ITパスポート 令和4年度 問93:基礎理論・数学に関する問題
A3判の紙の長辺を半分に折ると、A4判の大きさになり、短辺:長辺の比率は変わらない。A3判の長辺はA4判の長辺のおよそ何倍か。
- a1.41正答
- b1.5
- c1.73
- d2
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答えは a「1.41」 です。
A3を半分に折るとA4になります。折ると“長い辺”が半分になって、それが次のサイズの“短い辺”になる仕組みです。
この紙は折っても縦横の比率が変わらない特別な形で、その比率がだいたい1.41(ルート2という数)です。
だからA3の長辺は、A4の長辺の約1.41倍になります。
👉 覚え方:「コピー用紙の拡大・縮小は1.41倍(141%)」。コピー機のA4→A3拡大ボタンが「141%」なのはこのためです。
2倍ではない点に注意(面積は2倍ですが、辺の長さは1.41倍)。
なぜこれが正解か
正解は a(約1.41)。A判の用紙は、長辺を半分に折っても短辺:長辺の比が一定になるよう設計されている。この比率は1:√2。A3を半分に折るとA4になり、A3の長辺=A4の長辺×√2=約1.41倍となる。
計算の考え方
短辺a・長辺bで、半分に折ると新しい用紙は短辺b/2・長辺a。比が同じなのでa:b=b/2:a → 2a²=b² → b/a=√2≒1.414。よってA3の長辺はA4の長辺の√2倍。
各選択肢の解説
- b 1.5:単純な3:2の比だが、A判の比率ではない。
- c 1.73:√3の値。A判とは無関係。
- d 2:面積比は2倍だが、辺の長さの比は√2。
覚え方・ひっかけ注意
「A判・B判の拡大縮小は√2=約1.41(141%)」。面積2倍と辺の長さ1.41倍を混同させるdが定番の引っかけ。
理論的背景
ISO 216で定義されるA判用紙の設計は「アスペクト比の自己相似性」という数学的性質に基づく。短辺をa、長辺をbとすると、用紙を長辺で半分に折ると新しい用紙の短辺はa、長辺はb/2になる。元の用紙と折った用紙が相似(同じ縦横比)であるための条件は a:b = (b/2):a すなわち a² = b²/2 から b/a = √2(≒1.41421356…)が導かれる。この√2(白銀比)を満たすことで、どのサイズでも同じアスペクト比が保たれ、コピー機での拡大・縮小時に面積比はちょうど2倍(または1/2倍)になる。A0は面積1m²と定義され、A1はその半分(0.5m²)、A2(0.25m²)と続き、AXの面積は2^(-X) m²となる。本問の「A3の長辺はA4の長辺の何倍か」は A3長辺÷A4長辺=420mm÷297mm=√2≒1.41 で即答できる。コピー機の「141%(A4→A3拡大)」「71%(A3→A4縮小・1/√2≒0.707)」の設定値はこの性質から来ている。
実務での使われ方
A判の実寸は国際規格として固定されており、A4(210×297mm)はビジネス文書・レポートの世界標準フォーマットだ。A3(297×420mm)はスプレッドシートの印刷・図面・ポスター等に使われる。なお日本独自のB判(JIS B系)は同じ1:√2比だが面積がA判の1.5倍で設計されており(B0が1.5m²)、国際B判(ISO B系)とは異なるため混同に注意が必要だ。建築・機械製図ではA0〜A4の5サイズが主に使われ、国際規格ISO 5457で製図用紙サイズが定められている。デジタル時代においてもPDFのページサイズ・Wordの用紙設定でA4/A3が基本となっており、印刷・製版業ではこの面積比と辺の比の理解が日常的に使われる。
試験での位置づけ
基礎理論・数学分野の実用的計算問題として出題される。√2≈1.41・√3≈1.73・√5≈2.24の代表的平方根の概数を暗記しておくと即答できる。本問の「面積は2倍だが辺の長さは√2倍(≈1.41)」という混同を誘うdの選択肢(2倍)は定番の引っかけで、「面積比と辺の長さの比は別物」という認識が問われる。数学の比率問題として基本情報技術者でも類題が出ることがあるが、ITパスポートでより頻繁に問われる傾向がある。他にも2進数・16進数変換・データ量計算(1GB=2の30乗バイト等)・確率といった「中学〜高校数学の範囲の計算問題」がITパスポートの数学問題として出題される。
選択肢の発展補足
選択肢b(1.5):3:2の比率で、A判の1:√2とは異なる。もし用紙が1:1.5の比率だとしたら、半分に折ると新しい用紙は1.5:0.5=3:1となり相似にならない——つまり折るたびに縦横比が変わって使い勝手が悪くなる。1:√2という設計の合理性はこの「折っても相似」という性質にある。選択肢c(1.73):√3の近似値。三角形の計算(正三角形の高さ=辺×√3/2)や60°・30°の三角比(tan 60°=√3)で登場する数値だが、用紙規格とは無関係。√2・√3の数値は混同しやすく、今後の試験でも「どちらが用紙の比か」という知識は使えるだろう。選択肢d(2):最も間違えやすい選択肢で、「A3はA4の2倍だから2倍」という直感的な誤答だ。A3の面積はA4の2倍だが、2次元図形の相似では面積比が平方比になるため、辺の長さの比は√2(面積比の平方根)となる。「面積比=辺の長さの比の2乗」という関係を押さえておくことで今後の類題にも対応できる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度 問93/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。