで「プラットフォーム企業の競争優位の源泉分析」が問われる。
選択肢の発展補足
aのシェアードサービス:企業グループ内で人事・経理・法務などの管理業務を集約した専門子会社(SSC:Shared Service Center)が一元提供するアウトソーシング形態。「社内の業務共有化」であり、インターネットを介した個人間の遊休資産活用とは根本的に異なる。富士通やNTTグループが実施する管理部門集約がSSCの典型例。
bのシェアウェア:「一定期間・機能を無料で試用できるが、継続・フル機能使用には料金が必要」なソフトウェア配布形式。「シェア」はソフトウェアの配布・共有の意味であり、物理的遊休資産の仲介とは無関係。現在はフリーミアムモデルに進化・吸収されている概念。
dのワークシェアリング:一つの雇用を複数の労働者が分担し、一人あたりの労働時間を短縮することで雇用を維持・創出する労働政策。「仕事の分かち合い」という意味での「シェア」であり、Airbnb的な「遊休資産の仲介プラットフォーム」とは全く異なる概念である。雇用調整の文脈(リーマンショック時の残業削減等)でも頻出語彙。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和6年度 問22/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。