ITパスポート 令和3年度 問21:経営戦略に関する問題
ABC分析の事例として,適切なものはどれか。
- a顧客の消費行動を,時代,年齢,世代の三つの観点から分析する。
- b自社の商品を,売上高の高い順に三つのグループに分類して分析する。正答
- cマーケティング環境を,顧客,競合,自社の三つの観点から分析する。
- dリピート顧客を,最新購買日,購買頻度,購買金額の三つの観点から分析する。
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答えは b です。
ABC分析は、商品を「売上の多い順」に並べて、A・B・Cの3グループに分ける方法です。Aは稼ぎ頭、Cはあまり売れていないもの。どれを大事にするか決めるのに使います。
👉 覚え方:ABC=「売上の多い順にA・B・Cに分ける」。
ほかの選択肢:a は時代・年齢・世代で見る分析(別物)/c は顧客・競合・自社で見る3C分析/d は最近いつ・どれくらいの回数・いくら買ったかで見るRFM分析。どれも"売上の多い順に分ける"ABC分析ではありません。
なぜこれが正解か
正解は b。ABC分析は、対象(商品・在庫など)を売上高や金額などの重要度の高い順に並べ、累積比率に応じてA・B・Cの3グループに分類し、管理の優先順位を決める手法。「自社の商品を売上高の高い順に三つのグループに分類」する b がそのもの。
各選択肢の解説
- a:時代・年齢・世代で消費行動を分析 → コーホート分析(時代/年齢/世代分析)。
- c:顧客・競合・自社の観点で分析 → 3C分析。
- d:最新購買日・購買頻度・購買金額で分析 → RFM分析。
覚え方・ひっかけ注意
ABC分析はパレートの法則(80:20)が背景で、「上位2割の商品が売上の8割」を可視化する道具。3C(c)やRFM(d)と数字や"3つの観点"で混同しやすいので、「重要度順にA/B/Cに分けるのがABC分析」と核心で覚える。
理論的背景
ABC分析(重点管理分析)は、パレートの法則(Pareto's Law:80:20の法則)を実務に応用した管理手法で、ヴィルフレド・パレートが19世紀末に発見した「イタリアの土地の80%を20%の人が保有している」という経済的不均衡の観察が起源。対象を金額・数量・頻度などの評価基準で降順ソートし、累積構成比で上位約70-80%をA群(重点管理対象)、次の15-20%をB群、残り5-15%をC群に分類する。分類の閾値は業種・目的によって柔軟に設定し、固定ルールではない点が実務上の注意点。可視化ツールとしてパレート図(縦棒グラフ+累積折れ線)を使い、「重要な少数(Vital Few)と些末な多数(Trivial Many)」を視覚的に識別する。QC七つ道具の一つとして品質管理でも使われ(不良要因の頻度分析)、本来は小売・在庫管理に限らず幅広い「優先順位付け」に適用できる汎用ツール。
実務での使われ方
在庫管理:A群は頻繁に発注・在庫確認し欠品リスクをゼロに近づける、C群は発注頻度を下げてまとめ買いし管理コストを削減する差別化管理。小売では棚の「ゴールデンゾーン(目線に近い高さ)」にA群商品を配置し、死に筋(C群の中でも売上が著しく低い商品)は廃番・縮小を検討する。購買管理では主要サプライヤー(A群)への集中交渉で価格・納期の改善を狙う。近年はPOS・SCMシステムと連動してリアルタイムにA/B/C分類を自動更新し、AIによる需要予測と組み合わせて動的な棚割りを実現する「ダイナミックMD」への応用が進んでいる。
上位資格への接続
基本情報技術者ではQC七つ道具(パレート図・特性要因図・管理図・ヒストグラム・散布図・チェックシート・グラフ)との関係、在庫管理の発注点方式・経済的発注量(EOQ)、マーケティング分析手法(3C・RFM・コーホート分析・ライフタイムバリュー)との識別が問われる。応用情報以上ではABC分析を応用した経営資源の優先配分(PPMとの組み合わせ)まで発展する。
選択肢の発展補足
選択肢aのコーホート分析は、同時期に特定経験(出生・入学・購入等)をした集団(コーホート)を追跡して時代・加齢効果を分離分析する手法。マーケティングでは購入コーホートの継続購買率(リテンション)分析が典型。選択肢cの3C分析(Customer:顧客・市場、Competitor:競合、Company:自社)は大前研一が提唱した事業環境分析のフレームワーク。選択肢dのRFM分析(Recency:最近購買日、Frequency:購買頻度、Monetary:購買金額)はCRM・顧客セグメンテーションの定番手法で、各軸スコアの組み合わせで「優良顧客・離脱しそうな顧客・新規顧客」などを識別する。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問21/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。