危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問38:熱量・比熱・熱膨張・熱移動
熱の移動(伝わり方)に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア熱の移動には、伝導・対流・放射(ふく射)の3つの様式がある。
- イ伝導は、物体内を高温部から低温部へ熱が伝わる現象で、金属は熱伝導率が大きい。
- ウ対流は、温められた液体や気体が移動することで熱が運ばれる現象である。
- エ放射(ふく射)は、空間(真空中)を通しても熱が伝わる現象である。
- オ放射(ふく射)は、必ず物質(媒体)を介してのみ伝わり、真空中では一切伝わらない。正答
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誤っているのはオです。放射(ふく射)は真空中でも伝わります(太陽の熱が宇宙を通って届くのが例)。
- ア(正): 熱の移動は伝導・対流・放射の3様式。
- イ(正): 伝導は高温部→低温部。金属は熱伝導率が大きい。
- ウ(正): 対流は液体・気体が動いて熱を運ぶ。
- エ(正): 放射は真空中でも伝わる。
- オ(誤): 放射は媒体がなくても伝わる(真空でもOK)。
「放射=電磁波・真空でも伝わる」を押さえます。
熱の移動の3様式:
熱は次の3つの方法で移動します。
- 伝導: 物体の中を、高温部から低温部へ熱が伝わる。金属は熱伝導率が大きく速く伝わる(イ=正)。
- 対流: 温められた液体や気体が軽くなって上昇し、冷たい部分が下降することで全体に熱が運ばれる(ウ=正)。
- 放射(ふく射): 高温の物体から電磁波(赤外線等)として熱が放出され、媒体(物質)を介さずに伝わる(エ=正)。
選択肢:
- ア(正): 3様式は伝導・対流・放射。
- オ(誤): 放射は物質を介さなくても伝わり、真空中でも伝わる。太陽の熱が真空の宇宙空間を通って地球に届くのがその例。「真空中では一切伝わらない」は誤りで、本問の正答。
引っかけパターン: 放射が媒体を必要とする(真空で伝わらない)とする誤り。「伝導・対流=物質が必要/放射=物質不要(真空でもOK)」を区別します。たき火に手をかざすと熱いのは放射、部屋全体が暖まるのは対流の例です。
【理論的背景】
熱はエネルギーの一形態で、高温から低温へ移動します。その移動の仕方には、(1)物質内を直接伝わる伝導、(2)流体の流れに乗って運ばれる対流、(3)電磁波として放出される放射(ふく射)の3様式があります。伝導と対流は熱を運ぶ「物質」を必要としますが、放射は電磁波なので物質を必要とせず、真空中でも伝わるのが最大の特徴です。
【3様式の整理】
- 伝導(conduction): 物体内部・接触面で、分子の振動が隣へ伝わる。金属は熱伝導率が大きく速く伝わる(だから金属は触ると熱い・冷たいを感じやすい)。気体・液体・断熱材は熱伝導率が小さい。
- 対流(convection): 温められた液体・気体は膨張して密度が小さくなり上昇、冷たい部分が下降して循環し、熱を全体へ運ぶ。暖房で部屋が暖まる、湯が沸くときの動きが例。
- 放射(radiation/ふく射): 物体が温度に応じて電磁波(主に赤外線)を放出し、媒体なしに熱が伝わる。真空中でも伝わる(太陽→地球)。たき火・ストーブに手をかざして感じる熱は放射。
【危険物との接続】
熱の移動は火災の延焼・予防に直結します。
- 延焼の仕組み: 火災では、放射熱が周囲の可燃物を加熱し、対流で高温の煙・ガスが上方や隣室へ広がり、伝導で壁・配管を通じて熱が伝わって延焼が拡大する。
- 保安距離・保有空地: 隣接施設への放射熱による延焼を防ぐため、施設間に距離・空地を設ける(放射熱は距離が離れるほど弱まる)。
- 冷却消火: 燃焼面から熱を奪う(伝導・対流で熱を逃がす)ことで温度を下げ、燃焼を止める。
- 熱伝導率と燃えやすさ: 熱伝導率が大きい物質は熱が逃げて燃えにくい(前問の論点と接続)。
【試験での位置づけ】
熱の移動は物理化学で頻出(頻出度B)です。核心は「伝導・対流・放射の3様式」「放射は媒体不要で真空中でも伝わる」「金属は熱伝導率が大きい」です。引っかけは、放射が真空で伝わらないとする(本問のオ)、伝導・対流・放射の現象の取り違えです。日常例(金属が熱い=伝導、部屋が暖まる=対流、たき火・太陽=放射)と結びつけ、火災の延焼(放射熱)や保安距離の意味につなげると理解が深まります。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 熱の移動は伝導・対流・放射の3様式。
- イ(正): 伝導は高温部→低温部。金属は熱伝導率が大きい。
- ウ(正): 対流は液体・気体が移動して熱を運ぶ。
- エ(正): 放射は真空中でも伝わる。
- オ(誤・正答): 放射は媒体がなくても伝わる。「真空で一切伝わらない」は誤り。
【根拠】確立した物理学(熱の移動の3様式)。
【補足】熱の移動=伝導・対流・放射。放射(ふく射)は電磁波で媒体不要・真空中でも伝わる。金属は熱伝導率大。放射熱が延焼の一因で保安距離の根拠。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(熱の移動の3様式)。熱は伝導・対流・放射で移動する。放射(ふく射)は電磁波による熱の移動で、媒体(物質)を必要とせず**真空中でも伝わる**(太陽熱が宇宙空間を通って地球に届くのが例)。よって「真空中では一切伝わらない」は誤り。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。