基本情報 平成28年度 春期 問46:テクノロジ系に関する問題
安全性や信頼性を確保するための設計のうち, フールプルーフに該当するものは どれか。
- a装置が故障したときは, システムが安全に停止するようにして, 被害を最小限 に抑える。
- b装置が故障したときは, 利用できる機能を制限したり, 処理能力を低下させた りしても, システムは稼働させる。
- c装置が故障しても, システム全体の機能に影響がなかいように, 二重化などを行 って冗長な構成とする。
- d利用者が誤った操作をしても, システムに異常が起こらないようにする。正答
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答えは d「利用者が誤操作してもシステムに異常が起こらないようにする」 です。
フールプルーフ(fool proof)は「バカ(fool)でも壊せない(proof)」という意味。
たとえば電子レンジの「ドアを開けたら自動で停止」、車の「シフトがPじゃないとエンジンかからない」など、人間のうっかりミスを機械側で吸収する設計です。
👉 覚え方:フールプルーフ=人間のミスを許す設計。
ほかの選択肢:a 安全に停止=フェールセーフ/b 機能制限して稼働継続=フェールソフト/c 二重化=フォールトトレラント。「人のミス」がキーワードならフールプルーフ。
なぜこれが正解か
正解は d。フールプルーフ(fool proof)は利用者の誤操作・誤入力があってもシステムが異常を起こさないように、操作不能化/確認ダイアログ/入力チェック等で人為的ミスを未然防止する設計思想。「ポカヨケ」とも呼ばれる。
各選択肢の解説
- a 故障時に安全停止:フェールセーフ(fail safe)。故障時被害最小化。
- b 故障時に機能制限/処理能力低下で稼働継続:フェールソフト(fail soft)/縮退運転。
- c 二重化で機能影響なし:フォールトトレラント(fault tolerant)。冗長化で故障の影響を吸収。
- d 利用者の誤操作対策:正解。フールプルーフ。
覚え方・ひっかけ注意
4設計思想を「誰の/何の問題に対処するか」で整理:
- フールプルーフ:人の誤操作 → 操作不能化・入力チェック
- フェールセーフ:機械の故障 → 安全側に倒す
- フェールソフト:機械の故障 → 縮退して稼働継続
- フォールトトレラント:機械の故障 → 冗長化で影響なし
試験ではこの4語の識別が頻出。「フール=バカ/フェール=失敗/フォールト=障害」の語源で覚える。
理論的背景
信頼性設計の4大思想はRAS(Reliability/Availability/Serviceability)設計の中核。背景には安全工学・人間工学・信頼性工学があり、特にフールプルーフはヒューマンエラー対策として人間工学から派生。トヨタ生産方式のポカヨケが原点で、後にIT設計に応用された。
実務での使われ方
各思想の実装例:
- フールプルーフ:削除前確認ダイアログ/必須入力チェック/プルダウン選択強制/管理者権限制限/RBAC(Role-Based Access Control)
- フェールセーフ:信号機故障時の赤信号点灯/原子炉のスクラム制御/航空機の自動下降
- フェールソフト:CDN障害時にオリジン直接配信/RAIDのデグレード運転/クラウドのGraceful Degradation
- フォールトトレラント:Active-Active構成/N+1冗長/マルチAZ/マルチリージョン展開
試験での位置づけ
信頼性設計分野の頻出テーマ。基本情報では4語の識別、応用情報・システムアーキテクトではMTBF/MTTR/可用性(Availability)計算、SPOF(Single Point of Failure)排除、カオスエンジニアリングまで踏み込む。
選択肢の発展補足
発展概念:
- フェールオーバー:障害発生時の自動切替(フォールトトレラントの実装手段)
- フェールバック:復旧後に元構成に戻す
- スプリットブレイン:クラスタが分断され各ノードが主と勘違いする問題
- サーキットブレーカー:マイクロサービスで連鎖障害を防ぐパターン
- バルクヘッド:障害を隔離するパターン
人間工学側ではノーマン(Donald Norman)のアフォーダンス・シグニファイア理論がUI/UXデザインに影響。Don't Make Me Thinkの原則、Material Design・Apple Human Interface Guidelinesのフールプルーフ実装パターンも実務で頻用。SRE(Site Reliability Engineering)の文脈ではエラーバジェット・SLOでフェールソフト戦略を定量設計する。試験対策では4語の正確な識別を基礎に、現代システム設計への拡張理解が上位資格突破の鍵。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 春期 問46/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。