ITパスポート 令和6年度 問24:business_strategyに関する問題
式は定期発注方式で原料の発注量を求める計算式である。a〜c に入れる字句の適切な組合せはどれか。発注量=(a+調達期間)× 毎日の使用予定量 + b - 現在の在庫量 - c。選択肢: ア a=営業日数 b=安全在庫量 c=現在の発注残 / イ a=営業日数 b=現在の発注残 c=安全在庫量 / ウ a=発注間隔 b=安全在庫量 c=現在の発注残 / エ a=発注間隔 b=現在の発注残 c=安全在庫量
- aa=営業日数, b=安全在庫量, c=現在の発注残
- ba=営業日数, b=現在の発注残, c=安全在庫量
- ca=発注間隔, b=安全在庫量, c=現在の発注残正答
- da=発注間隔, b=現在の発注残, c=安全在庫量
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答えは c「発注間隔」「安全在庫量」「現在の発注残」の組合せ です。
定期発注方式は「毎週月曜に発注」のように“日にちを決めて”注文する方法。
注文する量は、ざっくり「次に届くまでに使う分」+「念のための予備(安全在庫)」から「今ある分」と「もう注文済みでこれから届く分(発注残)」を引いて求めます。
👉 覚え方:必要分+予備 − 手元 − 注文済み。
だから a=発注間隔、b=安全在庫量(予備)、c=現在の発注残(注文済み)。これに合うのはcです。
なぜこれが正解か
正解は c。定期発注方式の発注量の式は次の通り:
発注量=(発注間隔+調達期間)×毎日の使用予定量 + 安全在庫量 − 現在の在庫量 − 現在の発注残。
- (発注間隔+調達期間)×使用量:次の発注から納品されるまでにカバーすべき需要量。
- +安全在庫量:需要変動・遅延に備える予備。
- −現在の在庫量・−現在の発注残:すでに手元にある分と発注済みで未着の分は差し引く。
よって a=発注間隔、b=安全在庫量、c=現在の発注残 → 選択肢c。
覚え方・ひっかけ注意
定期発注方式は「時期を固定し、量を毎回計算する」方式。aを“営業日数”とする選択肢は誤り(固定するのは発注の“間隔”)。安全在庫は足す、在庫と発注残は引くという符号を間違えないこと。対になる「定量発注方式(発注点方式)」は“量を固定し時期を在庫量で決める”方式で混同注意。
理論的背景
定期発注方式(Fixed-Cycle Ordering System)は在庫管理の2大発注方式の一つであり、「一定の発注間隔で在庫状況を確認し、その都度発注量を計算する」仕組みである。需要変動が大きく多品種少量の管理に適する。これに対して定量発注方式(Fixed-Quantity Ordering System)は「在庫が発注点を下回ったら固定量を発注する」仕組みで、需要が安定した大量消費品に向く。
定期発注の発注量算定式の構造的理解が本問の核心である。式を分解すると:
1. 「(a=発注間隔+調達期間)× 毎日の使用予定量」:この期間中に必要な総消費量の予測値。発注後に在庫が届くまでの「リードタイム」と次回発注までの「発注間隔」を合算した期間全体をカバーする在庫が必要となる。
2. 「+b=安全在庫量」:需要予測や調達遅延の不確実性に備えたバッファ在庫。
3. 「−現在の在庫量」と「−c=現在の発注残」:既に手元にある在庫と発注済みで未着の在庫を控除することで「本当に不足する分だけ」を計算する。
発注残(発注済みだが未入庫の在庫)の控除を忘れると二重発注になる点が実務でも誤りやすいポイントである。
実務での使われ方
食品・医薬品・製造業では定期発注方式がサプライチェーン管理の基盤として使われており、MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)やERP(基幹系統合システム)に組み込まれている。
実際の計算では「安全在庫量=安全係数×σ(需要の標準偏差)×√調達期間」という統計的計算が使われる。簡易的には「過去の需要変動の最大差異×√調達期間」で近似することも多い。こうした統計的在庫管理は「確率論的在庫モデル」と呼ばれ、オペレーションズリサーチ(OR)の重要応用分野である。
近年はIoT・RFID技術によるリアルタイム在庫把握とAIによる需要予測の精度向上が組み合わさり、発注間隔の最適化や安全在庫の動的削減(機会在庫コスト vs 品切れコストのバランス最適化)が実現されている。AmazonのFCシステムやセブンイレブンの単品管理がその先進事例として知られる。
試験での位置づけ
定期発注方式の公式はITパスポートの「経営戦略・ビジネス戦略」サブカテゴリで、計算問題と語句穴埋め問題の両形式で出題される。本問のような穴埋め選択では「発注間隔 vs 営業日数」「安全在庫 vs 発注残」の2軸の識別が決め手になる。特に「営業日数」は「ある業務が稼働している日数」を意味し、定期発注式の時間計算には無関係であるため選択肢aとの区別が重要。
基本情報技術者では「EOQ(Economic Order Quantity:経済的発注量)の計算」と「ABC分析(在庫品目の重要度分類)」まで出題範囲が広がる。応用情報・ITストラテジストでは「SCM(Supply Chain Management)における在庫最適化戦略」「VMI(Vendor Managed Inventory)」「JIT(Just in Time)との比較」が出題される。
選択肢の発展補足
選択肢aとb(a=営業日数):「営業日数」を発注間隔の代わりに使うと、「次回の発注タイミングまでの日数」ではなく「事業日全体の日数」という全く異なる量が入ってしまい計算が成立しない。営業日数は稼働率計算(SLA)や工数計算で使う概念であり、在庫発注周期の計算には登場しない。
選択肢bとd(b=現在の発注残):発注残を「必要在庫に加える量(b)」として足してしまう誤りは、「もう頼んである分をさらに足してしまう」二重計上ミスに相当する。発注残は「控除すべき既確保量」であり、bではなくcに入る。
c vs d の発注残と安全在庫の入れ替え:安全在庫は「将来の不確実性への備え」として必要在庫量に「加算」すべき量、発注残は「既に調達中の確保済み量」として「控除」すべき量という論理を理解することが、穴埋め問題正答の鍵になる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和6年度 問24/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。