ITパスポート 令和4年度 問92:ネットワーク・Bluetoothに関する問題
IoTエリアネットワークの通信などに利用されるBLEは、Bluetooth4.0で追加された仕様である。BLEに関する記述のうち、適切なものはどれか。
- aWi-Fiのアクセスポイントとも通信ができるようになった。
- b一般的なボタン電池で、半年から数年間の連続動作が可能なほどに低消費電力である。正答
- c従来の規格であるBluetooth 3.0以前と互換性がある。
- dデバイスとの通信には、赤外線も使用できる。
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは b です。
BLEは「省エネ版のBluetooth」です。とにかく電気を食わないのが売りで、小さなボタン電池1個で半年から数年も動き続けられます。
だから、いつも電池を入れっぱなしにしたいセンサーやIoT機器にぴったりです。
👉 覚え方:「BLE=Low Energy=超省エネのBluetooth」。
ほかの選択肢:a Wi-Fiのアクセスポイントとは直接つなげません/c 昔のBluetooth3.0以前とは互換性がありません/d 通信に赤外線は使いません(電波を使います)。
なぜこれが正解か
正解は b。BLE(Bluetooth Low Energy)はBluetooth 4.0で追加された超低消費電力の通信仕様。一般的なボタン電池で半年〜数年の連続動作が可能で、IoTセンサーやウェアラブル機器に適する。
各選択肢の解説
- a BLEはBluetoothの仕様であり、Wi-Fiアクセスポイントと直接通信する機能ではない。
- c BLEは従来のBluetooth 3.0以前(クラシックBluetooth)とは互換性がない。
- d Bluetoothは電波(2.4GHz帯)を使う無線通信で、赤外線は使用しない。
覚え方・ひっかけ注意
「BLE=Low Energy=超省電力」が核。キーワードは「ボタン電池で長期間動作」。クラシックBluetoothとは非互換、赤外線ではなく電波、という2点が引っかけになりやすい。
理論的背景
BLE(Bluetooth Low Energy)はBluetooth 4.0仕様(2010年発表)で追加された省電力サブセットで、クラシックBluetoothと物理層・プロトコルスタックが根本的に異なる。通常のBluetooth(BR/EDR:Basic Rate/Enhanced Data Rate)がコネクション確立に時間とエネルギーを要する「持続的接続」モデルを基本とするのに対し、BLEはアドバタイジング(定期的なブロードキャスト)と短時間の接続・切断を繰り返す「間欠的通信」モデルを採用する。この設計により、1〜2日に数回しか通信しない温湿度センサーや心拍計のようなデバイスが、数百mAhのコイン電池(CR2032等)で半年から数年間稼働できる。データレートはBLEで最大2Mbps(BT 5.0以降)、クラシックは最大3Mbpsだが、BLEはデータ転送が少量・間欠的な用途に特化しているため速度は問題にならない。BLEはクラシックBluetooth(BR/EDR)と物理層規格が異なるため互換性がなく(選択肢cが誤りの根拠)、両対応するには「デュアルモード(Bluetooth Smart Ready)」チップが必要だ。
実務での使われ方
BLEの実用事例は幅広い。スマートウォッチ・フィットネストラッカーとのスマートフォン連携(心拍・歩数・睡眠データの同期)、iBeacon/Eddystoneプロトコルを使った屋内測位・近接通知(小売店での商品案内・美術館での展示解説等)、医療機器(血糖値計・血圧計)のデータ取得、工場内の機器状態モニタリング、そして家電のスマートロックや電球(スマートホーム)への制御まで多岐にわたる。Bluetooth 5.x系ではロングレンジ(最大400m・低速モード)とハイスピード(2Mbps)の選択モードが追加され、さらにBluetooth Meshにより多数のデバイスを網状トポロジで相互通信させる機能も規格化された。
試験での位置づけ
IoT・ネットワーク分野の重要テーマで、「BLE=低消費電力・ボタン電池・長期間稼働」のキーワードセットでの識別が定番だ。近距離無線通信の比較問題では、BLEのほかにNFC(数cm・かざす・決済/ICカード)、Wi-Fi(最大数百m・高速・高消費電力)、Zigbee(低速・省電力・メッシュ)、LoRaWAN(数km・超低速・LPWA)を用途・距離・消費電力で整理する出題が増えている。本問の選択肢a(Wi-Fiアクセスポイントとの通信)・c(旧Bluetoothとの互換性)・d(赤外線)はいずれも「BLEについてよくある誤解」を突いた引っかけで、正確な特性理解が問われる。基本情報技術者では各無線規格の通信距離・速度・用途の比較表として整理する出題が定番となっている。
選択肢の発展補足
選択肢a(Wi-Fiとの通信):BLEとWi-Fiはいずれも2.4GHz帯を使用するが(BLE 5.0以降は1Mbpsモードで2.4GHz専用、Wi-FiはデュアルバンドやトリプルバンドでBLEと干渉する場合がある)、プロトコルが根本的に異なるため直接通信できない。IoTゲートウェイがBLEとWi-Fiの橋渡し(プロトコル変換)を担うアーキテクチャが一般的だ。選択肢c(Bluetooth 3.0以前との互換性):BLEはBluetooth 3.0以前(クラシックBluetooth)と通信プロトコルが異なるため直接通信できない。ただし多くのスマートフォンやPCに搭載されているBluetoothチップはBLE+クラシックのデュアルモード対応であり、同一デバイスが両方の機器と通信できる。選択肢d(赤外線の使用):Bluetoothは2.4GHz帯の電波(マイクロ波)を使用し、赤外線は使わない。赤外線通信はかつてIrDA(Infrared Data Association)規格として普及したが、現在はほぼ廃れている。テレビのリモコン等の一方向制御には今も赤外線が使われるが、双方向データ通信には電波(Wi-Fi・Bluetooth・NFC等)が主流だ。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度 問92/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。