基本情報 平成30年度 春期 問73:ストラテジ系に関する問題
ネットビジネスでの O to 0 の説明はどれか。
- a基本的なサービスや製品を無料で提供し, 高度な機能や特別な機能については 料金を課金するビジネスモデルである。
- b顧客仕様に応じたカスタマイズを実現するために, 顧客からの注文後に最終製 品の生産を始める方式である。
- c電子商取引で, 代金を払ったのに商品が届かない, 商品を送ったのに代金が支 払われないなどのトラブルが防止できる仕組みである。
- dモバイル端末などを利用している顧客を, 仮想店舗から実店舗に, 又は実店舗 から仮想店舗に誘導しながら, 購入につなげる仕組みである。正答
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答えは d です。
O2O=Online to Offline(オンライン⇄オフライン)=ネットの世界とリアルの店舗を行き来させて購入につなげる仕組み。
たとえば、スマホで「クーポンget」→実店舗で使う、とか、店舗で商品を見て→ネットで購入する、というイメージ。仮想店舗と実店舗の双方向がポイントです。
👉 覚え方:O2O=ネット ⇄ リアル の橋渡し!
ほかの選択肢:a 無料+有料の階層課金=フリーミアム/b 注文後生産=BTO(Build to Order)/c 代金トラブル防止=エスクロー。
なぜこれが正解か
正解は d。O2O(Online to Offline)は、オンライン(仮想店舗、Webサイト、アプリ、SNS)とオフライン(実店舗)を相互に行き来させ、最終的に購入につなげるマーケティング手法。スマホアプリでクーポン配布→実店舗利用、店舗で実物確認→ECで購入、位置情報による近隣店舗誘導等が典型例。
各選択肢の解説
- a 基本無料+高度機能有料:フリーミアム(Freemium)モデル。Spotify、Dropbox、Slack等。
- b 受注後生産:BTO(Build to Order)、MTO(Make to Order)。Dell PCが代表例。
- c 代金・商品の取引トラブル防止:エスクローサービス。仲介者が代金を一時預かり。
- d 仮想店舗⇄実店舗誘導:O2O → 正解。
覚え方・ひっかけ注意
EC・小売関連の類似用語整理:
- O2O:オンライン → オフライン(または双方向)。
- OMO(Online Merges with Offline):境界をなくし融合(より発展形)。
- オムニチャネル:複数チャネルの統合体験。
- マルチチャネル:複数チャネル併用(統合は弱い)。
- クロスチャネル:チャネル間の連携(統合途中)。
- D2C(Direct to Consumer):メーカ直販。
O2Oは2010年代前半に提唱、現在はOMO/オムニチャネルへ進化中。
O2O・OMO・オムニチャネルの進化
O2O(Online to Offline)
オンラインで顧客接点を作り、実店舗での購入へ誘導。または逆方向。代表施策:
- 位置情報マーケティング:ジオフェンシング(特定エリア進入時にプッシュ通知)。
- モバイルクーポン:LINE公式アカウント、PayPayクーポン。
- アプリ会員カード:来店履歴・購買履歴連動のポイント・特典。
- ショールーミング対応:実店舗で体験→アプリで購入。
オムニチャネル(Omnichannel)
O2Oを発展させ、すべてのチャネル(実店舗、EC、アプリ、SNS、コールセンター、カタログ等)を統合した一貫した顧客体験を提供。在庫・購買履歴・ポイントが横断的に管理される。
- Click & Collect:オンライン注文→店舗受取。
- 店舗在庫リアルタイム表示:ECサイトで近隣店舗在庫を確認。
- 店舗からのEC発送:店舗在庫を販売チャネル化。
- どこでも返品:購入チャネルに関わらず返品可能。
OMO(Online Merges with Offline)
中国Alibabaが提唱、O2O・オムニチャネルの先にある概念。オンとオフの境界が消失し、シームレスな体験を提供。中国のHema(盒馬鮮生)、Luckin Coffeeが代表例:
- 店内QRで注文・支払い、店内利用 or 自宅配達自由選択。
- 店内端末でEC在庫から取り寄せ。
- 顔認証決済、無人レジ。
技術基盤
- MA(Marketing Automation):顧客行動データに基づく自動化施策。Salesforce Marketing Cloud、HubSpot、Marketo。
- CDP(Customer Data Platform):顧客データ統合基盤。Treasure Data、Segment、mParticle。
- CRM:顧客関係管理。Salesforce、Microsoft Dynamics 365、Zoho。
- POS連携:店舗POSとEC在庫・顧客の連携。
- 位置情報API:Google Maps、地図SDK、ジオフェンシングAPI。
- デジタルサイネージ:店内デジタル広告、QR連携。
- モバイルウォレット:Apple Pay、Google Pay、PayPay、LINE Pay、楽天Pay。
関連ビジネスモデル
- D2C(Direct to Consumer):メーカ直販。Warby Parker、Allbirds、BASE、Shopify。
- C2C(Consumer to Consumer):個人間取引。メルカリ、ヤフオク、Etsy。
- B2B2C:プラットフォーム経由の小売。Amazon Marketplace、楽天、Yahoo!ショッピング。
- サブスクリプションコマース:定期配送モデル。Stitch Fix、BloomBox。
- ライブコマース:ライブ配信+EC統合。中国Taobao Live、TikTok Shop。
- ソーシャルコマース:SNS経由販売。Instagram Shop、Pinterest Shop。
実装の代表事例
- スターバックス:モバイルオーダー&ペイ、リワード、店舗在庫連動。
- ユニクロ:店舗在庫アプリ表示、店舗受取・返品。
- 無印良品:MUJI passportアプリ、店舗・EC統合。
- Walmart:Pickup(駐車場受取)、Spark Driver(配達)。
- Amazon Go:レジレス無人店舗(Just Walk Out技術)。
試験での位置づけ
FE「ストラテジ/EC・デジタルビジネス」分野で頻出。応用情報・ITストラテジスト・SAでは中核知識。DX、顧客体験(CX)、デジタルマーケティング、データドリブン経営は経営戦略の中核。
課題・論点
- プライバシー:位置情報、購買履歴、行動データの取扱い。GDPR、個人情報保護法、Apple ATT。
- チャネルコンフリクト:オンライン・オフラインの利益相反。
- データサイロ:チャネル間でデータが分断、統合困難。
- 組織体制:従来のチャネル別組織からの脱却が必要。
選択肢の発展補足
aのフリーミアムはChris Andersonが提唱(『FREE』2009)、ネットワーク効果と組み合わせて急成長を生む。bのBTOはDellが90年代に確立、在庫リスク削減と顧客カスタマイズ両立。cのエスクローは信頼担保の古典的仕組み、現代では暗号通貨・スマートコントラクトでの自動エスクロー(Escrow.com、Etherscan等)に発展。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成30年度 春期 問73/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。