令和6年度31ストラテジ系

ITパスポート 令和6年度 問31:system_strategyに関する問題

顧客との個々のつながりを意識して情報を頻繁に更新する SNS などのシステムとは異なり、会計システムのように高い信頼性と安定稼働が要求される社内情報を扱うシステムの概念を示す用語として、最も適切なものはどれか。

  • aIoT (Internet of Things)
  • bPoC (Proof of Concept)
  • cSoE (Systems of Engagement)
  • dSoR (Systems of Record)正答
正答:DSoR (Systems of Record)

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

答えは d「SoR(Systems of Record)」 です。

会社にはお金の出入りを記録する会計のシステムがありますよね。これは「絶対に間違えちゃダメ」「いつも動いていてほしい」種類のシステムです。こういう“きっちり記録する”仕組みをSoR(記録のシステム)と呼びます。レコード=記録、と覚えればOK。

👉 覚え方:SoR=Record(記録)=かっちり・止まらない

ほかの選択肢:a IoT=家電やセンサーをネットにつなぐこと(スマート家電みたいな)/b PoC=アイデアが本当に使えるかのお試し実験/c SoE=SNSのように人とのつながりを大事にする側のシステム。

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は d。SoR(Systems of Record)は、会計・在庫・受発注など企業の基幹データを正確に記録・保管するシステムの概念。高い信頼性・データ整合性・安定稼働が最優先され、頻繁な変更より堅牢さが重視される。問題文の「会計システムのように高い信頼性と安定稼働」がそのままSoRの特徴。

各選択肢の解説

  • a IoT:モノ(機器・センサー)をインターネットに接続する技術概念。システムの分類概念ではない。
  • b PoC:新技術やアイデアの実現可能性を検証する試作・実証。
  • c SoE(Systems of Engagement):顧客や利用者との継続的なつながり・体験を重視するシステム。SNSやスマホアプリが典型で、本問の「SNSとは異なり」の“SNS側”にあたる。

覚え方・ひっかけ注意

SoR=Record(記録・堅牢)、SoE=Engagement(つながり・変化)。本問はSoEとSoRの対比そのもの。「SNSと異なり信頼性重視」ならSoRと即断する。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

SoR(Systems of Record)とSoE(Systems of Engagement)の対立軸は、アナリストのGeof Mooreが2011年のレポート「Systems of Engagement and The Future of Enterprise IT」で提唱した概念フレームワークであり、デジタル変革時代の情報システムの役割二極化を捉えた。

SoRの本質は「企業の公式記録を保管し、高い信頼性・整合性・監査可能性を確保する」ことにある。会計システム・ERP・基幹バンキングシステム・人事システムが典型例で、「誰が・いつ・何を・いくら」という事実の永続的・正確な記録が最優先価値である。このため設計原則としてACID特性(Atomicity・Consistency・Isolation・Durability)、障害時のRPO(目標復旧時点)とRTO(目標復旧時間)の厳格管理、高可用性(HA:High Availability)構成が標準要件となる。

対するSoEは「顧客・社員との頻繁な双方向インタラクションを支え、エンゲージメント(関与度)を高める」ことが目的であり、SNS・CRM・チャットシステム・コラボレーションツールが該当する。SoEはアジリティ・ユーザー体験・リアルタイム性を最優先にする反面、データの完全な整合性よりも応答速度を優先する設計が許容される(BASE特性:Basically Available, Soft state, Eventually consistent)。

実務での使われ方

現代の大企業情報システムはSoRとSoEの二層構造(Bimodal IT)で構成されることが多い。Gartnerの「バイモーダルIT」概念では「Mode 1(SoR系:安定・信頼性重視)」と「Mode 2(SoE系:アジャイル・実験重視)」として体系化されている。

金融機関ではコアバンキング(勘定系:SoR)と顧客向けアプリ・モバイルバンキング(SoE)の分離・連携が典型的アーキテクチャである。APIを介してSoRのデータをSoEに安全に提供する「マイクロサービスアーキテクチャ」への移行が進んでいる。近年はデータのリアルタイム活用需要の高まりから「SoI(Systems of Insight)」という第3のカテゴリ(BI・データ分析系)も加えた3層モデルが議論されている。

試験での位置づけ

SoR/SoEはITパスポートのシステム戦略・エンタープライズアーキテクチャ文脈で近年出題が増えている語彙ペアである。本問のような「定義の識別」形式が主流。混同を誘う構成(IoT・PoCという全く別概念を選択肢に入れる)への対策として「SoR=記録系(Record)・高信頼性」「SoE=関与系(Engagement)・顧客接点・頻繁更新」という語源ベースの記憶が有効。

基本情報技術者・応用情報技術者ではERPの機能範囲(会計・人事・在庫・製造)、データベースのACID特性、HAクラスタ構成が出題される。ITアーキテクト系の上位資格ではSOA(Service-Oriented Architecture)・ESB(Enterprise Service Bus)・マイクロサービスとのアーキテクチャ接続が問われる。

選択肢の発展補足

aのIoT(Internet of Things):物理的な機器・センサーをインターネット接続してデータを収集・制御する技術概念。「社内情報を扱うシステムの概念」という問いに対してIoTは「概念(システムパラダイム)」ではなく「技術インフラ」であり、しかも「センサーデータ収集」という用途はSoRともSoEとも異なるカテゴリ。ただし製造業ではIoTセンサーデータがSoRに記録される構造がある。

bのPoC(Proof of Concept):技術・ビジネスコンセプトの実現可能性を小規模実験で検証する手法。「システムの概念・区分名」ではなく「プロジェクトマネジメントのアプローチ名」であり、本問の問い方とは根本的に合わない。ITパスポートでは「RPA導入の計画策定フェーズ」「DXプロジェクトの初期検証」でPoCが頻出する。

cのSoE(Systems of Engagement):SNS・CRM・チャットツールという「顧客との関与・コミュニケーション重視の外向きシステム」。本問の「高い信頼性と安定稼働が要求される社内情報」という記述とは正反対の特性を持つ。「頻繁に更新される」「リアルタイム性重視」「ユーザー体験重視」がSoEのキーワードとしてSoRと対比して覚える。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和6年度31/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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