行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 行政法 問5|行政手続法・行政指導

問題

行政書士 | 行政法

行政手続法が定める行政指導に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

オが誤りです。「処分等の求め」(行手法36条の3)は、行政手続法の2014年(平成26年)改正により新設された規定であり、制定当初からある規定ではありません。行手法は1993年制定・1994年施行ですが、36条の3は2015年4月施行の2014年改正で追加されました。アは正しく(行政指導への不従に基づく不利益取扱禁止)、イは正しく(従う意思がない旨の表明後に行政指導を継続すること等により申請者の権利の行使を妨げることの禁止)、ウは正しく(趣旨・内容・責任者の明確化義務・書面交付義務)、エは正しい(複数者への行政指導の指針の策定・公表義務)。

行政指導の各手続規定を整理します。32条(一般原則): 行政指導は任意の協力によって実現されるもので、相手方が従わないことを理由に不利益取扱い禁止(アが正しい)。33条(申請関連行政指導): 「申請の取下げ・内容の変更を求める行政指導」について、申請者が従う意思がない旨を表明したにもかかわらず行政指導を継続すること等により申請者の権利の行使を妨げてはならないことを規定(イが正しい根拠)。35条(方式): 趣旨・内容・責任者の明確化義務、書面交付義務(ウが正しい)。36条(共通内容の指針): 複数の者への行政指導については、あらかじめ行政指導指針を定め、行政上特別の支障がない限り公表しなければならない(義務)(エが正しい)。36条の3(処分等の求め): 2014年改正で新設。任意の者が法令違反事実に関し処分・行政指導を求めることができる制度(オが「制定当初から」とする点で誤り)。

【理論的背景】

行政指導は法令に基づかない事実上の行為であり、相手方の任意の協力を前提とする行政の行為形式です。法的効果を持たない(行政行為と異なり取消訴訟の対象とはならない)ことから、行政指導を利用して実質的に相手方に義務を課す「指導の陰の強制」が問題視されてきました。行政手続法の行政指導規定(32条〜36条の3)は、この問題に対応するための規律であり、任意性の担保・透明性の確保・申請者保護の3点が立法趣旨です。

【実務・条文構造】

2014年(平成26年)行政手続法改正の意義:2014年改正では、①行政指導の中止等の求め(36条の2新設)と②処分等の求め(36条の3新設)が追加されました。

  • 36条の2(行政指導の中止等の求め): 行政指導が法令要件を充たさないと考える者は、その中止等を求めることができる。
  • 36条の3(処分等の求め): 法令違反事実があると思料する者は、処分権限を有する行政庁に処分または行政指導を行うよう求めることができる。

これらは2015年4月1日施行(行手法の制定は1993年・施行は1994年なので、36条の3は「制定当初からある」という記述は明確に誤り)。行政庁は処分等の求めに対して、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは処分・行政指導をしなければならない義務を負います。

行政指導と申請処理の関係(33条)の詳細:申請の取下げ・内容変更を求める行政指導は、申請者が従う意思がない旨を表明したにもかかわらず継続すること等により申請者の権利の行使を妨げてはならない。これは特に建築確認・開発許可等の分野で、行政が事実上長期間審査を保留する慣行(確認留保・行政指導による引き延ばし)を規制するために重要な規定です。

【試験での位置づけ】

行政書士試験では行政手続法の行政指導規定は毎年出題されるテーマです。典型的な引っかけは「行政指導に従わないことを理由に不利益取扱いが許される(誤り)」「処分等の求めは制定当初から(誤り)」「36条の3は2014年改正で新設(これが正しい)」です。改正年と施行年の混乱(2014年改正・2015年施行)も注意が必要です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 正しい。32条1項・2項の趣旨。「任意の協力によってのみ実現」「不利益取扱い禁止」は行政指導の本質。
  • イ: 正しい。33条の内容(従う意思がない旨の表明後に行政指導を継続すること等により申請者の権利の行使を妨げてはならない)に対応。
  • ウ: 正しい。35条の趣旨。趣旨・内容・責任者の明確化と書面交付義務(特別の支障がない限り)。
  • エ: 正しい。36条の内容(複数の者への行政指導について、あらかじめ行政指導指針を定め、行政上特別の支障がない限り公表しなければならない。義務)。
  • オ: 誤り(正答)。36条の3は2014年改正(2015年施行)で新設されたもの。「制定当初から設けられていた」は誤り。

【根拠条文】

行政手続法 第32条(行政指導の一般原則)、第33条(申請に関連する行政指導)、第35条(行政指導の方式)、第36条(多数者への指導の指針)、第36条の3(処分等の求め・2014年改正新設)

【補足】

「処分等の求め(36条の3)は2014年改正で新設」という事実は行政書士試験でよく問われる時系列知識。行手法の制定(1993年)・施行(1994年)と2014年改正・2015年施行の区別を押さえること。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政手続法 第32条(行政指導の一般原則)、第33条(申請に関連する行政指導)、第34条(許認可等に関連する行政指導)、第35条(行政指導の方式)、第36条(複数の者を対象とする行政指導)、第36条の3(処分等の求め) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。