行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 行政法 問35|行政手続法・意見公募手続・命令等の制定手続

問題

行政書士 | 行政法

行政手続法が定める意見公募手続(パブリックコメント)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

意見公募手続(パブリックコメント)の基本ルールを条文で確認します。

エが誤りです。 意見公募手続を実施しなくてよい場合は、39条4項1号の「公益上、緊急に命令等を定める必要がある」場合だけではありません。同項は2号〜8号として、他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定める場合(5号)や、他の法令の制定・改廃に伴い当然必要とされる規定の整理などの軽微な変更として政令で定めるもの(8号)なども挙げています。

ア(39条1項)、イ(39条3項・40条1項)、ウ(43条1項)、オ(43条5項)は正しい記述です。

意見公募手続の流れと条文

1. 案の公示(39条1項・2項): 命令等制定機関は、命令等の案と関連資料をあらかじめ公示し、意見の提出先と意見提出期間を定めて広く一般の意見を求めます。案は具体的かつ明確で、題名と根拠法令の条項が明示されたものでなければなりません(ア)。

2. 意見提出期間(39条3項・40条1項): 公示の日から起算して30日以上。30日以上の期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは30日を下回る期間を定めることができ、その場合は案の公示の際に理由を明らかにします(イ)。

3. 提出意見の考慮(42条): 提出意見を十分に考慮しなければなりません。

4. 結果の公示(43条1項): 公布と同時期に、①命令等の題名、②案の公示の日、③提出意見、④提出意見を考慮した結果(案との差異を含む)とその理由を公示します(ウ)。

実施しない場合(39条4項・43条5項): 39条4項1号〜8号のいずれかに当たるときは意見公募手続を要しません。緊急の場合(1号)に限られないため、エは誤りです。実施しなかった場合は、公布と同時期に、命令等の題名及び趣旨(趣旨は43条5項ただし書の場合に限る)と、実施しなかった旨及びその理由を公示します(オ)。

【理論的背景】

意見公募手続は、命令等(2条8号: 法律に基づく命令又は規則、審査基準、処分基準、行政指導指針)を定める際に、案を事前に公にして広く一般の意見を求める仕組みです。38条1項は、命令等制定機関が命令等を定めるに当たり、根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるようにしなければならないとし、同条2項は、定めた後も実施状況や社会経済情勢の変化等を勘案して内容の適正を確保するよう努めることを定めています。意見公募手続は、この適正の確保を手続の面から支える制度です。

【実務・条文構造】

  • 39条1項: 案及び関連資料をあらかじめ公示し、意見の提出先と意見提出期間を定めて広く一般の意見を求める。
  • 39条2項: 案は「具体的かつ明確な内容のもの」で、題名と根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。
  • 39条3項: 意見提出期間は「同項の公示の日から起算して三十日以上でなければならない」。
  • 40条1項: 30日以上の期間を定めることができない「やむを得ない理由があるとき」は30日を下回る期間を定めることができ、案の公示の際その理由を明らかにしなければならない。
  • 40条2項: 委員会等の議を経て定める場合に、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施したときは、自ら意見公募手続を実施することを要しない。
  • 39条4項: 1号 公益上緊急に定める必要があり実施が困難なとき、2号 納付すべき金銭について定める法律の制定・改正により必要となる算定の基礎等、3号 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うための算定の基礎等、4号 利害調整を目的とする委員会等の審議を経る命令等として政令で定めるもの、5号 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等、6号 技術的読替え、7号 根拠規定の削除に伴い当然必要とされる廃止、8号 他の法令の制定・改廃に伴い当然必要とされる規定の整理その他の軽微な変更として政令で定めるもの。
  • 43条1項: 公布と同時期に、題名・案の公示の日・提出意見・提出意見を考慮した結果とその理由を公示。2項により、提出意見に代えて整理・要約したものを公示することもできる。
  • 43条5項: 39条4項各号に該当して実施しなかった場合は、公布と同時期に「命令等の題名及び趣旨」「意見公募手続を実施しなかった旨及びその理由」を公示する。

【試験での位置づけ】

「30日以上(39条3項)」「短縮は40条1項で理由の明示が必要」「省略できる場合は39条4項1号〜8号」「結果の公示も省略時の公示も公布と同時期(43条1項・5項)」の4点がよく問われます。省略時の公示を「その後速やかに」とするひっかけや、省略できる場合を緊急の場合だけに絞るひっかけに注意してください。なお「速やかに」公示するのは、43条4項の、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 39条1項のとおり。主体は命令等制定機関(38条1項)です。
  • イ(正): 39条3項(30日以上)と40条1項(やむを得ない理由があるときの短縮)の組合せです。
  • ウ(正): 43条1項3号・4号の内容です。
  • エ(誤): 39条4項は、1号の緊急の場合のほか、2号〜8号の場合にも同条1項の規定を適用しないとしています。「緊急の場合に限られる」は誤りです。
  • オ(正): 43条5項。時期は「公布と同時期」で、公示事項は題名(及び趣旨)と実施しなかった旨・理由です。

【根拠条文】行政手続法 第2条第8号、第38条第1項・第2項、第39条第1項〜第4項、第40条第1項・第2項、第42条、第43条第1項・第2項・第4項・第5項

【補足】30日以上=39条3項/短縮=40条1項/省略できる場合=39条4項1号〜8号/省略時の公示=43条5項(公布と同時期)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政手続法 第2条第8号(命令等)、第38条第1項(命令等制定機関)、第39条第1項〜第4項(意見公募手続・意見提出期間・適用除外)、第40条第1項(意見公募手続の特例)、第42条(提出意見の考慮)、第43条第1項・第5項(結果の公示等)。 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 行政手続法・意見公募手続・命令等の制定手続
  • 頻出度B

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