ITパスポート 令和4年度 問94:ハードウェア・入出力装置に関する問題
インクジェットプリンタの印字方式を説明したものはどれか。
- aインクの微細な粒子を用紙に直接吹き付けて印字する。正答
- bインクリボンを印字用のワイヤなどで用紙に打ち付けて印字する。
- c熱で溶けるインクを印字ヘッドで加熱して用紙に印字する。
- dレーザ光によって感光体にトナーを付着させて用紙に印字する。
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答えは a です。
インクジェットプリンタは、その名のとおり「インク(ink)」を「ジェット(jet=吹き付け)」する方式。とても小さなインクの粒を、紙にプシュッと直接吹き付けて文字や絵を作ります。
家庭でよく使われるプリンタです。
👉 覚え方:「ジェット=吹き付け。インクを吹いて印刷」。
ほかの選択肢:b リボンを叩きつける=ドットインパクト方式/c 熱でインクを溶かす=感熱・熱転写方式/d レーザーとトナー(粉)を使う=レーザープリンタ。
なぜこれが正解か
正解は a。インクジェットプリンタは、微細なインクの粒子(液滴)を印字ヘッドのノズルから用紙に直接吹き付けて印字する方式。家庭・小規模オフィスで広く普及している。
各選択肢の解説
- b インクリボンをワイヤなどで用紙に打ち付ける=ドットインパクトプリンタ(複写伝票に強い)。
- c 熱で溶けるインクを印字ヘッドで加熱する=熱転写(または感熱)プリンタ。
- d レーザ光で感光体(ドラム)にトナーを付着させる=レーザプリンタ。
覚え方・ひっかけ注意
「インクジェット=インクを吹き付ける」「ドットインパクト=叩く」「レーザ=トナー+感光体」「熱転写・感熱=熱」の方式キーワードで整理。各方式の“動作の核”を1語で覚えると取り違えない。
理論的背景
インクジェットプリンタの印刷原理は「液体インクの微小液滴(ピコリットル単位)をノズルから高速噴射して紙面に着弾・吸収させる」ことで画像を形成する。液滴の生成方式は大きく2種類ある。サーマル(バブルジェット)方式はキヤノンが開発した技術で、ノズル内のヒーター素子を瞬間加熱(約300°C)してインクを沸騰・気泡化し、その膨張圧で液滴を押し出す。ピエゾ(圧電)方式はエプソンが開発した技術で、圧電素子(ピエゾ素子)に電圧をかけた際の機械的変形(体積変化)を利用してインクを押し出す。ピエゾ方式はヒーターがないため高温によるインク劣化が少なく、顔料・染料・UV硬化インク等の多様なインクに対応できる。色表現はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の減法混色が基本で、写真印刷品質向上のためにライトシアン・ライトマゼンタ・グレー等を追加した6〜12色インクが使われる機種もある。
実務での使われ方
プリンタの種類は用途で選択される。インクジェットは初期コストが安く写真・グラフィック印刷に向くが、印刷速度が遅く、インクのランニングコスト(カートリッジ代)が高い傾向がある。レーザプリンタは高速・大量印刷・耐水性・シャープなテキスト印刷に優れ、オフィス用途が中心。トナーカートリッジの単価あたりの印刷コストはインクジェットより低い。ドットインパクト(ドットマトリクス)は複写伝票(宅配伝票・帳票)に唯一対応できる仕組みを持ち、銀行・物流業界で今も現役だ。感熱(サーマル)はレシート・ラベル印刷に使われ、インクや電源不要の間欠動作が可能だが紙の変色・退色が課題。近年は3Dプリンタ(FDM法=熱溶解積層・SLA法=光硬化樹脂等)も試験に登場している。
試験での位置づけ
ハードウェア・入出力装置の分野でプリンタの印刷方式は頻出テーマだ。「インクジェット=インクの微粒子を吹き付ける」「レーザ=感光体にトナーを転写」「ドットインパクト=リボンを叩く」「感熱・熱転写=熱を使う」の4方式キーワードを正確に対応させる形式が定番中の定番だ。本問はその典型問題で、インクジェットの「吹き付け」という動作キーワードを見抜くことが得点の条件だ。基本情報技術者では各プリンタの性能指標(解像度dpi・印刷速度ppm・カラープロファイル)や消耗品の種類、また入出力装置全般(スキャナ・タッチパネル・バーコードリーダー・磁気カードリーダー)まで出題範囲が拡大する。
選択肢の発展補足
選択肢b(ドットインパクトプリンタ):印字ヘッドの複数のピン(ワイヤ)をインクリボンに打ち付けて発色させる方式。ピン配列(7×7や9×24ドット)の組み合わせで文字・図形を形成するため「ドットマトリクスプリンタ」とも呼ばれる。複写が必要な伝票(カーボン紙・ノーカーボン紙)に物理的に打力を伝えることができる唯一のプリンタ方式として、物流・流通・金融業界で今も使われている。選択肢c(熱転写・感熱プリンタ):「熱で溶けるインクを加熱」という表現はやや曖昧で、実際には熱転写は熱でリボンのインクを熔解して紙に転写する方式(バーコードラベル・カード印刷)、感熱は感熱紙自体を熱で発色させる方式(レシート・ファクシミリ)として区別される。どちらもインクジェットとは方式が異なるが「熱」をエネルギーとして使う点が共通だ。選択肢d(レーザプリンタ):帯電→露光→現像→転写→定着の5工程(電子写真プロセス)で印刷する。感光体ドラムにレーザで静電潜像を作り、マイナスに帯電したトナー(粉体)をプラスの静電気で引き付け、熱ローラーで紙に熱定着させる。高速・高精細・耐水性が特徴で、大量印刷のオフィス環境に最適だ。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度 問94/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。