危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問37:酸・塩基・有機/無機
有機化合物の一般的な性質に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア有機化合物は炭素を骨格とする化合物で、一般に燃えにくく不燃性のものが多い。
- イ有機化合物は、一般に電気をよく通す良導体である。
- ウ有機化合物は、一般に水に溶けにくいものが多く、有機溶剤には溶けやすいものが多い。正答
- エ有機化合物は、一般に融点・沸点が無機化合物に比べて非常に高い。
- オ有機化合物が燃焼すると、炭素は必ず二酸化炭素のみを生じ、一酸化炭素は決して生じない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。
正しいのはウです。有機化合物は一般に水に溶けにくく、有機溶剤には溶けやすいものが多いです。
- ア(誤): 有機化合物は一般に可燃性(燃えやすい)。
- イ(誤): 一般に電気を通しにくい不良導体。
- ウ(正): 水に溶けにくく、有機溶剤に溶けやすい。
- エ(誤): 融点・沸点は無機物より比較的低い。
- オ(誤): 酸素不足だと一酸化炭素(CO)も生じる。
「有機物=可燃性・電気を通しにくい・水に溶けにくい」を押さえます。
有機化合物の一般的性質:
有機化合物は炭素(C)を骨格とする化合物で、第4類危険物の多くもこれに該当します。
一般的性質:
- 可燃性: 炭素・水素を含み、多くが燃える(ア=誤、有機物は燃えやすい)。
- 電気不良導体: 一般に電気を通しにくい(イ=誤)。このため静電気がたまりやすく、ガソリン等で帯電・火花放電の危険がある。
- 水に溶けにくい/有機溶剤に溶けやすい: 多くが非極性に近く水に難溶、有機溶剤に易溶(ウ=正)。
- 融点・沸点が比較的低い: 無機化合物(塩類等)より低いものが多い(エ=誤)。
- 燃焼生成物: 完全燃焼でCO2と水、酸素不足の不完全燃焼ではCO(一酸化炭素)も生じる(オ=誤、COは生じうる)。
選択肢:
- ウ(正): 水に溶けにくく有機溶剤に溶けやすいものが多い。
引っかけパターン: 有機物を不燃・良導体とする、融点沸点を高いとする、不完全燃焼でCOが出ないとする。「有機物=可燃・不良導体・水に難溶・低沸点・不完全燃焼でCO」を押さえます(水溶性のアルコール・酢酸等は例外)。
【理論的背景】
有機化合物は炭素を骨格とし、水素・酸素・窒素等を含む化合物の総称です。第4類危険物(引火性液体)の大半は有機化合物で、その一般的性質は危険物の挙動を理解する土台になります。炭素−水素結合を多く含むため可燃性で、分子間の結びつきが弱いため低温で蒸発・燃焼しやすく、極性が小さいものは水に溶けにくく電気を通しにくい、という特徴があります。
【一般的性質の整理】
- 可燃性: C・Hを含み燃える。燃焼でCO2・H2Oを生じる。
- 電気不良導体(非導電性): 一般に電気を通しにくい。→ 流動・注入で静電気がたまりやすく、火花放電が点火源になる(ガソリン等)。
- 溶解性: 多くは水に溶けにくく、有機溶剤(同種の有機物)に溶けやすい(「似たものは似たものを溶かす」)。ただしアルコール類・酢酸・アセトン・グリセリン等は水に溶ける(水溶性)例外。
- 融点・沸点: 無機塩類等に比べ低いものが多く、蒸発しやすい。
- 熱に弱い: 加熱で分解・燃焼しやすい。
燃焼生成物:
- 完全燃焼(酸素十分): CO2 + H2O。
- 不完全燃焼(酸素不足): CO(一酸化炭素・有毒)やすす(炭素)も生じる。換気の悪い場所での燃焼でCO中毒の危険。
【危険物との接続】
- 静電気対策: 有機物(石油類)は電気不良導体で帯電しやすいため、流速制限・接地(ボンディング/アース)・加湿で対策する。
- 水溶性の例外と消火: 水に溶ける有機物(アルコール類・アセトン・酢酸)は、通常の泡が溶けて消えるため耐アルコール泡(水溶性液体用泡)が必要。
- 不完全燃焼: 第4類火災では酸素不足で大量のすす・CO・黒煙が出ることがあり、消火活動・避難でCO中毒に注意。
【試験での位置づけ】
有機化合物の性質は物理化学・性質科目で頻出(頻出度B)です。核心は「可燃性・電気不良導体・水に溶けにくい(有機溶剤に溶けやすい)・融点沸点が比較的低い・不完全燃焼でCO」。引っかけは、有機物を不燃・良導体とする、融点沸点を高いとする、不完全燃焼でCOが出ないとする(本問のオ)、水溶性の例外を無視する、です。第4類が有機物であることから「燃えやすい・静電気・水に溶けにくい(一部例外)」という危険物の性質に直結させて覚えると効率的です。
【各選択肢の発展補足】
- ア(誤): 有機化合物は一般に可燃性。
- イ(誤): 一般に電気を通しにくい不良導体。
- ウ(正): 水に溶けにくく有機溶剤に溶けやすい。
- エ(誤): 融点・沸点は比較的低い。
- オ(誤): 不完全燃焼でCO(一酸化炭素)も生じる。
【根拠】確立した化学(有機化合物の一般的性質)。
【補足】有機物=炭素骨格・可燃性・電気不良導体・水に溶けにくい(有機溶剤に易溶)・低沸点・不完全燃焼でCO。アルコール類/酢酸/アセトン等は水溶性の例外。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(有機化合物の一般的性質)。有機化合物は炭素骨格をもち、一般に可燃性、電気不良導体(非導電性)、水に溶けにくく有機溶剤に溶けやすい、融点・沸点が比較的低い。完全燃焼でCO2と水、酸素不足の不完全燃焼ではCO(一酸化炭素)も生じる。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。