基本情報 平成24年度 秋期 問37:テクノロジ系に関する問題
プライベート IP アドレスの複数の端末が, 一つのグローバル IP アドレスを使って インターネット接続を利用する仕組みを実現するものはどれか。
- aDHCP
- bDNS
- cNAPT正答
- dRADIUS
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答えは c「NAPT」 です。
会社や家のWi-Fiでは、各PCに「プライベートIP」という内部だけの番号が振られています。そのままだとインターネットに出られないので、外向きに使える1つの「グローバルIP」に変換する仕組みが必要。これがNAPTです。
たとえばマンションの代表電話番号が1つでも、内線番号で部屋を区別できるのと同じ。
👉 覚え方:「NAPT=1つの番号をみんなで共有する仕組み(IP+ポート変換)」。
ほかの選択肢:a DHCPはIPアドレス自動配布/b DNSは名前↔住所の変換/d RADIUSは利用者認証のサーバ。
なぜこれが正解か
正解は c NAPT(Network Address Port Translation)。複数のプライベートIPアドレスを1つのグローバルIPアドレスへ集約し、ポート番号で各端末を区別することで同時利用を可能にする技術。IPマスカレード、PAT(Port Address Translation)とも呼ばれる。家庭用ルータの標準機能。
各選択肢の解説
- a DHCP:IPアドレスを動的に自動配布するプロトコル。
- b DNS:ドメイン名⇔IPアドレスの変換。
- d RADIUS:リモートアクセス認証のサーバプロトコル。
覚え方・ひっかけ注意
「NAT=1対1のIP変換/NAPT=1対多、ポート併用」。NATでは1台しか同時通信できないが、NAPTはポート番号で区別するため複数台同時通信可能。IPv4枯渇対策として家庭・企業で広く利用される。IPv6時代はアドレス豊富になるためNAPT不要だが、移行期はNAT64やCGNAT(Carrier Grade NAT)で混在運用される。
理論的背景
NAPTはNAT(RFC 1631→2663→3022)の拡張で、IPアドレスに加えてトランスポート層のポート番号も書き換えることで、複数の内部ホストを1つの外部IPで多重化する。動作原理:内部ホスト 192.168.1.10:54321 → 外部 203.0.113.5:62000(NAPTテーブルにマッピング登録)。外部からの応答パケットは、宛先ポート62000を元にNAPTテーブルを参照して内部 192.168.1.10:54321 へ転送される。ステートフル変換のため接続状態をNAPT機器が保持する必要があり、メモリと処理負荷が課題。
実務での使われ方
家庭用ブロードバンドルータの標準機能、企業ファイアウォール(インターネット境界)、ISPのCGN(Carrier Grade NAT、複数顧客で1グローバルIP共有)で利用。Webサーバを内部に置く場合はポートフォワーディング(静的NAPT)で外部からアクセス可能化。NAT越え技術として STUN/TURN/ICE(WebRTCで使用)、UPnP IGD、NAT-PMP がP2P通信を支える。
試験での位置づけ
FE・APネットワーク分野の鉄板。NAT/NAPT/IPマスカレードの違い、プライベートIPアドレス範囲(10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16)、IPv4枯渇問題、IPv6移行技術(デュアルスタック、6to4、NAT64/DNS64)と関連付けて出題される。応用情報・NW スペシャリストでは具体的なヘッダ書き換え処理、TCPコネクションタイムアウト、NAT透過VPN(NAT-T)まで踏み込む。
関連技術・発展補足
DHCP(a)はRFC 2131で規定されたIPアドレス自動割当プロトコル(DHCPDISCOVER/OFFER/REQUEST/ACK の4ステップ)、リース期間管理・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバ通知も同時実施。RADIUS(d)はRFC 2865で規定されたAAA(Authentication, Authorization, Accounting)プロトコルで、無線LANのIEEE 802.1X認証、VPN利用者認証で活用。後継として Diameter(IMS網で利用)、認証連携には SAML・OAuth・OIDC が業界標準。IPv6 では NAT が原則不要となるが、プライバシー保護のため一時アドレス(プライバシー拡張)が併用される。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成24年度 秋期 問37/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。