ITパスポート 令和7年度 問60:networkに関する問題
TCP/IPネットワークで用いられるプロトコルであるFTPの役割として,適切なものはどれか。
- a正確な現在時刻を取得する。
- b電子メールを転送する。
- cネットワーク接続に必要なIPアドレスなどの情報を自動的に割り当てる。
- dファイルをPC間で転送する。正答
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答えは d です。
FTPは「ファイルを送ったり受け取ったりする専用の宅配便」です。File Transfer Protocol(ファイル転送のルール)の略で、名前のまんま“ファイルを運ぶ”のが仕事。
だから d「ファイルをPC間で転送する」が正解です。
👉 覚え方:F・T・P=File Transfer(ファイル転送)。名前にそのまま答えが入っています。
ほかの選択肢:a 正確な時刻を取得=NTPの仕事/b メールを転送=SMTPの仕事/c IPアドレスを自動で割り当て=DHCPの仕事。
なぜこれが正解か
正解は d。FTP(File Transfer Protocol)は、その名のとおりネットワーク上でファイルを転送するためのプロトコル。サーバとクライアント間でファイルのアップロード・ダウンロードを行う。
各選択肢の解説
- a 正確な現在時刻を取得:NTP(Network Time Protocol)の役割。
- b 電子メールを転送:SMTP(送信)の役割。受信はPOP3/IMAP。
- c IPアドレス等を自動割当て:DHCPの役割。
覚え方・ひっかけ注意
プロトコルは頭文字が機能名になっているものが多い。FTP=File Transfer(ファイル転送)、SMTP=Mail(メール送信)、NTP=Time(時刻)、DHCP=動的なホスト設定。略語を展開すれば役割が分かる。FTPは平文通信のため、現在は暗号化版のFTPS/SFTPが推奨される点も覚えておくと安心。
理論的背景
FTP(File Transfer Protocol)はRFC 959(1985年策定)に基づくアプリケーション層プロトコルであり、TCPの信頼性のある通信を利用してファイルを転送する。FTPの動作の特徴はデュアルポートアーキテクチャにある。制御接続(ポート21)でコマンド(ログイン認証・ディレクトリ操作・転送コマンド)をやりとりし、データ接続(ポート20またはランダムポート)で実際のファイルデータを送受信する二本の接続を同時に使用する。
データ接続の確立方法には「アクティブモード」と「パッシブモード」の2種類がある。アクティブモードではサーバ側からクライアントへデータ接続を開始するが、クライアントがNAT・ファイアウォール配下にある場合に接続失敗が起きやすい。パッシブモード(PASV)ではサーバがデータ用ポートを指定してクライアントから接続を受け付ける形式で、現代のFTP実装ではパッシブモードが標準となっている。
FTPの重大な問題は認証情報(ユーザー名・パスワード)とファイルデータが平文で送信される点であり、盗聴のリスクが極めて高い。このため現代の実務では暗号化されたSFTP(SSH File Transfer Protocol:SSHの拡張)またはFTPS(FTP over SSL/TLS)の使用が強く推奨されており、レガシーFTPは内部ネットワーク限定の用途に限定される傾向にある。
実務での使われ方
FTPの実務利用は大きく三つの領域に分けられる。第1にWebサーバへのファイルアップロード:かつてはWebサイトのファイル更新にFTPが広く使われたが、現在はSFTP・SCPへの移行が進み、さらにGit連携のCI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)パイプライン(GitHub Actions・GitLab CI等)による自動デプロイが主流となっている。第2にバッチファイル転送:企業間でのデータ交換(EDI:Electronic Data Interchange)や会計データのバッチ連携でFTP/SFTPは今も現役で使われ、夜間バッチ処理の中核を担っている。第3に組み込み機器・産業用システム:ファームウェア更新・設定ファイル配布にFTPが組み込まれているケースが多く、完全な移行は進んでいない。
試験での位置づけ
FTPはITパスポートのネットワーク分野における「プロトコルの役割」問題の定番として必ず押さえるべき項目である。試験では各プロトコルの「何をするためのプロトコルか」を問う形式が多く、FTPはファイル転送、SMTPはメール送信、POP3/IMAPはメール受信、HTTPはWeb閲覧、NTPは時刻同期という対応を確実に記憶することが基本となる。本問の誤答選択肢は全てFTP以外のプロトコルの説明であり、aはNTP(Network Time Protocol)、bはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、cはDHCPの説明にそれぞれ対応している。
基本情報技術者試験ではFTPのポート番号(20・21)、アクティブ/パッシブモードの違い、SFTPとFTPSの技術的差異、FTPのセキュリティ上の問題と代替手段まで出題されることがある。
選択肢の発展補足
選択肢aの「正確な現在時刻を取得する」はNTP(Network Time Protocol・ポート123/UDP)の役割である。NTPはGPS・原子時計に接続されたStratum 0サーバを頂点に階層構造で時刻を配信し、PC・サーバ・ネットワーク機器の時刻同期を担う。ログの時刻整合性・PKI証明書の有効期限確認・Kerberos認証(時刻差5分以内を要求)など、セキュリティの文脈でNTPの重要性が高まっている。選択肢bの「電子メールを転送する」はSMTP(Simple Mail Transfer Protocol・ポート25/587)の役割であり、メールサーバ間の転送(リレー)と、メールクライアントからサーバへの送信(サブミッション)の両方を担う。SMTPは現在TLS対応(SMTPS・STARTTLS)が標準となっている。選択肢cはDHCPの説明で、前述の通りIPアドレス自動割り当てのプロトコルである。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和7年度 問60/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。