行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 一般知識 問28|行政書士の義務・誠実義務・秘密保持義務

問題

行政書士 | 一般知識

行政書士法に定める行政書士の義務に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。行政書士法11条は「行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない」と定めています(依頼に応ずる義務)。ア(誤):行政書士法12条の秘密保持義務は「行政書士でなくなつた後も、また同様とする」とされる永続的義務です。業務終了後もなくなりません。ウ(誤):法律が定めるのは「公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」(1条の2)と、「行政書士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」(10条)であり、「親切丁寧」に業務を行う義務を定めた条文はありません。エ(誤):ア同様、秘密保持義務は退職・廃業後も継続します(12条)。オ(誤):行政書士法施行規則9条2項は、行政書士が作成した書類(電磁的記録を除く)に記名し、かつ職印を押さなければならないと定めており、押印義務は廃止されていません(社会全般の「脱ハンコ」とは別に、行政書士の職印押印義務は現行で存続)。「記名のみで足りる」とするオは誤りです。

イが正答です(行政書士法11条・依頼に応ずる義務)。各肢の詳細:ア・エ(誤):行政書士法12条は「行政書士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱つた事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなつた後も、また同様とする。」と規定しており、業務終了後も秘密保持義務は継続します(アの「契約終了後は義務なし」もエの「退職・廃業後は消滅」もいずれも誤り)。イ(正):11条は「行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない」と定めており、違反には100万円以下の罰金が科されます(23条1項)。ウ(誤):1条の2第1項は「公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」と定め、10条は信用失墜行為の禁止を定めるもので、行政書士法に「親切丁寧」に業務を行う義務の規定はありません。オ(誤):2021年前後の一連のデジタル化(押印見直し)により行政手続上の多くの書類で申請者の押印が不要とされましたが、これは行政書士本人が自ら作成した書類に職印を押す義務とは別の話です。行政書士法施行規則9条2項は、行政書士が作成した書類(電磁的記録を除く)について行政書士が記名し職印を押すことを義務付けており(作成者表示・申請意思の真正担保・本人確認の機能を担う)、現行でも存続しています。したがって「押印義務は廃止され記名のみで足りる」とするオは誤りです。

【行政書士の義務体系】

行政書士法に定める行政書士の主要な義務を体系化します。①職責(1条の2):公正かつ誠実に業務を行う義務と、信用失墜行為の禁止(10条):行政書士の信用・品位を害する行為を禁止。②秘密保持義務(12条):業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らすことの禁止(廃業後も継続)。③帳簿の備え付け・保存義務(9条):帳簿を備え、帳簿閉鎖の時から2年間保存する義務。④依頼に応ずる義務(11条):正当な事由がある場合でなければ依頼を拒めない(イの正答根拠)。⑤業務の制限(1条の3第2項・1条の4ただし書):他の法律で業務が制限されている事項は行えない。これらの義務に違反した場合は懲戒・罰則の対象となります(14条以下・21条以下)。

【秘密保持義務の詳細】

行政書士法12条の秘密保持義務は「正当な理由がない限り」という要件と「行政書士でなくなった後も継続する」という二つの特徴を持ちます。「正当な理由」の典型例は、①法令上の開示義務(捜査機関への報告義務等)、②依頼者本人の同意・承諾、③裁判手続での証拠提出等です。依頼者の同意があれば秘密を開示できるという点(アの前半部分)は正しいですが、「業務終了後は義務が消滅する」という後半が誤りです。秘密保持義務の永続性は弁護士(弁護士法23条)・医師(刑法134条)と同様の趣旨であり、依頼者の信頼を保護するためのものです。刑事罰については12条違反に対し22条(1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。令和7年6月施行の刑法改正前は「懲役」)が設けられ、告訴がなければ公訴を提起できません(22条2項)。

【誠実義務と品位保持義務】

行政書士法1条の2の職責(公正かつ誠実な業務遂行)と10条の信用失墜行為の禁止は、抽象的・包括的な義務規定であり、具体的な判断は個々の事案に応じて行われます。「信用又は品位を害するような行為」としては、業務と無関係な不正行為・詐欺的行為・差別的対応・反社会的勢力との関係等が含まれうるとされます。行政書士法には「親切丁寧」に業務を行う義務を定めた条文はなく、法律が定めるのは「公正かつ誠実」(1条の2第1項)であるため、「誠実義務・親切丁寧義務」を法定の義務とするウは誤りです。この法律に違反したときは、都道府県知事による懲戒(14条:戒告・2年以内の業務の停止・業務の禁止)の対象となります。

【懲戒・罰則との関係】

行政書士の義務違反に対する制裁は二層構造です。①行政上の懲戒(14条以下):戒告・業務停止(2年以内)・業務の禁止を都道府県知事が処分。②刑事罰(21条以下):業務関連の犯罪行為(秘密漏示・依頼拒否・非行政書士による業務等)に拘禁刑・罰金。③民事責任(不法行為・債務不履行):依頼者等への損害賠償。業務の禁止の処分を受けた者は、処分の日から3年を経過するまで欠格事由に該当する効果もあります(2条の2第6号)。依頼に応ずる義務(11条)の違反は100万円以下の罰金(23条1項)、秘密保持義務(12条)の違反は刑事罰(22条:1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。改正前は「懲役」)の対象でもあり、厳重な義務です。

【根拠条文】

行政書士法 第1条の2(職責)、第10条(信用失墜行為の禁止)、第11条(依頼に応ずる義務)、第12条(秘密保持義務・廃業後も継続)、第22条(秘密保持義務違反の罰則)、第23条(依頼に応ずる義務違反の罰則)

【補足】

秘密保持義務は廃業・退職後も継続(ア・エの誤り)が最重要ポイント。正当な事由がなければ依頼を拒めない依頼に応ずる義務は11条(イ正)。法律上の職責は「公正かつ誠実」(1条の2)であり、「親切丁寧義務」の条文はない(ウ誤り)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政書士法 第1条の2(職責)・第10条(信用失墜行為の禁止)・第11条(依頼に応ずる義務)・第12条(秘密を守る義務)・第9条(帳簿の備付及び保存) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

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  • 行政書士の義務・誠実義務・秘密保持義務
  • 頻出度A

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