令和8年度37マネジメント系

ITパスポート 令和8年度 問37:project_managementに関する問題

Aさんは新規プロジェクトの計画段階の作業をしており、開発コストの見積りに着手した。この段階で短期的に概算費用を見積もる方法として、最も適切なものはどれか。

  • aFP法を用いて見積もる。
  • b作業単位のコストを見積もり、合算して全体を見積もる。
  • c予想されるソフトウェアのコード行数を基に見積もる。
  • d類似プロジェクトを参考に見積もる。正答
正答:D類似プロジェクトを参考に見積もる。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは d です。

プロジェクトの一番はじめ(計画段階)は、まだ詳しいことが決まっていません。そんなときに手早くざっくり費用を出すには、「前にやった似たプロジェクトはこのくらいかかったから、今回もこのくらいだろう」と参考にするのが一番てっとり早い方法です(類推見積り)。

👉 覚え方:最初のざっくり見積り=「似た過去の例を参考に」。

ほかの選択肢:a FP法、b 作業ごとに積み上げ、c コード行数から計算——どれも細かい情報が必要で、計画段階の“ざっくり短時間”には向かないので×。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は d。計画段階の初期は情報が乏しく詳細設計も未完成。この段階で短期間に概算費用を出すには、過去の類似プロジェクトの実績を参考にする類推見積法(トップダウン見積り)が最適。手早く全体感をつかめる。

各選択肢の解説

  • a FP法(ファンクションポイント法):機能を数値化して見積もる。機能仕様がある程度固まってから使う精密手法で、初期の概算には不向き。
  • b 作業単位のコストを積み上げて合算→ボトムアップ見積り。WBSが詳細化された後に使う精度の高い手法で、時間がかかる。
  • c 予想コード行数(LOC)を基に見積もる→プログラムステップ法。設計が進み規模が読めてから有効。

覚え方・ひっかけ注意

「初期・短期・概算」と来たら類推見積り。「積み上げ」「FP」「行数」は詳細情報が必要=後工程向け。トップダウン(類推=早いが粗い)とボトムアップ(積上げ=遅いが精密)の使い分けが要点。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

プロジェクト計画段階での開発コスト見積りはPMBOKの「コストマネジメント」知識エリアで体系化されており、見積り手法の選択はプロジェクトの段階・入手可能情報量・要求精度によって決まる。主要な見積り手法の比較:類推見積り(Analogous Estimating)は過去の類似プロジェクトの実績データを参照して概算を算出する手法で、入力情報が少ない計画初期に適している。精度:±25〜50%。FP法(Function Point:機能点数法)はシステムの機能量を標準的な計測ルール(IFPUG・NESMA等)に基づいて定量化しコストに換算する。精度は高いが機能要件の詳細把握が前提。LOC法(Lines of Code:コード行数見積り)は予想コード行数×生産性(行/人月)でコストを算出するが、設計完了後でないと精度が低い。ボトムアップ見積り(WBSベース)は最も精度が高いが、詳細設計完了後でなければ実施できない。

実務での使われ方

計画段階の「ラフオーダー見積り(ROM:Rough Order of Magnitude)」は類推見積りが実務標準で、コンサルティング・プロジェクト初期提案時に広く使われる。参照データベースとして「過去プロジェクトのパラメータ(規模・工数・期間・コストのデータセット)」をPMO(Project Management Office)が蓄積・管理することが重要で、この知識ベースがないと類推見積りの精度が著しく低下する。見積り精度の向上プロセスとして「計画段階ではROM(±50%)→要件定義完了後にFP見積り(±25%)→基本設計完了後にボトムアップ(±10%)」という段階的精緻化(Progressive Elaboration)が標準。見積りの「正確さ(Accuracy)と精度(Precision)の違い」は基本的な概念で、精度が高い見積り(小数点以下まで算出)が必ずしも正確ではなく、計画段階の範囲見積り(レンジ見積り)が実態に近いケースが多い。

試験での位置づけ

見積り手法の選択はITパスポートのプロジェクトマネジメント・システム開発系で出題が増えている。本問のポイントは「計画段階・短期・概算」というキーワードが類推見積りを指示しており、精度の高い手法(FP法・LOC法・ボトムアップ)は詳細情報が必要で計画初期には使えないという理解が問われる。選択肢aのFP法(ファンクションポイント法)はIFPUG(International Function Point Users Group)が規定する国際規格(ISO 20926)に基づく機能量測定手法。外部入力・外部出力・内部論理ファイル・外部インターフェースファイル・外部照会の5機能タイプを計測してコストに換算する。計画初期には機能要件の詳細が未確定のため適用困難。選択肢bのボトムアップ見積りはWBS(Work Breakdown Structure)の最小作業単位ごとにコストを積算する最高精度の手法だが、WBS作成自体が設計フェーズの産物であり計画初期に実施できない。選択肢cのLOC見積りは歴史的に最初に登場した見積り手法だが、プログラミング言語・生産性によって同じ機能でもコード行数が大きく異なる問題があり、現在は補助的手段として用いられる。

選択肢の発展補足

類推見積り(選択肢d)の信頼性を高める実践的手法として「スケーリング(参照プロジェクトと対象プロジェクトの規模差に応じた係数調整)」「三点見積り(楽観値・最頻値・悲観値の加重平均:PERT公式)」「デルファイ法(複数専門家の匿名反復評価で合意形成)」の組み合わせが有効。プロジェクト見積りの精度向上は組織的な「見積りナレッジ管理(過去実績DB・WBS標準テンプレート・生産性係数の蓄積)」によって可能で、PMOがこの役割を担う。アジャイル開発ではストーリーポイント(SP)による相対的見積りが主流で、プランニングポーカー(フィボナッチ数列のカードを使ったチーム見積りゲーム)でスプリント単位の作業量を見積もる。ITパスポートでは「計画段階」「精度レベル別の手法選択」という実践的判断が問われ、基本情報・応用情報ではEVM(アーンドバリューマネジメント:計画コスト・実績コスト・出来高の三点比較による進捗管理)まで発展する。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和8年度37/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

マネジメント系の他の過去問

35
system_audit
36
project_management
38
development_management
39
project_management
40
system_audit

あなたの弱点を診断して、合格までの最短ルートを

この分野を連続演習し、AIがあなたの弱点を分析。合格ナビならITパスポートの過去問を解きながら学べます。