問題
行政事件訴訟法が定める関連請求(取消訴訟と損害賠償請求等)の移送・併合・訴えの変更に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
ウが正しいです。行訴法19条1項は、原告は取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、関連請求に係る訴えを併合して提起できると定め、13条1号は処分に関連する損害賠償の請求を関連請求としています。アは誤りで、移送は申立てによるほか職権でもできます(13条)。イは誤りで、高等裁判所に係属するときは移送できません(13条ただし書)。エは誤りで、第一審が高等裁判所なら被告の同意が要ります(16条2項)。オは誤りで、訴えの変更は原告の申立てによります(21条1項)。
| 制度 | 条文 | ポイント |
|---|---|---|
| 関連請求 | 13条各号 | 1号: 処分・裁決に関連する原状回復・損害賠償の請求 など |
| 移送 | 13条 | 相当と認めるとき、申立てまたは職権で、取消訴訟の係属する裁判所へ。どちらかが高等裁判所に係属するときは不可 |
| 併合 | 16条 | 取消訴訟に関連請求の訴えを併合できる。第一審が高等裁判所なら関連請求の被告の同意が必要 |
| 原告による追加的併合 | 19条 | 口頭弁論の終結に至るまで |
| 訴えの変更 | 21条 | 国・公共団体に対する損害賠償等の請求へ。原告の申立てにより、決定で許す |
- ア(誤): 「申立てにより又は職権で」移送できる。
- イ(誤): 13条ただし書。
- ウ(正): 19条1項前段と13条1号。
- エ(誤): 16条2項。被告が異議を述べずに本案について弁論等をしたときは同意したものとみなされる。
- オ(誤): 21条1項は「原告の申立てにより」とする。
【関連請求制度の体系】
行訴法13条は、取消訴訟と関連する請求を「関連請求」と定義し、1号から6号まで列挙します。1号は当該処分または裁決に関連する原状回復または損害賠償の請求、2号は当該処分とともに一個の手続を構成する他の処分の取消しの請求、3号は当該処分に係る裁決の取消しの請求、4号は当該裁決に係る処分の取消しの請求、5号は当該処分または裁決の取消しを求める他の請求、6号はその他当該処分または裁決の取消しの請求と関連する請求です。処分の違法を理由とする国家賠償請求は1号の損害賠償の請求に当たり、取消訴訟と同じ裁判所で審理できるよう移送・併合の規定が置かれています。
【移送の要件】
13条本文は、取消訴訟と関連請求に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合において、相当と認めるときは、関連請求に係る訴訟の係属する裁判所が、申立てによりまたは職権で、その訴訟を取消訴訟の係属する裁判所に移送することができるとします。移送の方向は「関連請求の裁判所から取消訴訟の裁判所へ」です。ただし、取消訴訟または関連請求に係る訴訟の係属する裁判所が高等裁判所であるときは移送できません(13条ただし書)。
【併合の要件】
16条1項により、取消訴訟には関連請求に係る訴えを併合できます。取消訴訟の第一審裁判所が高等裁判所であるときは、関連請求に係る訴えの被告の同意が必要で、被告が異議を述べないで本案について弁論をし、または弁論準備手続において申述をしたときは同意したものとみなされます(16条2項)。原告は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで関連請求に係る訴えを併合して提起でき(19条1項前段)、第三者も、取消訴訟の当事者の一方を被告として同様に併合提起できます(18条)。数人が共同訴訟人として訴え、または訴えられるのは、請求が取消しの請求と関連請求とである場合に限られます(17条1項)。
【訴えの変更】
21条1項は、取消訴訟の目的たる請求を当該処分または裁決に係る事務の帰属する国または公共団体に対する損害賠償その他の請求に変更することが相当であると認めるときは、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、原告の申立てにより、決定をもって訴えの変更を許すことができると定めます。許す決定をするには、あらかじめ当事者および損害賠償その他の請求に係る訴えの被告の意見を聴かなければならず(21条3項)、許す決定には即時抗告ができ(21条4項)、許さない決定には不服を申し立てることができません(21条5項)。職権による変更は認められていないので、オは誤りです。
【根拠条文】
行政事件訴訟法 第13条、第16条第1項・第2項、第17条第1項、第18条、第19条第1項、第21条第1項・第3項〜第5項
【補足】
関連請求の移送は「申立てまたは職権」・高等裁判所に係属するときは不可。併合は第一審が高等裁判所なら被告の同意。原告の追加的併合は口頭弁論終結まで。訴えの変更は原告の申立てで。
- 行政事件訴訟法第13条e-Govで原文を読む
- 定期監査関連請求の問題が判例に依っていたため、行政事件訴訟法の条文だけで決まる問題に作り直しました。正答は「イ」から「ウ」に変わっています。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政事件訴訟法 第13条(関連請求に係る訴訟の移送)、第16条(請求の客観的併合)、第19条(原告による請求の追加的併合)、第21条(国又は公共団体に対する請求への訴えの変更) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

