行政法127個人情報保護法・個人情報の種類・要配慮個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報

行政書士 行政法 問127:個人情報保護法・個人情報の種類・要配慮個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報

個人情報保護法(現行規律)に定める個人情報の種類・概念に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 「要配慮個人情報」とは、本人の人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪の経歴・犯罪により害を被った事実など、取扱いに特に配慮を要する情報として政令で定める記述等が含まれる個人情報をいい、原則として本人の同意なくして取得することは禁止されている。
  • 「個人識別符号」とは、それ単体で特定の個人を識別できる文字・番号・記号・符号等であり、マイナンバー(個人番号)や運転免許証番号・旅券番号等がこれに含まれる。
  • 「仮名加工情報」とは、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる情報であり、仮名加工情報は個人情報保護法上の「個人情報」に一切該当しない。正答
  • 「匿名加工情報」とは、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものであり、匿名加工情報は個人情報には該当しない。
  • 「個人関連情報」とは、生存する個人に関する情報であって、個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報のいずれにも該当しないものをいい、第三者提供の制限等について一定の規律が定められている。
正答:「仮名加工情報」とは、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる情報であり、仮名加工情報は個人情報保護法上の「個人情報」に一切該当しない。

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ウが誤っています。仮名加工情報は、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工された情報ですが、「個人情報に一切該当しない」という記述は誤りです。仮名加工情報であっても、他の情報と容易に照合できる状態にあるなど、特定の個人を識別できる場合には「個人情報」に該当します(個人情報保護法上、仮名加工情報は個人情報性を完全に失うわけではなく、他の情報との照合可能性等によって個人情報に当たる場合がある)。これに対して匿名加工情報(エ)は個人情報に当たりません。アの要配慮個人情報、イの個人識別符号、オの個人関連情報はいずれも正しい記述です。

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仮名加工情報の誤りの核心(ウが誤りの根拠): 仮名加工情報(法2条5項)は、個人情報を特定の規則に従って加工した情報ですが、他の情報と照合すれば特定の個人を識別できます。このため、仮名加工情報の取扱事業者が他の情報と照合できる状態にある場合など、依然として「個人情報」に当たる場合があります。「一切該当しない」という断定は誤りです(仮名加工情報の取扱義務は第41条・第42条に規定)。

匿名加工情報との違い(エが正しいとの対比): 匿名加工情報(法2条6項)は特定の個人を識別することができないように「かつ復元できないように」加工した情報であり、もはや個人情報には該当しません(エは正しい。取扱義務は第43条〜第46条)。

仮名加工情報と匿名加工情報の対比:

| 区分 | 特定の個人識別 | 復元可能性 | 個人情報性 |

|---|---|---|---|

| 仮名加工情報 | 照合すれば可能 | 照合により復元可 | 照合次第で個人情報に該当しうる |

| 匿名加工情報 | 識別不可 | 復元不可 | 個人情報に該当しない |

要配慮個人情報(アが正しい根拠): 本人の人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪の経歴・犯罪被害の事実等が法・政令で要配慮個人情報として列挙されており、原則として本人の同意なしの取得・第三者提供が禁止されています。

個人識別符号(イが正しい根拠): マイナンバー・運転免許証番号・旅券番号・生体情報(指紋・顔認識データ)等が個人識別符号として政令で定められており、これらを含む情報は個人情報に該当します。

個人関連情報(オが正しい根拠): Cookie情報・位置情報・行動履歴等で個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報のいずれにも当たらないものが個人関連情報に該当し、第三者提供に一定の規律が設けられています(2022年改正で新設強化)。

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【理論的背景】

個人情報保護法は、2015年改正・2017年施行、2020年改正・2022年施行(令和3年改正)を経て、個人情報の類型を精緻化してきました。特に仮名加工情報(令和2年改正で新設・2022年施行)は、データ活用(ビッグデータ・AI学習データ等)と個人情報保護の両立を図るために導入された概念です。匿名加工情報よりも加工の程度が低く(内部での研究・分析等に使いやすい)、匿名加工情報よりも厳格な第三者提供制限があります(仮名加工情報は原則として第三者提供不可)。

【実務・条文構造】

個人情報保護法の各定義(第2条各項):

1. 個人情報(2条1項): 生存する個人を識別できる情報(照合識別含む)または個人識別符号を含む情報

2. 個人識別符号(2条2項): マイナンバー・免許証番号・生体情報等、それ単体で個人識別可能なもの

3. 要配慮個人情報(2条3項): 人種・信条・病歴等、特別な配慮を要する情報。原則として同意なしの取得禁止(センシティブ情報)

4. 仮名加工情報(2条5項): 照合なしには個人識別できないように加工した情報(照合すれば識別可・照合次第で個人情報に該当)。取扱義務は第41条・第42条

5. 匿名加工情報(2条6項): 個人識別不可かつ復元不可に加工した情報(個人情報に該当しない)。取扱義務は第43条〜第46条

6. 個人関連情報(2条7項): 生存する個人に関する情報であって個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報のいずれにも該当しないもの(Cookie等)。第三者提供の規律は第31条

仮名加工情報の取扱い規制(ウの誤りの補足):

  • 仮名加工情報は個人情報に該当する場合としない場合がある(他情報との照合可能性による)
  • 取扱事業者が他情報と照合しない状態で管理している場合は個人情報性が失われる
  • しかし「一切個人情報に該当しない」は誤り(状況によって異なる)
  • 仮名加工情報としての利用目的変更が可能(匿名加工情報より内部活用しやすい)
  • 第三者提供は原則禁止(匿名加工情報と異なり外部提供を想定していない)

【試験での位置づけ】

行政書士試験では5類型(個人情報・要配慮個人情報・個人識別符号・仮名加工情報・匿名加工情報)の定義と区別が出題されます。「仮名加工情報は個人情報に一切該当しない」(ウのような誤り)、「匿名加工情報も個人情報に該当する」という誤肢が典型パターンです。仮名加工情報と匿名加工情報の差異(加工の程度・個人情報性・第三者提供可否)の対比を整理することが重要です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 正しい。要配慮個人情報の定義(人種・信条・病歴等・政令で定める)と原則として本人同意なし取得禁止という規律を正確に表現。
  • イ: 正しい。個人識別符号の概念(それ単体で個人識別可能な符号)とマイナンバー・免許証番号・旅券番号等が含まれることを正確に表現(個人識別符号は政令で具体的に列挙)。
  • ウ: 誤り(正答)。仮名加工情報は「個人情報に一切該当しない」という断定が誤り。他の情報との照合可能性等によって個人情報に当たる場合がある。匿名加工情報(個人情報に非該当)と混同した誤り。
  • エ: 正しい。匿名加工情報は「特定の個人を識別できないように、かつ復元できないように加工した情報」であり、個人情報に該当しない点が仮名加工情報との最大の差異。
  • オ: 正しい。個人関連情報(2022年改正で規律強化)はCookie情報・位置情報・購買履歴等のうち個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報のいずれにも該当しない情報であり、第三者提供について一定の規律が設けられている。

【根拠条文】

個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)第2条第1項(個人情報)、第2項(個人識別符号)、第3項(要配慮個人情報)、第5項(仮名加工情報)、第6項(匿名加工情報)、第7項(個人関連情報)(2022年改正後の現行法による)

【補足】

5類型の核心:仮名加工情報≠個人情報に「一切」該当しない(照合次第で個人情報に当たる)。匿名加工情報=復元不可・個人情報に非該当。「仮名=一切非個人情報」と「匿名=個人情報に該当する」がともに誤りの典型。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)第2条(個人情報・個人識別符号・要配慮個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報・個人関連情報の各定義) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

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個人情報保護法・個人情報の種類・要配慮個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報頻出度A

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