問題
図に示すマトリックスを用いたポートフォリオマネジメントによって,事業計画や競争優位性の分析を行う目的はどれか。 (図)縦軸を事業の魅力度(市場成長率)の高・低,横軸を事業の強み(市場シェア)の強・弱とした,2×2のマトリックス
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答え合わせ
- A
- B
- C
- D
自信の3択
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解説
答えは b「目標を設定し,資源配分の優先順位を設定するための基礎として,自社の事業のポジションを評価する」 です。
図のように「事業の魅力度(市場成長率)」と「事業の強み(市場シェア)」の2つの軸で事業を4つのマスに分けるのがポートフォリオマネジメント(PPMが代表)です。
各事業がどのマスにいるかを見て、「どの事業にお金や人をたくさん回すか」という資源配分の優先順位を決めるために使います。
👉 覚え方:PPM=事業ごとの位置を見て、お金の配り方を決める。
ほかの選択肢:a プロモーション効果の測定/c 製品の品質向上の方策/d 季節変動や地域の広がりを加味した市場分析 は、資源配分の判断とは目的が違う。
なぜこれが正解か
正解は b。図は,縦軸に事業の魅力度(市場成長率),横軸に事業の強み(市場シェア)をとったマトリックスで,PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)に代表されるポートフォリオマネジメントの枠組みである。複数の事業をこのマトリックス上に位置付けて評価し,どの事業に経営資源(資金・人材など)を重点的に配分するか,資源配分の優先順位を決める基礎とするのが目的である。
各選択肢の解説
- a 誤り:プロモーション効果の測定は,広告や販売促進の効果測定の話で,事業ポジションの評価の目的ではない。
- b 正しい:資源配分の優先順位を設定するための基礎として事業のポジションを評価する。
- c 誤り:製品の品質向上による優位性維持の方策は,品質管理や製品戦略の話。
- d 誤り:季節変動要因や地域的広がりの加味は,需要予測や市場分析の話。
覚え方・ひっかけ注意
PPMの4象限:花形(成長率高・シェア高),金のなる木(成長率低・シェア高),問題児(成長率高・シェア低),負け犬(成長率低・シェア低)。金のなる木で得た資金を問題児や花形に投資する,という「資源配分」がPPMの核心。
理論的背景
PPM(Product Portfolio Management)は1970年代にボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が提唱した手法で,市場成長率と相対的市場シェアの2軸で事業を分類する。背景には,製品ライフサイクル(成長率が高い市場では投資が必要)と経験曲線(シェアが高いほど累積生産量が多くコストが下がり,利益を生みやすい)の考え方がある。事業ごとに資金の流入と流出の性格が異なるため,全社として資金を最適に循環させることが狙いである。同様の枠組みに,業界の魅力度と事業の強みを多面的な指標で評価するGE・マッキンゼーのビジネススクリーン(3×3)もあり,本問の図の軸の名称はこの系統の表現に近い。
実務での使われ方
多角化した企業の事業ポートフォリオの見直しで使われ,「金のなる木」で生み出した資金を「問題児」の育成や「花形」の維持に回し,「負け犬」は縮小・撤退を検討する。IT分野では,情報化投資を案件ごとにリスクと価値で分類するITポートフォリオとして応用され,限られたIT予算の配分判断に用いられる。
試験での位置づけ
基本情報・ITパスポートでは4象限の名称と特徴,PPMの目的が頻出。応用情報・ITストラテジストでは,SWOT分析やアンゾフの成長マトリクスと組み合わせた事業戦略の立案が問われる。
選択肢の発展補足
a のプロモーション効果の測定は,広告の到達率や反応率,売上への寄与を評価するもので,マーケティングミックスの領域である。c は品質を軸にした競争戦略,d は需要予測や市場調査の領域にあたる。いずれも「複数の事業の位置付けを比べて,資源をどこに配分するか決める」というポートフォリオマネジメントの目的とは異なる。
出典と作り方
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 春期 問69/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビ独自の3段階の解説(初級・標準・上級)です。


