行政書士 一般知識 問13:租税の種類・国税と地方税
日本の税制に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア相続税は、相続によって取得した財産に課される税であり、地方税に分類される。
- イ固定資産税は、土地・建物等の固定資産を所有する者に課される税であり、市区町村が課税主体となる地方税である。正答
- ウ所得税は、個人の所得に課される国税であるが、累進課税(所得が高いほど税率が高くなる)の仕組みはとっていない。
- エ消費税は国税であり、その全額が国の歳入となるため、地方公共団体には分配されない。
- オ事業税は、法人・個人事業主が事業を行うことに対して課される国税である。
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正答はイです。固定資産税は土地・建物等の固定資産の所有者に対して市区町村が課す地方税です(地方税法342条等)。ア(誤):相続税は国税です(相続税法に基づく)。ウ(誤):所得税は累進課税(所得税法89条の税率表による超過累進税率:5〜45%の多段階)を採用しています。エ(誤):消費税は国税ですが、地方消費税として一定割合が地方公共団体(都道府県・市区町村)に分配されます。全額が国の歳入となるわけではありません。オ(誤):事業税は地方税(道府県税)であり、法人事業税・個人事業税を含みます(地方税法72条等)。
税の分類(国税・地方税、直接税・間接税)を整理します。イ(正):固定資産税は地方税法に基づく市区町村税(固有税)であり、不動産取得税(道府県税)と混同しやすいので注意が必要です。標準税率は1.4%です(変動するため問題化は制度・構造論に限定)。ア(誤):国税の代表例は所得税・法人税・相続税・消費税・贈与税・酒税・印紙税等です。相続税は国税庁(税務署)が管轄する国税です。ウ(誤):所得税法89条は超過累進税率を定めており、課税所得が多いほど限界税率が高くなります(日本は5%〜45%の7段階)。「累進課税を採用していない」は誤りです。エ(誤):消費税の税収は国(消費税率分)と都道府県・市区町村(地方消費税分)に分配される仕組みです。税率10%のうち地方消費税分が2.2%(軽減税率8%の場合は1.76%)とされています(具体的割合は変動可能性あり・制度の仕組みを理解することが重要)。オ(誤):事業税は地方税(道府県税)です(地方税法72条の2等)。
【国税・地方税の体系】
日本の税制は国が課す「国税」と都道府県・市区町村が課す「地方税」に大別されます。国税の主なものは所得税(個人の所得)・法人税(法人の所得)・相続税・贈与税・消費税・酒税・たばこ税・印紙税・関税等です。地方税はさらに都道府県税と市区町村税に分かれます。都道府県税の代表例は道府県民税・事業税・不動産取得税・自動車税(種別割)等。市区町村税の代表例は市区町村民税(住民税)・固定資産税・都市計画税・軽自動車税等です。これらを分類した表を一覧で把握することが行政書士試験一般知識の基本です。
【直接税・間接税の体系(再確認)】
直接税(担税者=納税義務者):所得税・法人税・住民税・固定資産税・相続税・贈与税等。間接税(担税者≠納税義務者):消費税・酒税・たばこ税・関税等。固定資産税は不動産所有者が課税客体かつ納税義務者であり直接税に分類されます。消費税は事業者が消費者から預かって納税する間接税です。
【累進税率の理論と実際】
累進税率(progressive tax rate)は所得再分配機能を持つ重要な仕組みです。日本の所得税は7段階の超過累進税率を採用しており、課税所得が多いほど上の税率帯(最高45%)が適用されます(ただし超過した部分のみに高い税率がかかる超過累進方式)。逆進性を持つ消費税との対比で累進税と逆進税の概念が問われることがあります。法人税は法人税率(一定割合)ですが、中小法人については軽減税率が設けられています。地方税にも住民税(個人)があり、「均等割」(定額)と「所得割」(所得比例)から構成されます。
【試験対策と財政連邦主義】
行政書士試験では国税・地方税の区分(特に相続税=国税・固定資産税=市区町村税・事業税=都道府県税)と直接税・間接税の区分(消費税=国税+間接税)の2軸での整理が必要です。消費税の地方への分配(地方消費税)は頻出の応用論点であり「消費税は全額国の歳入」というエのような誤りに引っかかりやすいです。比較法的には、連邦制国家(米国・ドイツ)では税源の連邦・州配分がより複雑であり、日本の地方分権改革(1999年地方分権一括法)でも地方の課税自主権の拡大が課題として残っています。
【根拠条文】
地方税法 第72条(事業税)、第342条(固定資産税の納税義務者)
所得税法 第89条(税率・累進課税)
相続税法 第1条の3(相続税の課税対象)
【補足】
国税vs地方税の分類表(相続税=国税、固定資産税=市区町村税、事業税=都道府県税)を暗記。消費税は国税だが地方消費税として一定分が地方へ分配されるというエの誤りが典型的な引っかけ。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 地方税法 第342条・第348条等(固定資産税)、所得税法 第89条(累進税率)、国税・地方税の分類(地方財政法等) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。