令和4年度45マネジメント系

ITパスポート 令和4年度 問45:テスト技法に関する問題

ブラックボックステストに関する記述として,適切なものはどれか。

  • aプログラムの全ての分岐についてテストする。
  • bプログラムの全ての命令についてテストする。
  • cプログラムの内部構造に基づいてテストする。
  • dプログラムの入力と出力に着目してテストする。正答
正答:Dプログラムの入力と出力に着目してテストする。

AI解説(初心者・標準・上級)

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは d です。

ブラックボックステストは、中身(プログラムの作り)は見ないで、『この入力を入れたら、正しい結果が出るか?』という“入口と出口”だけをチェックするテストです。

自動販売機で『100円入れてボタンを押したら、ちゃんとジュースが出るか』を確かめるイメージ。中の仕組みは気にしません。

👉 覚え方:ブラック(中が見えない箱)=入力と出力だけ見る。

ほかの選択肢:a 分岐を全部テスト/b 命令を全部テスト/c 内部構造を見てテスト。これらは中身を見る『ホワイトボックステスト』の話です。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は d。ブラックボックステストは、プログラムの内部構造を見ず、仕様に基づいて『入力に対して期待どおりの出力が得られるか』に着目してテストする手法。利用者視点で機能・仕様を検証する。

各選択肢の解説

  • a 全ての分岐をテスト=分岐網羅。内部構造を見るホワイトボックステストの考え方。
  • b 全ての命令をテスト=命令網羅。これもホワイトボックステスト。
  • c 内部構造に基づいてテスト=ホワイトボックステストそのものの定義。

覚え方・ひっかけ注意

『ブラックボックス=中が見えない箱=入力と出力だけ』『ホワイトボックス=中が見える=内部構造・命令・分岐』と対で覚える。a・b・cはすべてホワイトボックス側のキーワード(命令網羅・分岐網羅・内部構造)なので、これらが出たらブラックボックスではないと判断する。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

ブラックボックステスト(Black-box Testing)はIEEE 610.12-1990(ソフトウェアエンジニアリング用語標準)で「プログラムの内部実装を参照せず、入力と出力の関係のみを検証するテスト手法」と定義されている。「仕様ベーステスト(Specification-based Testing)」とも呼ばれ、ソフトウェアの外部仕様・要件が満たされているかを利用者視点で検証する。

対する「ホワイトボックステスト(White-box Testing)」は「グラスボックステスト」「構造ベーステスト(Structure-based Testing)」とも呼ばれ、コードの内部構造を参照してテストケースを設計する。カバレッジ指標として①命令網羅(C0:全命令を少なくとも1回実行)②分岐網羅(C1:全分岐の真/偽を少なくとも1回通過)③条件網羅(C2:各複合条件の個別条件の真/偽を全パターン試行)④複数条件網羅(MC/DC)の順に厳格さが増す。本問の選択肢aの「全ての分岐テスト」はC1、選択肢bの「全ての命令テスト」はC0に対応するホワイトボックステストの手法であり、どちらも内部構造を見る点でブラックボックスではない。

実務での使われ方

ブラックボックステストの代表的な設計技法として以下がある。①同値分割(Equivalence Partitioning):入力データを有効同値クラス・無効同値クラスに分け、各クラスの代表値でテストする。例:年齢入力欄(1〜120が有効、0以下・121以上が無効)。②限界値分析(Boundary Value Analysis):同値クラスの境界値±1を重点的にテストする(境界はバグが集中するという経験則に基づく)。③デシジョンテーブル(Decision Table):複数の条件組み合わせを表に整理し、全組み合わせまたは重要な組み合わせを網羅的にテストする。④原因結果グラフ:入力条件(原因)と出力結果(効果)の論理関係をグラフ化してテストケースを導出する。

テスト工程との対応関係として、ブラックボックステストは主に結合テスト・システムテスト・受入テスト(UAT:User Acceptance Testing)に用いられ、ホワイトボックステストは開発者が行う単体テストに用いられる。ISO/IEC/IEEE 29119(ソフトウェアテスト標準)では両者を「テスト設計技法」として体系的に整理しており、現代のアジャイル開発でもテスト自動化(Selenium・Cypress等によるE2Eテスト)の設計基盤として活用されている。

試験での位置づけ

ITパスポートのテスト技法分野で「ブラックボックス vs ホワイトボックスの定義区別」は最頻出テーマである。本問のように「内部構造」「分岐」「命令」というホワイトボックス特有のキーワードが誤答選択肢に配置され、「入力と出力」に着目するブラックボックスの本質を問う構造が典型的な出題パターンである。試験対策として「ブラック=外から見える入出力のみ」「ホワイト=中のコード構造を見る」という二分法を完全に確立することが第一歩となる。

基本情報技術者(FE)では、同値分割・限界値分析を用いた具体的なテストケース設計問題(「どの値をテストすれば良いか」という計算問題)が出題される。カバレッジ率(C0・C1)の計算、網羅基準ごとの「最小テストケース数」の算出も頻出である。応用情報技術者(AP)ではV字モデル(開発工程とテスト工程の対応関係)、システムテスト・受入テストの責任主体、ミューテーションテスト(意図的にバグを埋め込んでテストの検出力を評価する手法)まで問われる。

選択肢の発展補足

選択肢aの「分岐網羅(C1)」は、if文やswitch文の分岐がすべて少なくとも1回は真・偽の両方向でテストされることを要求する。単体テストのカバレッジ目標として「C1 80%以上」等の基準が組織ポリシーで設定されることが多い。ただし分岐を全通過しても「データの組み合わせ異常」は検出できない弱点があり、ブラックボックスの同値分割・デシジョンテーブルと組み合わせることで補完される。

選択肢bの「命令網羅(C0)」は最も緩いカバレッジ基準で、デッドコード(実行されないコードパス)の発見には有効だが、すべての分岐を通過する保証はない。一方C2(条件網羅)はn個の条件式に対して2のn乗の組み合わせが必要になり、組み合わせ爆発でテストケース数が膨大になるため、航空・医療など安全クリティカルシステムで採用されるMC/DC(修正条件/判定網羅)が現実的な妥協点として広く採用されている。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度45/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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